竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

あずきばっと。

2009-12-23 12:52:39 | 日記
冬の青空
 
岩手にいた子供時代のおいしかった料理に「あずきばっと」があります。
私の記憶では小豆の甘い汁にうどんやご飯を加えたものでした。
 
ちょっとね、ご飯まで加わるとおいしいかどうか、
そこで昨日はお汁粉に小麦粉を練った、はっとらしきものを加えて作りました。
はっとは「ほうとう」と同じく薄く伸ばして汁に入れるもののようです。
私のやったのは「ひっつみ」、つまりすいとん方式であまり薄くしません。
 
三日月
 
それでもおいしかった。
「はっと」も「ひっつみ」も岩手県南部から宮城県北部、気仙地方の郷土料理です。
 
この地域は特に餅料理の豊富なことで名高いようです。
私の家でも祖母が生きていた頃は、
お正月の三が日は餅ばかり食べることになっていました。
 
細長く刻んだ大根や人参、牛蒡のたっぷり入ったお雑煮、
お汁粉、ゴマだれに餅を付けて食べる胡麻もち、胡桃だれで食べる胡桃もちなど。
大晦日、つまり歳とりの日には特別に、白いご飯で尾頭付きの魚を食べますが、
三が日はご飯は食べないのです。
 
そういう餅文化圏で育った私は餅には特別なこだわりがあり、
今でも毎年臼と杵で餅搗きをします。
 
東京に出て来たとき、岩手から臼と杵を持って来ましたし、
島根に行っても静岡でもそして小平でも、餅つきを毎年繰り返しています。
島根では借りていた寺にあった石の臼、静岡ではもらった木の臼、
小平では静岡で買った欅の臼。
今は長男が中心になってやっていますから、私の死んだ後も続いていくでしょう。
 
奥の地区の門松
 
暮れには子供達が子連れで集まって餅つきをし、
搗きたての餅で餡子をくるんでみんなで大福を作ります。
 
父が出征して生死不明だったため、
祖母と母が餅つきをし、小学校高学年からは私も搗きました。
祖母と母がこだわっていたことを、私もこだわって行きます。
 
田舎とは縁が遠くなる一方で、私の代で繋がりは終わりでしょう。
でも餅つきをやっている限り、祖母や母の想いが次世代に繋がっていくことでしょう