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世界共同体憲章試案(連載第10回)

2019-10-12 | 〆世界共同体憲章試案

〈表決〉

【第24条】

1.持続可能性理事会の各理事領域圏は、一個の投票権を有する。

2.理事会の決定は、出席しかつ投票する理事領域圏の過半数によって行われる。可否同数の場合は、汎域圏全権代表者会議の決定に委任する。

3.理事会は、決定の前に、オブザーバー領域圏からの意見を徴さなければならない。

[注釈]  
 表決の方法に関する基本規定である。理事領域圏は、第20条の規定により偶数の50であるから、可否同数の場合があり得るところ、最終決定は世界共同体執行部である全権代表者会議に委ねる。

〈手続〉

【第25条】

1.持続可能性理事会は、継続して任務を行うことができるように組織する。

2.持続可能性理事会は、定期会議を開く。この会議においては、各理事領域圏は、希望する場合、専門技術的知見を有する特別に指名された代表者を出席させることができる。

3.理事会は、定期会議を開くほか、規則に従い、必要な場合に会合することができる。この規則は、理事領域圏の過半数の要請または汎域圏全権代表者会議の要請による会議の招集の規定を含まなければならない。

[注釈]
持続可能性理事会は世界共同体理事会中でも中核を成すことに鑑み、理事会の活動の続性性とともに、理事領域圏が総会代議員に加え、専門技術的な知見を擁する他の特別代表者を定期会議に出席させる権利を認める規定である。

【第26条】

1.持続可能性理事会の議長は、理事領域圏の中から、一年の任期で、抽選によって選出する。

2.理事会は議事に関する手続規則を採択する。

[注釈]
 持続可能性理事会の議長選出や議事に関する自律権に関する規定である。理事会の重要性に鑑み、定期会合制を採る。

【第27条】

持続可能性理事会は、自己の任務の遂行に必要な補助機関または下部組織を設けることができる。

[注釈]
 理事会から一定独立した専門機関に対し、理事会に直属する補助機関または下部組織に関する規定である。

【第28条】

1.持続可能性理事会は、その権限内にある事項に関係のある民間団体と協議するために、適正な取極を行うことができる。この取極は、民際団体との間に、また、必要な場合には、関係のある世界共同体構成領域圏と協議した後に当該領域圏内の民間団体との間に行うことができる。

2.前項の取極に当たっては、当該団体の目的や組織運営が世界共同体の目的及び活動と相容れることを条件とする。

3.理事会は、取極を交わした民間団体が違法または不当な活動に関与したと認識したときは、当該団体に弁明の機会を与えたうえで、取極を解消することができる。

[注釈]
 持続可能性理事会は、民間の環境団体や経済援助団体、人道団体等の協力を必要とする場合が少なくないため、信頼のおける団体と提携することがある。そうした提携民間団体に関する規定である。


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