対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

日本棋院はクラブチームに学べ?

2006-11-30 21:55:55 | 雑談
続き

いくら高尾本因坊名人のように国内で活躍しても、国際戦で不甲斐ない成績を収めれば決して高く評価されない。
それはサッカーの日本代表の、選手個々人をみてもわかるだろう。
もちろん個人の選手の人気で引っ張るというのもあるのだけれど、韓国、中国、台湾という明確なライバルが存在する以上、チームとしての成績に注目されるのは避けられない。
ナショナリズムと忌諱されそうだが、この程度は仕方のないことだ。

しかし今の日本棋院「劣っていない」「条件が悪い」という言い訳ばかりで、一向にその対策のアナウンスが聞こえてこない。
正にファンが求めているのは、その「希望のもてる具体的なアナウンス」である。
どうも棋院だけが「落ち込んでいてもしょうがない」という、楽観に満ち満ちていて不思議でしようがない。

「3時間」という時間や開催時期が問題ならば、シードをなくして3時間の「予選」をキッチリ開催するなり、何らかの対処するのが先決。
いつまでも対処法をファンに示せないのは、それをずっと「言い訳」として取っておきたいという考えにしかとれない。
棋院主催の棋戦をというならば、別に大手合でなくても良いしむしろこちらでしょう?
「新大手合」の本当の目的である、「低段者向けの棋戦の増加」には繋がらないが。

もっとも私は棋戦の、「一律」「短縮化」には反対(我が儘)。
何故ならそういう形にすると囲碁の質が均一化(「厚い」碁が打ちにくい?)して、没個性的、没棋風的になりそうだから。
「国内戦に強い棋士」と「国際戦に強い棋士」、「時間の長い棋戦」と「短い棋戦」というような、違ったの軸はあっても良いとは思う。

本当は成功しているサッカーの、クラブチームなどに学ぶのもいいかと思うのだけれど…。
でもそうすると参考にしそうなの昔からの大手スポンサー、某新聞社の持つチームなどを参考にしそう。
WBCやドラフトに対する対応などをみても、あちらも世界の潮流に乗って改革する気はあまりないので、逆効果かしらん…(汗)?
いっそファン離れ覚悟で、囲碁鎖国してはいかが?

週間碁ブログにトラックバックした記事が、毎回(といっても3度目だが)批判的な記事ばかりで申し訳ない。
あまり煩いことは書きたくないのだが、どうもプロ囲碁界はこういうツッコミどころが多くて、書かざるを得ないですよね…(汗)。
とはいえアレコレ言われているうちはまだ華がある。
もはやプロ囲碁界を全く無視して、打つのに専念している人もまた少なくはないのでは…?

「無理気味」なことは別にファンも望んでいないのだから、少なくとも「急所は外さず」「厚く」打っていきましょうよ。

尚、週間碁ブログでは今回に記事に対する意見を、遅蒔きながらメールでも募集している。
片手落ちにならないように、報告しておく。

新段位、新大手合案の意義

2006-11-29 22:55:55 | 雑談
続き

結局「新段位改革」と「新大手合」が具体的にどんなものなのか、知らないことには始まらないと思い、日本棋院に立ち寄ってチラシを頂いてきた。

しかし読んでもこれで、日本棋院の「何」が改善されるのかが全く見えず、戸惑いは増すばかり。

新段級位とは、

A案:「プロ」=「九段(現在の九段)、八段(現在の八段以下)」、「アマ」=「七段以下」としてプロアマ段位統合。
そして九段、八段を更に1位から4位まで振り分け直す。

つまり全8ランク。

B案:段位そのままで、九段を1位から4位まで振り分け直す。
こちらは全12ランク。

というものらしい。
で、これらを元に「ランキング戦」=「大手合」を行う…と。

この意義が、皆さんにはわかりますか?
私はサッパリわからない。
一度段位を全部リセットして、実力に応じてもう一度ピラミッド型になるように振り分けましょう、というならまだわかるが。
今現在の実際の段位の分布がどうなっているのかも記されておらず、データ不足で不親切。

文中に「今の制度だと、九段にはタイトルでも取らないとなれない」とあったが、昔なら「九段」=「名人」なのだから、むしろ当然でしょう?
かの「棋聖」秀策だって、確か「七段」ですぞ。
段位の権威付けをしたいのか、貶めたいのかよくわからない。

勿論、昇段に「普及」などの功績を加味したりというのはありかと思う。
ただその評価の仕方が難しいか。

どうも日本棋院は自分達が望む望まないに関わらず、「チーム日本」という視点でファンに認識されているという理解がないようだ。
一応財団法人ではあるのだけれど、ファンからみた立場はプロ球技の統括団体や、クラブチームのそれである。
クラブチームと違い、ファンから直接観戦料を取っているわけではないので、あまり煩いことは言われたくないだろうけど。

(また長くなったのでつづく)

アジア大会新競技から連想

2006-11-28 22:55:55 | 雑談
私のもっぱらの関心はサッカーになるが、ドーハで開催されているアジア大会では新競技として「チェス」が行われるそうである。
コンピューターに世界チャンピオンが負けるなどもあってか、日本ではあまり人気は芳しくないが、やはり世界に幅広く普及しているボードゲームとしては随一だなと感じさせられた。
囲碁将棋ではこうはいくまい。
そういえば映画「ブレードランナー」で描かれる近未来でも、チェスに高じる登場人物達が出てきたっけ。
国際事情は良く知らないが、ちょっと前に記事で読んだインドや中国が強いのかな?

確実にワールドワイドなチェスの一方、囲碁、特に日本棋院の目は内側に向いているよう。
週間碁では「段位改革」と「新大手合開催」に関して読者の意見を求めているらしい。
私は週間碁を買う習慣(計らずも韻を踏んでしまった)がないので、ここではとやかく書かない。
が、イヤな見方をすると、
(↓以下反転)
四天王のニックネーム募集の時もそうだったが、抜本的でないどうでも良い部分でファンの意見を求め、
「ファンとの結びつきを大事にしています」
と媚を売っているようで、あまり良いイメージでない。
大手合というファンにはあまり関係ない棋戦に対しても、
「ファンの皆さんのご意見で作った棋戦です」
「応援よろしくお願いします」
と形にして、少しでも支持を得ようと言う魂胆のような気がしてならない。
第一今のアマの段位のいい加減さをそのままに、アマプロの段位を統合などしたら、本格的に段の意味がなくなり、さらに混乱を招くのがオチだろう。
いっそ降段もありにして、純粋に現在の日本プロ囲碁界でのポジションを示すバロメータにするなら、少しは改革の意味もあるとは思うけれど。
現在の降段の可能性のない制度をそのままなら、また将来的に現在のようになるのは目に見えていて、

あまり意味を感じない。
尚、現在の初段から九段という枠組みを刷新するのは、それこそ混乱するので反対。
もっともあくまでもこれが手始めで、その後に次々と改革が待ちかまえているので、こうご期待というなら、特に文句もないけれど。

(長くなったので続く)

城選手引退に想う

2006-11-27 22:55:08 | スポーツ
少し前の話になるが、サッカーJ2横浜FC所属の城彰二選手が引退宣言。

城選手に関しては色々複雑な思い入れがある。
それらも引っくるめて
「お疲れさま」
と言いたいが、やはり素直な感想としては中田選手の引退の時と同じように
「早すぎるな」
というのが本音だ。
94年に開幕連続4ゴールを挙げ、熱狂させられたのがついこの間のようでもあるし。

マイアミの奇跡、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会帰国時の水掛けられ事件、そしてスペイン移籍。
思えばこんなに多くのサッカーシーンに関わってきたのだ。
そしてスペイン移籍を頂点に、その後世間の注目を浴びるような活躍はなかった。

彼はとあるインタビューで
「30歳までに代表に復帰できなかったら、引退するつもりでいる」
と語っていたのを読んだことがある。
その時は正直なところ
「口先だけだろ」
とちょっと歪んだ見方をしていたのだが、1年の違いはあるものの断固それを実行。
本気だったのだな。
昨日の「やべっちFC」のインタビューをみても、既に開幕前からその覚悟はあったようだ。

そしてJ2優勝、J1昇格という願ってもいない花道。
この成果を手土産に去るというのは、格好良いと言えば格好良い。

昨日のインタビューでも
「J1に上がっても、もう90分フルに動く自信がない」
とも語っていた。
実際J1に上がっても、得点王争いをするような活躍や日本代表に復帰するような活躍は、確かに難しいだろう。
そこから考えれば非常に冷静で、賢い判断をしたとも言える。

しかしどことなく「賢すぎる」。
似合わない。
どちらかというと
「まだやれるだろっ!」
という歯がゆさの方が強いのだ。

思えば「マイアミの奇跡」に関わったプレーヤー、いわゆるアトランタ世代の約半分ぐらいは既に引退してしまった。
まだ30から34歳ぐらいなのを考えると、ちょっと顕著。
あるいはこの「あきらめ」というか「潔さ」はこの世代の共通項なのかも知れない。

フランスW杯に出場した主力選手のうち、秋田選手、名波選手、山口選手、森島選手、そしてゴン。
それらのちょっと上の世代がまだまだ頑張っているのも象徴的だ。

ただそれらの選手に共通するのはいずれも「大卒」ということ。
プロとしての活動は城や中田と変わらない。

「(GKを除いた)プロサッカー選手としてプレーできるのは15年ぐらいが目処なのかな」
と今回の報道をみて、ふと考えてしまった。
そういう意味では、やはりカズ(39歳。プロとしても20年を越える活動)の粘り腰は驚異的である。

カーリング観戦記(後編)

2006-11-26 23:15:55 | スポーツ
つづき

14時半からの準決勝第2戦には午前中以上に人が入ったが、反比例するかのように静か。
難しい局面もあまり出ずどんどん試合が進行し、アリーナ内には石のぶつかる音だけがこだまする。
TVで観ていたときは分からなかったが、考えるシーンがないと、進行のペースは思ったより全然早い。
BGMの流れないボーリング場のような雰囲気。
日本チームはというと序盤に男女ともミスが出て、大きくリードされる苦しい展開。

特に女子チームは後攻のゲームを相手に取られただけでなく2点も入れられ、大量点を狙うしかなくなってしまった。
一時は後攻ながら3点を入れて追い上げをみせたが、5-9の第10エンド途中でギブアップ。
決勝進出はならなかった。

一方男子は序盤は同点で推移したが、中盤から点を入れる間に2点を入れられるという展開で、リードを広げられ、8回に後攻のゲームで2点取られて、お手上げ。
こちらも4-8の、第10エンド途中でギブアップ。
世界選手権出場の道が絶たれてしまった。
私も久々に(?)、不幸のブログの本領発揮!

男子はバンクーバーに向けて、まだまだ茨の道のよう。
半分ぐらいは女子代表目当ての人で、女子の試合の行方が決まるとゾロゾロ帰ってしまうし…。
夜のスポーツでも蚊帳の外で、寂しかったです。
とにかく何が何でも次のオリンピックには出場して、少しでも観衆の目を集めなくては。

目黒選手が激ヤセして、眼鏡っ娘に変身!
でも似合っているので◎。

桜子選手と「帯ギュ!」の関係は(かなりマイナーネタ)?

ニュージーランド女子代表スキップが美人!

韓国女子選手のユニフォームは、前屈みになると背中が出て寒そう!
そんなことばかり気にしていましたよ。

午後は全体的に「寒かった」です。
いやアイスアリーナだから当然ですが。
面白かった部分と、ガッカリした部分がないまぜになった観戦でござった。
できればもう少し「心に響く」試合がみたかったかな。
トリノの時のドキドキとは隔世の感がありました。

今日は報道関係のカメラも多かったけれど、女子も世界選手権も振るわないと、また元の黙阿弥に戻ってしまうかも知れない。
折角トリノでついた火を消さないためにも、まずは世界選手権で頑張れニッポン!

大会の運営には大きな不満はないけれど、男女両方に目を配るのは無理があった。
また場内音声中継は自分でFMラジオを持っていくか、場内でラジオの購入が必要。
これは予めHPなどで、目立つアナウンスが欲しかったです。

追記:
最終的に女子は3位、男子は4位となりました。

カーリング観戦記(前編)

2006-11-25 22:15:28 | スポーツ
天気が良かったのでいってきましたよ、東伏見はダイドーアリーナ。
第16回パシフィックカーリング選手権2006

座席は女子の側が半分くらい埋まり、男子の側はガラガラ…。
そこまでハッキリ分かれなくてもと思ったが、私も当然女子側に。

午前中準決勝第1戦はかなり白熱した戦い。
第9エンドを終わって、男子は1点リードで先攻。
女子は1点ビハインドで後攻。

こういう場合、延長戦を睨んだ心理と、第10エンドで決めたい心理とが複雑に交差して、難しい石の配置になる。

女子は早々にサークルの前に複雑な壁が出現し、その裏側にいかに石を置いていくかが焦点に。
3rd本橋、スキップ目黒らが見事なショットでそれを達成していくが、相手の中国チームのスキップがそれを上回るショットをみせ、ため息と感嘆と拍手の連続。
最後は目黒が壁の内側に、石を置ききれずミスショット。
先攻の中国に1点を入れられゲームセットとなった。

男子はサークル中心に位置した韓国チームの石の周りを、日本チームの石が取り囲むような状況に。
工夫次第ではこの中心にある韓国チームの石を弾き出して、第10エンドで勝負を決められそうな気もしたが、日本チームは下手に壁を崩して逆転されるのを恐れ無理をせず。
ラストストーンも壁強化に専念し、韓国チームに1点だけを与え後攻で有利な延長戦で決着をつけることを選択。
素人目にはこの姿勢がやや消極的に感じられた。

しかし延長戦は日本チームの思惑通り、石の混み合わない単純な石の配置に。
ラストストーン日本の石が、サークル(ハウス)の中心付近に止まれば勝ちという状況となった。
特に邪魔な石もなく範囲も広いので、それは比較的に容易に思われたが…。

日本チームスキップの放った石は勢いなく、慌てて3人掛かりで必死にスウィープ!
私も心の中で強く、

来い!
まさか…。
来い!
まさか…。
来い!
まさか…。まさかぁ!?

こなーい!

何とサークルの中央に到達しないというミスショット。
思わずブラシを放り投げて、呆然とする日本選手。
ガッツポーズの韓国選手スキップ。
会場も驚きとも、ため息ともつかないどよめきに包まれ、日本チームはほぼ手中にした勝ちを逃してしまった。
この負け方は選手達はヘコんだだろうけれど、観衆もかなりヘコみました…(涙)。
これがなければ最悪でも、19時からの試合があったのに…。
このシーンが、この日のハイライトだった。

(つづく)

片手落ちのいじめ議論

2006-11-24 22:00:13 | 雑談
いじめの話題が世情を騒がせている。

ただいじめそのものは今に始まったことでもないし、いままでも子どもはずっと叫び続けてきたのだ。
今回その「叫び」がまとまって発せられたことで、世の中の目に留まっただけである。
しかしキッカケはどうであれ、注目される問題として取り上げられている今、一過性に留まらず、長期的に効果を発揮するような根本的改革(教育委員会の見直し、教育界全体の構造改革などもその一つだ)が望まれる。

朝日新聞では、毎朝刊で
「いじめ(られ)ているきみへ」
と題し、各界の著名人によるいじめに対するメッセージを送っている。
どの程度の「いじめ(られ)っ子」がこれを読み、言葉を受け取ることが出来るかはわからないが、何もしないよりは良い試みだ。

一方でそれらの中で、「いじめられた」著名人による「立ち直った」の話は聞いたことがあっても、「いじめた」著名人の話は聞いたことがない。
被害者がいるなら、一方に加害者がいるはず。
その立場からの言葉がほとんど聞かれないのは、やはり違和感を感じる。

勿論、著名人が「いじめていた」では憚りがあるし、そうそう大っぴらに出来ないことは100も承知。
「いじめていました」が「大成しました」が「ワンサカ」では、「いじめられっこ」は救われない。
実際にはそのケースは、かなりあると思うけれど。
しかし「いじめていました」が、それをやめることで「大成しました」ぐらいの話はあっても良いのでは?
どちらかというと「いじめられた」人より「いじめた」人の方が多いはず。
それらの大衆が全部が全部、被害者面して「いじめられた」側に立ち、「いじめ」について語るのはちょっと偽善が過ぎるようにも思う。

またここの読者には肝に銘じてほしいことは、往々にして「いじめた」人というのは「いじめたこと」を忘れがちだということ。
これも「いじめた」人というのが表に出てこない一因だと思う。
かくいう私も、我が身を振り返る必要はあると思うが。

よほど善良な人か世捨て人出ない限り、ほとんど全ての人は「いじめられる」側と「いじめる」側、両方に属する場合が多い。
「いじめ」ということをただただ「世間」あるいは「子ども達の世界の話」の問題と捉えず、自分たちの中に内包する「いじめる」心理、「いじめられる」気持ちと向き合わないと、この問題に本当に取り組んだことにはならない。

現状の議論は、やや片手落ちの傾向がみられるように思う。

新刊棋書情報「白番布石の徹底解明」

2006-11-23 23:55:55 | 棋書
MYCOMの新刊インフォメーションを見たとき、どちらかというと昨日紹介した「大ヨセ集中講義」より、同日発売の小林光一プロの本「白番布石の徹底解明」に期待が膨らんだ。

理由は二つあって、一つは本の趣旨である「白番布石の理論」というのが、兼ねてから私が「あったらいいな」と主張していたテーマだったこと。
もう一つは光一プロの本には、ハズレがほとんどないことである。
ライターは中山典之プロ他複数にわたるのだが、光一プロがきちんと企画から監修しているのか、どれも水準以上。
好みもあるだろうが、小林光一名義の本は信頼している。

しかしそして発売された本を手にとった感想は、
「うーん…」。
決して小林光一の名に背くような悪い本ではないと思うし、その真価は実際に購入してジックリ並べてみないと軽々しくはいえない。
しかし期待していたのとは、ちょっと違ったのは否めない。

本書は「徹底解明」のタイトルがついているように、既刊の「中国流の徹底解明」(小松英樹著)、「ミニ中国流の徹底解明」(林海峰著)の姉妹編という位置付けらしく、本の作りもその2冊に近い。
光一プロの白番の実戦(一部、イーチャンホ対加藤正夫戦などもあり)の序盤を、いくつか実際に列挙することにより三連星、中国流、ミニ中国流、並行型、タスキ型、変則布石に対する打ち方のポイントを体感していきましょうという内容。

一つの棋譜につき一つ二つ、布石の要点を「ポイント」として強調し、「焦らずゆっくりした互角の布石を目指す」ための考え方や、ちょっとしたテクニックを伝授。
しかしそういった工夫を除けば、「序盤の打碁集」といった印象で少々拍子抜けした。
理論立てて習うより、並べて慣れよというタイプの本である。

もっとも白番というのは元々、「相手にいかについていく」かの布石であるので、体系立った書き方は困難。
こういう形でしか書きようがなく、この難しいテーマを題材に本にしたことだけで賞賛すべきなのかもしれない。
ただちょっと「徹底解明」というには物足りないか?

尚、並行型の白の布石は、二連星に統一してある。
小目派の私としてはその点もちょっと残念だが、これくらいの統一感を出すので一杯一杯ということなのだろう。
また5局だけ総譜が掲載されているが、何故5局だけに限ったのかは定かでない。

このテーマに取り組んだことに一定の評価をするものの、個人的にはこれに満足せず、更に内容の濃い「白番の布石」に関する本が出て欲しいなというのが、正直な感想である。

新刊棋書情報「大ヨセ集中講義」

2006-11-22 21:55:55 | 棋書
MYCOMから片岡聡プロ著の、「大ヨセ集中講義」(以下、片岡本と記す)が発売。

夕暮れの空さんからリクエストもあったので、予め類書「勝敗の要・大ヨセ」(日本棋院:尾越一郎著。以下、尾越本と記す)を読んで準備。
以下、簡単に比較してみたい。

2冊に共通していえることは、「大ヨセ」をメインテーマに扱っているものの、その前提となるヨセの計算方法や、目算(形勢判断)のやり方は説明されていないこと。
これらを知らなくても読めないことはないと思うが、前者は「ヨセ・絶対計算」、後者は「私の形勢判断」「勝負を決める形勢判断」辺りで、基本スキルを予習してから取り組んだ方が、より理解しやすい思われる。
そうでないと何の断りもなく
「この手は後手10目以上の大きな手で…」
という記述が出てくるので、面食らう部分もあるだろう。
その意味では、級位者よりも有段者以上が対象か。
尾越本の方は特にその(不親切な)傾向が強い。

また両書とも
「この手何目」
ということに関して細かく分類、まとめるといったことも省かれている。
もっとも尾越本では「コスミ」や「ケイマスベリ」などの大ヨセの大まかな8パターンを示し、それらを打つタイミングを「大ヨセ以前」「大ヨセ初期」「大ヨセ中期」「大ヨセ後期」「小ヨセ段階」と分類する工夫をしている。
しかし得てしてこういう新しい概念の導入は、かえって読者の混乱を招きわかりにくい。
これらも詳しく厳密にやりたいならば、別に石田芳夫プロ辺りの本が必要になると思う。

むしろ「どのタイミングで、どの程度大ヨセの手を打つか」や「いかに小ヨセを打たないか」というのが両書の主眼である。
そのため具体的な数字はあまり重要視されていない。

片岡本の構成(ライター)を担当した内藤由紀子氏の書いた本は、よく言えばわかりやすく、悪く言えば踏み込みが甘く、物足りない傾向がある。
読者は何だかウワベだけわかったような気分にはなり、実は身に付いていないという結果になりやすい。

本書もその特徴にほぼ一致。
大ヨセのコツ、心得を枠で囲ってまとめたり太字にするなど、ポイントが読者に見やすく印象に残りやすい工夫がなされているのは、尾越本に比べて優れる
その点尾越本(構成:表谷泰彦)は淡々と文を綴っていく形なので、しっかり読まないとポイントが頭に残らない感じだ。

一方で片岡本も、期待したほどシステマチックだったり、論理的に大ヨセの原理を解明するといった形でなく、序章で大ヨセの「コツ」の講義。
そして以降の章で定番の「次の一手」問題形式で、具体的手法を体得していきましょうという内容。
これは実は尾越本とほとんど同じ形なのだ。
尾越本と違う論理的な本を想定していた自分には、少々ガッカリ…。
目次にある序章以外は各項目につき、一つの問題になっていると思って良い。
問題にA、B、C、Dと候補が挙げられているのも少し蛇足。

同じ「習うより慣れよ」のスタイルなら、問題図までの手順も掲載され、そこからアマとプロのヨセを比較するという形式をとった尾越本の方が、私には面白く感じられた。

つまり今回発売の片岡本と尾越本は、期待したほど差がないというのが結論。
全く丸被りという訳でもないので2冊持っていても問題はなかろうが、一般的にはどちらか1冊で事足りるのではないか?
一長一短でどちらが優れているというのは、私には判断できないけれど。
購入の判断材料としては「読みやすさ」の片岡本、「やや読みにくい」が「濃い」尾越本ということになろうか。

ただテーマ自体は即効性の高い分野であり、こと戦いを苦手とする人は碁敵に差をつける格好の手段を扱っているともいえる。

カーリングパシフィック選手権開幕

2006-11-21 22:55:48 | スポーツ
ミーハーファンとしてあるまじきことに、忘れていました。
2006カーリングパシフィック選手権が「今日」から始まっています。
ウィンタースポーツの季節は最早始まっているのですな。

場所は東京、東伏見にあるダイドーアイスアリーナ。
ダイドーアリーナってどこかと思えば、東伏見のアレだったのか…というのは北東京に詳しい人の感想。

1日3部構成。
第1部が10時から、第2部が14時から、そして第3部が19時からと、正に一日掛かり。
時間的にも囲碁将棋似だ…。
もっともチームとしては、最大でもこのうちの2回出れば良いわけですが。

入場料は自由席が1000円で1日観放題。
プレミアムシートでも3500円(土日は500円増し)。
国内初めての有料試合ということもあってか、格安の一言。
しかし今日は写真で見る限り、平日ということもあってガラガラだった模様(汗)。
23日か土日にいってみようかな?
場内音声中継に引退した元チーム青森の小野寺さん、林さんも出ているらしいし。

女子は既に開催国という関係で、世界選手権の出場権は確保しているので、それに向けた新生チーム青森のお披露目、摺り合わせという意味が強いでしょうか?
従来の目黒選手、マリリン、寺田選手に加え、山浦選手がセカンドとして出場予定。
もっともこの後もこのチームで続けるかは、未定とのことですが。
出場国は日本の他、韓国、中国、台湾、ニュージーランド。
オーストラリアが急遽不参加となったようです。
そして初日の今日は台湾に勝って、まずは白星スタート。

男子は2位以内に入り、世界選手権の出場枠獲得が目標。
出場国は日本の他、同じく韓国、中国、台湾、ニュージーランド、オーストラリア。
こちらも台湾に勝って白星スタートです。
どちらかというと勝負としては、男子の方が面白いかも。