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「打碁鑑賞シリーズ 羽根直樹」(羽根直樹:日本棋院)
打碁鑑賞シリーズ第9巻。
タイトルの通り羽根直樹プロの打碁集。
構成は伊瀬英介。
第1局 vs山下敬吾プロ(棋聖戦)155手完(47譜/参考図81)
第2局 vs柳時熏プロ(天元戦) 224手完(20譜/参考図40)
第3局 vs黄奕中プロ(日中天元戦) 232手完(27譜/参考図30)
第4局 vs依田紀基プロ(棋聖戦) 258手完(22譜/参考図28)
第5局 vs李昌鎬プロ(CSK杯) 164手完(28譜/参考図32)
第6局 vs趙治勲プロ(棋聖戦) 257手完(46譜/参考図54)
カッコの中は譜分けの数と参考図の数。
基本は実戦の進行が1ページ1図。
変化や参考図が1ページ2図というレイアウト。
他、巻末に「父羽根泰正プロからみた息子羽根直樹」というコラムと、
「厚い碁の作り方」にも掲載されている親子公式戦対局を3譜で掲載。
また既に触れた通り、第3局も「厚い碁の作り方」に収録されている
掲載局は初タイトル天元位獲得局から
初の3大タイトル棋聖位獲得局まで。
第1局がその棋聖位獲得局で
第2局の天元位獲得局以降は時系列順に掲載されている。
いずれも羽根プロにとって節目の一局といえ、特に第1局は代表局。
多くのページを割いていることからも羽根プロの思い入れが伺える。
文庫本サイズ故、掲載局数こそ少ないが、
手どころでは最大4ページ8図と、
多くの参考図を用いて解説しており、
棋譜並べ有段者には充実の内容。
一方、勝負がついた後は、一気に一譜辺りの手数が増えるし、
解説内容の理解にもそれなりの棋力を必要とするので
棋譜並べ級位者にはちょっと難しいかもしれない。
また「厚い碁の作り方」に収録されている棋譜より、
やや棋風が厳しくなっていて、アマチュアが真似しづらくなっている。
とはいえ4冊出ている羽根プロの打碁集の中では、
内容と収録数のバランスが良く、一番オススメできる一冊だ。