対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「秀策 極みの一手」

2010-12-10 21:50:00 | 棋書
惣菜でも買おうかと、駅ビルに入ったついでに、
いつもの習慣で書店の囲碁将棋コーナーに立ち寄ったら、
日本棋院から「秀策 極みの一手」という本が出ているのをみつけた。
著者は高木祥一プロ。

まえがきによると週刊碁で連載していた
「本因坊秀策 不滅の譜」全52回のうち、
30局を精選して加筆修正の上、単行本化したもの。

本因坊秀策は言わずとして知れた幕末の棋聖。
今なら「ヒカルの碁」の佐為が最初に憑依した棋士
といった方が通りがいいかもしれない。

その秀策の棋譜から、彼の凄みが出た局面を取り上げ、
詳解するというのが本書のコンセプト。

高木プロは難しい内容でもアマチュア向けにレベルを落としたりすることがなく、
丁寧に丁寧に解説してくれるので、著書にまずハズレがない棋士。

本書でも、まえがきで高木プロ自身が述べているように、
「一見平易に打っているようにみえるので、その凄みを説明するのが難しい」秀策の強さを
豊富な図と、対局心理まで踏み込んだ「読ませる文章」を使って読者に伝えている。
他の棋書に比べて文章量が多いのが特徴。

試しに秀策14歳の時の最初のテーマを読んだが、
「うーん」と唸ってしまった。
1テーマ辺りの解説に多くのページを割いているので、
その分、連載時からテーマを削らざるを得なくなったのは仕方ないところか。
内容が良さそうなので連載分全部を読みたいという気持ちも出てきたが。

最初手に取ったときは、一瞬、
「あぁ…局面図までの手順だけか…」
とガッカリしたが、よく読むと巻末に
掲載局の総譜が2譜割で掲載されていたので一安心

ざっと眺めた感じでは値段も他の棋書に比べて安いし、
いずれは買うことになりそうだ。

棋書評「厚い碁の作り方」

2010-12-09 22:15:50 | 棋書


厚い碁の作り方」(日本棋院:羽根直樹)

碁の心発見シリーズの第5巻。
構成は本田順英。

羽根直樹プロの打碁集。
院生時代から初タイトルまでを収録。

第1章「なれたらいいナ…」…プロを目指しての修行時代

第1局 vs高尾紳路(院生合宿)
第2局 vs羽根泰正(指導碁)
第3局 vs稲垣陽(院生リーグ)

第2章「やれるかナ…」…入段からリーグ入りまで

第4局 vs田亦聖(大手合)
第5局 vs中根直行(大手合)
第6局 vs三村智保(新鋭トーナメント戦・決勝)
第7局 vs豊雲(日中スーパー囲碁)
第8局 vs岩田達明(本因坊戦)
第9局 vs小林覚(十段戦)
第10局 vs蘇耀国(棋聖戦)
第11局 vs中野寛也(王冠戦・挑戦手合)
第12局 vs苑田勇一(名人戦)

第3章「やれそうな気が…」

第13局 vs王立誠(名人戦)
第14局 vs武宮正樹(名人戦)
第15局 vs加藤正夫(本因坊戦)
第16局 vs張栩(本因坊戦)
第17局 vs陳嘉鋭(棋聖戦)
第18局 vs羽根泰正(棋聖戦)
第19局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第1局)
第20局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第3局)
第21局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第4局)
第22局 vs趙治勲(本因坊戦)

1局あたり6譜から8譜ぐらいで譜分け。

羽根プロの棋譜が教科書的でアマチュア向きという判断か。
棋譜並べ初級者を強く意識した作りになっており、
強く主張したい部分を太字にしたり、
変化図もあまり煩雑なものを省き、
羽根プロの碁の考え方を前面に押し出している。

ただ一方で、ほとんどの棋譜が最後まで掲載されていなかったり、
日付の詳細やコミ不明(第1局・第3局)と、
打碁集としてのをなしていない。
特に第10局、第11局はあと数手で完結するのに、
途中で打ち切ったのには理解に苦しむ。
半目勝負やジゴ局が途中までなのも不親切。

恐らく棋譜並べ初級者が
長い棋譜を敬遠することに配慮してだと思う。
しかし1譜でかなりの手数を進めている譜もあるし、
また、より上達し、棋譜並べに慣れてくれば、
「よし最後まで並べてみよう」
という気持ちになることもあろう。
そこからまた新しい発見があるもの。

その時のためのせめて残りの棋譜を
最後のページの片隅にでも掲載していればと感じる。
棋譜の内容や掲載局数は申し分ないだけに惜しまれる一冊。

尚、第18局、第21局は、後に刊行された
打碁鑑賞シリーズ 羽根直樹」と重複するが、
お互いに焦点を当てている箇所が違うので、それほど気にならない。

「幽玄の間」を少し見直したこと

2010-12-08 21:50:06 | 雑談
日曜日のことだが、「幽玄の間」で打っていたら、
終局に同意してくれない悪質な対局者に当たってしまった。

初手から右下隅に打ってきたので嫌な予感はしたのだけれど。

中盤、こちらの消しが深い入りしすぎで必敗だったのを、
咎め損なって攻め合い一手負けになり、
相当悔しかっただろうというのは認めます。
でも終盤、手のないところをいろいろつついたり(もう慣れたけれど)
終局していないのにパスしたりした末に70目以上の差を最後まで打って、
終局処理でさらに死石指定を拒否するという行為は、
流石に冷静になろうとしても、どうしても頭に血が上りました。

延々と15分以上やりとりした挙句、
どうしようかと途方にくれていたら、
盤面の右下に「マナー100番」のボタンが。

これだ!
と思ってクリックしたら
正会員限定」でガックシ…。

しかしその隣の「管理人呼び出し」のボタンを
最後の望みを託してクリックしたら…。

すぐ来てくれて、終局処理を有無言わさず片付けてくれました
ありがとう管理人さん

東洋囲碁」では無料会員は管理人サポートを受けられなくなったので、
「幽玄の間」では有効だったのは嬉しい。
「幽玄の間」を少し見直したのでした。

尤も月15局ぐらい打っているが、こういうことは稀。
「幽玄の間」でここまで悪質なユーザーに会ったのは初めてかも。

でも「マナー」が「A」なんだよね。
無料会員限定で「悪質」という「卑怯な人」なのか、
「マナー」の値が機能していないのか?

棋書評「新ポケット詰碁200」

2010-12-07 21:52:07 | 棋書


新ポケット詰碁200」(日本棋院)

構成は佐藤康夫。

出題形式は旧「ポケット詰碁200」と一緒。
新ポケット手筋200」と同じく
40問ごとに1章で分けられている。

プロローグ 詰碁の楽しみ方第1章 肩慣らし編…7・8級 (38/40)
第2章 テンポアップ編…5・6級 (39/40)
第3章 マイペース編…3・4級 (36/40)
第4章 爽快チャレンジ編…1・2級 (36/40)
第5章 トップスピード編…初・2段 (34/40)

「3つ目殺し」からスタートする「ポケット詰碁200」に比べて、
難易度は若干上にシフトしている感じ。
一方中には「九級から一級までの詰碁」や、
早分かり死活小事典」に出題されている問題を、
数手進めてやさしくした問題も。
当然これらよりは難易度は下。

全体として「初段合格の死活」「第一感の死活」と同程度か。
ひと目の詰碁」の次にやるには、
ちょっと敷居が高く感じるのも一緒。
もう少し難易度を下げて差別化を図った方が良かったかも。

尚、カッコ内は各章ごとの私の正解数。
いつものように参考までに。
章ごとに付記されているクラス分けも
解いてみて「まぁそんなもんか」と感じた。
実戦的というより手筋が鮮やかな問題が多いが、
他でよくみかける良問が揃っていると思う。

同レベルの本が多いためか、構成がプロでないせいか
ポケット詰碁200」と比べて評判を聞かないが、
その系譜を継ぐ本として、まずは恥じない内容。
ネット碁初段を目指すレベルの人にはオススメである。
勿論、有段者の基礎固めにも有効だ。

松山ケンイチが将棋?

2010-12-06 21:15:18 | 将棋
プリンターの操作をしながら、何とはなしにテレビを観ていたら、
松山ケンイチが「おしゃれイズム」という番組に、
映画「ノルウェイの森」の告知を兼ねて出ていた。

上田「ヨーロッパ旅行にいったらしいけれど、思い出は?」
松ケン「スペインのカフェで将棋していたら、スリにあった」


ん?スペインのカフェで将棋ですと!?

ていうか、この間の南沢奈央の時もそうだけれど、
囲碁将棋の話題を嗅ぎつける能力、すごくね
…すみません…ちょっと若者風言葉にしてみました。
でもどちらも普段全くみない番組なのよ。
偶々なの、偶々。

それとも私の知らないうちに、
スペインのカフェで普通に指すくらい将棋がメジャーになったのだろうか?
テレビでの話題に普通に出てくるような。
元々、将棋は楽屋での出番待ちの時に昔からよく指されるそうだけれど。

しかしカフェで将棋(もちろん囲碁も)、
普通の風景になるといいね。
決してチェスなんかと同じく絵にならない光景ではないし。

それにしても松ケン。
スリにあっても気づかないくらい夢中になるとは…。
どの程度指すのだろう?

ちなみにスられたカバンの中身はお土産に買ってきた煎餅だそうです。

プロ棋士ペア碁選手権2011と新春お好み囲碁対局

2010-12-05 19:05:05 | 雑談
プロ棋士ペア碁選手権2011のチケットが届いたよ、ママ(謎)。

というわけで来週12日に観戦してきます。
3ヶ月に1度は歩様のご尊顔を拝見しないと枯れてしまうので(謎)。
レポートいる人、手をあげて!

歩様と言えば来年は正月に初詣できるとの情報が、
ロベルト・アッジョさんから届きました。
毎年恒例の新春お好み囲碁対局に出演とのことです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
新春お好み囲碁対局
超早碁 乙女達の真剣勝負

2011年1月2日(日) 教育 午後0:00~1:59
対局者:向井千瑛 四段、鈴木歩 五段、奥田あや 二段、万波奈穂 二段

解説:梅沢由香里 五段
聞き手:中島美絵子 二段

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

オールスターやないかーい☆
これでカナボーもいれば完璧だよママ(謎)。
収録に潜り込みたーい

早速、奈穂ちゃんは収録の様子をブログにアップ…
ん?ということはもう収録済みなのね(汗)。

千瑛ちゃん、美絵みえからもいずれ告知があるでしょう。

…ただ個人的な好みを言わせて貰うと、
歩様は着物…似合わないと思うんだな(ぼそ)。


年明けにはタモリ倶楽部でも囲碁を取り上げるそうです。
稲葉ねーさんブログツイッターから。
で、放送日はいつなん?
【追記】1月7日の放送だそうです。

【アジア大会】チームとしてやるべきことはやったのか?

2010-12-04 19:32:36 | 雑談
今更蒸し返すようで申し訳ないが、
アジア大会で1点気になっていることがある。

団体女子3位決定戦で主将の鈴木歩プロが、
台湾の謝依旻プロに時間切れ負けした
ため
チームはメダルを逃したのだけれど、
この時間切れを三村プロは
対局時計の動作不良が原因ではないかと指摘している。
事実、今大会は他にも時間切れが異常に続出したとのこと。
ならば運営側の不備が原因ということになるが
それに対して抗議するなどの行動は起こさなかったのだろうか?  
もしかしたら抗議したのかもしれないが、
ちょっと検索した限りではそういった情報は伝わってこなかった。

前に記事にしたように
北朝鮮の選手が同じように時間切れした際、
「自分は時計を押した」
と主張して認められ、
結果勝利した
ということもあった。

あちらは南北朝鮮の対戦である上に、
デリケートな時期だったから通ったのかもしれないが、
一応の主張はしてみるべきだろう。

ただし確かに自分がその立場だったならば、
三村プロも言うように、個人として抗議できたかどうかは怪しい。
もし鈴木歩プロが特に抗議しなかったのならば
その対応は良くも悪くも日本人らしいといえる。

ただしそチームとしてなら別。
日本チームの監督・コーチは強く抗議するべきだった。
個人では言いにくいことをチームとして代弁する。
それをしないならば何のためのチームか?

また時計の不備がわかっていたならば、
日本から時計を取り寄せて提供する。
それぐらいの行動は示しても良かったのではないだろうか?
「国」を代表して参加しているのだから。

大会のレギュレーションの変更を受けて、
黙って公式HP記載されていた規定をこっそり書き換えるなど、
(前のレギュレーションならば予選の終わった段階で
 まだ金メダルの可能性はあった)
その視線はチームとして「勝とう」とする方向に向いておらず
ただ主催者側に唯々諾々と従って競技したようにしか感じられない。
「スポーツ」のチームにはなっていない。
団体対局の内容も全然伝わってこないし。

今回「知恵の和ジャパン」という愛称を公募してで挑んだ日本チームだが、
厳しい言い方をすれば「知恵」も「和」もなかったように思える。
愛称を決める前にまず実を。

※ここまで書いて、毎日新聞の記者してアジア大会を取材した、
アマ強豪の金沢盛栄(金沢真プロのお父さん)さんが、
上記のようなことは既に指摘しているのを見つけました。
恥ずかしいですが折角なので、
そのままアップロードします。

新刊棋書情報「星と三々打ち込みテクニック PART2」

2010-12-03 21:59:50 | 棋書
星と三々打ち込みテクニック」の2冊目が出ている。

第1章は星からのシマリ方と、その弱点。
小ゲイマシマリへの迫り方や、観音ビラキが悪形な理由などを、
具体的な手を示して解説。

第2章は星への三々入り後に出来やすい隅の死活を25型ほど。

第1章と第2章はpart1と同じ作り。
細かい変化まで手取り足取り解説してくれるので、
級位・有段者は重宝しそう。
特に第2章は即戦力。

第3章は星への三々入りのタイミングとテクニック。
第4章は星に三々入りされた時の対処法について。

第3章と第4章は日中韓のプロ棋士やアマチュアの実戦から取材。
解説の文章量が増えている一方、
小さい全局図が使用されているので
少々みづらい感じもする。
また内容も全局的にみて対処法を考えるという点で、
第1・2章よりは難しいと思われる。

テレビ歴史番組の出典に「爛柯堂棋話」

2010-12-01 23:50:15 | 雑談
テレビ東京系の「女たちの裏日本史」という番組を観ていたら、
「豊臣秀吉の正室、北政所(おね)は貧しい頃、
 貧しさ故に子どもを養育できないので、
 3回も秀吉に子どもをおろすことを求められ、
 そのために子どもが作れない体になってしまった」
という逸話の出典として「爛柯堂棋話」の名前が挙がっていた。

古碁の知識がある人ならばこの本が、
林元美(ゲンビ)によって書かれた本と知っているかもしれない。

林元美は18世紀から19世紀にかけて活躍した棋客で準名人。
本因坊丈和の名人碁所就位事件に深く関わっており
また碁界きっての知識人としても知られている。
著書も多く、特に「碁経衆妙」が有名。

件の「爛柯堂棋話」はその元美が書いた随筆や、
収集した史伝、史話をまとめたもの。

私は囲碁に関する史書だとばかり思っていたので、
思わぬところでその名前を目にしてビックリしてしまった。
どういう関連でその逸話が掲載されているのだろうか?

ただ元美は武田信玄や日蓮上人の棋譜を創作したり、
知識人であると同時にエンターテイナー的なところもあるので、
「爛柯堂棋話」が史料として、こと碁と関わりないことでもあるし、
どの程度価値があるのか疑問がないではない。

まぁ、そこはテレビだからということで。