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世界共同体憲章試案(連載第24回)

2020-01-05 | 〆世界共同体憲章試案

〈参政権及び受益権〉

【第75条】

1.世界共同体域内の住民は、免許を持つ代議員として抽選され、自己が所属する領域圏の統治に参画する権利を有する。

2.世界共同体域内の住民は、民衆会議が選出する代議員を通じて、世界共同体及び汎域圏の統治に関与する権利を有する。

3.民衆の意思は、すべて民衆会議を通じて決定される。

4.世界共同体域内の住民は、現に自己が居住する領域圏内において公務に就く権利を有する。

5.すべての公務員は、民衆会議の支配に服する。

[注釈]
 参政権に関する規定である。世界共同体が共通基盤とする民衆会議制度は、ブルジョワ議会制度とは異なり、選挙制ではなく、代議員免許取得者からの抽選制を基本とする。ただし、世界共同体総会を兼ねた世界民衆会議と世界共同体内の大陸的な区分である汎域圏の民衆会議は各領域圏民衆会議からの間接選挙制となる。
 第四項の公務就任権は、主権国家体制を採らない世界共同体域内では、現在居住地を基準として保障されることになる。

【第76条】

1.世界共同体域内の住民は、憲章または法律によって与えられた権利を侵害する行為に対し、自己が所属する領域圏内の中立的な司法機関による効果的な救済を求める権利を有する。

2.前項の規定により自己が所属する領域圏内の司法機関による救済が受けられなかった者は、世界共同体人権査察院に対して不服を申し立て、または直接に救済を求めることができる。

[注釈]
 司法的な受益権に関する規定である。主権国家体制を採らない世界共同体体制下では、自己が所属する領域圏内で司法的救済が受けられなければ、世界共同体の直轄司法機関である人権査察院に訴え出ることができる。


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