対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

「碁ワールド」リニューアルにあたり

2007-11-30 05:15:27 | 棋書
「碁ワールド」は来月号がリニューアルの時期に当たり、今月号(12月号)

「アマの目、サトルの目」
「正しい石の方向感覚」
「囲碁史探偵が行く」

といった連載が終了。

贔屓の

「詰碁のエッセンス」

はリニューアル継続ということでホッとしている。
恐らくネタ切れに苦しんでいるのが出てしまっている前フリが改善され、詰碁そのものがクローズアップされるのだろう。

aizomechouさんが書かれている通り、「碁ワールド」はその値段に見合った内容にすべく、もっと努力を要する。
編集後記などを読むと人手的にも、ギリギリでやりくりしているのが伺えるので、プレッシャーを掛けたくないが、客観的にみて値段と釣り合っていないのは確か。

量はともかく質は「アイディア」と、棋士の「協力」次第で少しでも上がる余地がある。
終了する連載も悪くなかった(むしろ単発企画より面白かった)が、次の連載はもう少し斬新なものを望む。
棋士も積極的にやりたいことを売り込むべきだ。

そして何より毎月の特集や、単発講座などはありきたりでなく、むしろ単発だからこそ飛躍した一手をお願いしたい。
最近の特集や単発企画は個人的に、つまらないことおびただしい。
一度全部、白紙にするぐらいの気合が欲しいところ。

新刊棋書情報「小松流最新布石研究」

2007-11-29 00:55:00 | 棋書
MYCOMのもう一冊の新刊「小松流最先端布石研究」だが、残念ながら過度の期待は禁物だ。
構成は「石の捨て方入門」と同じく内藤由起子氏。

そもそも扱っている布石の数が多すぎて、
「最近、こういう実戦例があった」
という話を、カタログ的に紹介しているのがほとんど。

それでも「ミニ中国流対策」(ミニ中国流を打たせない)や「中国流対策」は比較的ページを裂いてあるため、多少は理論的な面もある。
しかし「最新ミニ中国流」に至っては、わずか数ページ。
この薄さでは、本当に「最新型」に興味があり活用しようと言うような、高段者を満足させるのは到底無理だ。
煩いことを言えば「研究」になっていない。
NHK囲碁講座テキストの「これが世界の新感覚」や河野天元の講座とかぶる布石は、そちらの方が詳しくわかりやすい。

かといって低段者に対しても、「オススメ」の印をつけたりと工夫はしているが、使いこなすには不十分な解説だし…。

尚、最終章の「小松流布石」は一つの布石を指すのではなく、小松プロが研究、試用している布石をいくつか開帳したもの。
これはとりあえず、ここでしか読むことは出来ない。

新しいもの好きにはそれなりに面白いが、一回読めば十分と言う感じ。
色々な意味で中途半端。
テーマに対して踏み込みが甘く、ライターの人選が適切でなかった印象を受けた。

せめてプロ棋戦観戦のガイドブックとして機能すれば評価も出来るのだが、そういう視点からみても物足りない。

新刊棋書情報「梅沢由香里の石の捨て方入門」

2007-11-28 00:55:55 | 棋書
いつもより先延ばしになっていた、MYCOMの新刊棋書情報がようやく書ける。
まず今日は由香里先生の表紙が印象的な、「梅沢由香里の石の捨て方入門」から。
「梅沢由香里の石」というものを、「捨てる」本ではない。

女流棋士の本は大体が初級者対象。
本書もタイトルからわかるように、その例に漏れない。
だからあまり注目されていないと思うのだが、思ったより好印象な本である。

「石の捨て方」は級位者の弱点で、私も美味しい思いをさせて貰っている部分。
かといって内容が高度になりがちで、級位者向きの本は見当たらないのが現状だ。
本書は、その意味で貴重。

さらに序章で「石の価値」「タネ石、カス石」を、簡潔ながら平易に解説したところも評価出来る。
構成は内藤由起子氏。

全114問の問題は、よくあるシボリや、定石の一部などを利用したものだが、ポン抜きから始まり難しくはない。
その難易度や問題数、序章の分量は有段者には物足りないだろうが、級位者にはむしろ全問制覇するのに丁度良いように思う。
ワンポイントでイラストが入る構成のイメージは、小林泉美プロの「やさしい基礎」に近い。

一つ気がかりなのは、解答をみて正解と不正解の差をきちんと理解できるかどうか。
大体はわかるとは思うが「シボリ」などのテクニックや、「取り方」の差といった一部は、解答が簡潔なため、もしかしたら実感できない可能性はある。
まぁ「そういうものなのだ」ぐらいの理解でも、有益ではあるが…。

別段著者は由香里先生でなくても良さそうだが、本の印象を柔らかくし、女性や子どもが手に取りやすいという効果はあるかも。
そういえば女性棋客はなかなか、石を捨てるのが苦手な人が多いかしらん?

この時期に出たということで女性棋客や級位者に贈る、クリスマスプレゼントとしてオススメしておこう。

また×5、プロ棋士発見、おめでとうございます♪

2007-11-27 07:55:55 | 雑談
といっても今回は市ヶ谷の日本棋院本院で、ですが。
「そんなことは私だってあるよ」
なんて言わず、まぁしばし聞いてくだせえ。

用事のついでに立ち寄った理由の1つは、まず1階ロビーのモニター。
今日は女流最強戦決勝が行われていて、その結果がわからないかと思って来たのだ。

期待通りモニターは、女流最強戦決勝のネット中継を放映。

「白番1目半勝ち」
という表示が、まず目に入る。

そして白は………
やった!
贔屓の鈴木歩プロだ!
2回目の女流最強位獲得

もう一つの理由は一向に書店で見つからない、MYCOMの新刊棋書チェック。
さすがにここにはあるだろう…と。
ルンルン気分で2階に上がり、売店の本棚をチェックしたところ………収穫なし。
一転ガックシ。

帰ろうと思って振り向くと、灰色の洋服に黒のスカートの若い女性が目に入る。
「珍しいなぁ」
と思って条件反射的にお顔よく見ると、心臓がドキン!
女流最強位を獲得したばかりの、鈴木歩プロご本人でした。
何やらワゴン内を眺めている様子、

「あの………プロ棋士の鈴木先生ですか?」
「わぁ、私、ファンで…今日も最強位の決勝でしたよね?」
「結果が気になったのでココに立ち寄ったのですが、いかがでした?」
「え、勝たれたんですか!」
「おめでとうございます」
「不躾ですが折角ですから記念に、サインを頂いてもよろしいでしょうか?」
「ええ、ちょうどペンもありますし、ちょっとそこの売店で扇子を購入しますので、しばしお待ちを」
「それとも鈴木先生推奨の、山田プロの詰碁集にお願いしようかな?」
「鈴木先生も詰碁集出してくださいね」

………とでも言えば良かったと、今頃シミュレート(爆)。
帰宅中ずっと後悔。

だってタイトル獲得直後の対局者に会うなんて、多分もう一生ないはずだもの。
もうバカバカ!
内気で人見知りなオイラ、バカ(笑)!
鈴木先生も「私、人見知りなんです」オーラ強烈だったし…。

でも、そんなん関係ねぇ!
改めておめでとうございます♪

棋書情報「基本○○ これだけは」シリーズ

2007-11-26 08:05:55 | 棋書
「新刊棋書情報」の中で、2005年から逐次発行されている誠文堂新光社の「囲碁ブックス」シリーズは取り上げたことがない。
断っておくが、これは決して嫌がらせをしているのはない。

一つは発行時期が不定期なこと。
もう一つは表紙は地味な上、シリーズ中の違いがタイトルしかなく、さらに似ているため書店で見かけても
「新刊が出た」
と認識できないのだ。
そのためどうしても紹介時期を逸してしまう。
同じようなことは成美堂出版や、山海堂の本にも言える。
囲碁年鑑タイプの本も紹介していないし。

というわけで今回は、ここまで刊行された「囲碁ブックス」シリーズの内容を駆け足だが紹介してみたい。
全部で11冊出ているようだ。

「基本の定石 これだけは」(2005/11)(※1)
「基本の死活 これだけは」(2005/12)
「基本の攻め合い これだけは」(2006/01)
「基本のヨセ これだけは」(2006/01)
「石取りの基本 これだけは」(2006/03)
「基本の布石 これだけは」(2006/04)
「基本の石の形 これだけは」(2006/05)
「星の基本定石 これだけは」(2006/05)(※2)
「はじめての囲碁 六路盤、九路盤入門」(2006/05)(※3)
「連絡の基本 これだけは」(2007/10)
「戦いの基本 これだけは」(2007/11)

【括弧内は発行年月】

(※1)は未調査。

(※2)(※3)以外のライターは相場一宏氏で、いずれも全80問強の問題集。
1ページ1問で、その下に失敗図が一つ載っているのは福井プロの「詰碁レベル○」シリーズと同じ。
解説図も2図程度。
各タイトルでテーマは分かって貰えると思う。
難易度は大体、初段ぐらいまでが対象。

(※2)のライターは武田裕三郎氏。
「ウケ」「ツケノビ、ツケオサエ」「ハサミ」という星の基本定石を、定石後の変化にも渡って丁寧に解説。

(※3)のライターは松橋玄光氏。
短路盤に着目したのは良いと思うが子ども向けで、全文総ルビの文章と会話形式の文体に、頭が読むのを拒否してしまった。
「影絵」などの単語が目に入ったところ、何だか癖がありそう。

総評としてはこれといった工夫もない、昭和の薫りがする凡庸な本ばかりという気がする。
取り立ててコストパフォーマンスが高いというわけでもないし、あくまで問題集の一候補の域を出ないと、個人的には感じた。

(※1)についてなど、新しい情報が入れば追記します。

ネット碁会所無料会員について

2007-11-25 01:15:55 | 雑談
私はほとんどネット碁会所「幽玄の間」にはいかない。
偶にタイトル戦の中継を観にいく程度。

だから「幽玄の間」が「無料会員の規制を強化した」と聞いても
「アラ、マァ」
という程度の、軽い感想しかなかった。
見た目が変わっただけでなかったのね。

ところが「碁ワールド」12月号の「幽玄の間walker」を読んで、一転不快に。

そもそも子どもや囲碁入門者といったライトユーザーの受け皿を、日本棋院が放棄するのはどうかと思っている。
「ちょっと囲碁に興味を持った人の受け皿は、タイゼムやKGSにお任せ」
ということで良いのだろうかという気分はある。

一歩譲って、日本棋院がそこまで切羽詰っているとしよう。
「こうでなかればやっていけない」というならば、それは一つの方向として認めるのはやぶさかではない。
ボランティアではないのだし。
ずっと昔に使っていたときのサポートの対応は好感をもっていたし、コンテンツも値段に見合ったものを提供していると思う。
私も金銭的、心理的に可能ならば「幽玄の間」に入会してもいいと思ったこともある。

しかしだからといって、機関紙のコラムの中で
「無料で使える要望は図々しい」
というような内容の文を、堂々と掲載するのはいかがなものだろうか?
よほど無料会員の横暴が激しく、筆者の黒衣子さんが嫌な思いをしたのかもしれないが、それと「碁ワールド」の読者とはとりあえずは関係ないことである。
こういった話を聞いてかえって、
「意地でも有料会員になってやるものか」
と思った人もいるだろう。
何ら益のない文章だ。

加藤正夫先生が理事長だったころ
「日本棋院は今まで有段者にしか目がむいておらず、級位者はないがしろにしていた」
という趣旨のことを述べられていたと、「精魂の譜」に書かれていた。
しかし、これはちょっと違う。
実際、級位者も有段者も自ら待遇に差があるとは感じていないはず。

むしろ
「日本棋院は今も昔も、『今お金を出してくれる』人にしか興味がない」
と私は常々感じるのだが、どうだろう。
免状の扱いしかり。
一方でボランティア的な普及に努めている棋士も、勿論おられるが。

日本棋院の運営が大変なのはわかるが、
「金を出さざるもの打つべからず」
という空気は、果たして正しいのだろうか?

私達大人に対してはそれでもいいとして、せめて「将来に金蔓になる可能性のある」子ども達が正しいマナーの中で安心して打て、マナー養成にも繋がる無料ネット碁会所ぐらいは、日本棋院には運営して貰いたい。

例えば学生証のコピーと引き換えに、IDを発行するような形式はいかが?

新刊棋書情報「死活トレーニング180」

2007-11-24 01:15:15 | 棋書
山海堂から「囲碁初段突破講座」第2弾、「死活トレーニング180」が刊行されていた。
著者は「手筋トレーニング180」と同じく端山省三プロ。

タイトルの通り、基本死活を180題収録。
「3つ目殺し」からスタートする難易度は、「ひと目の詰碁」「世界一やさしい詰碁」を終えたぐらいの読者に好適か。
日本棋院から出版されていた、「ポケット詰碁200」の代用品になる一冊だと思う。
有段者のウォーミングアップにも使える。

尚「手筋トレ」の紹介の際、字数の都合で書けなかったが、「囲碁初段突破講座」3部作はいずれも、関西棋院機関紙「囲碁関西」の講座をまとめたもの。
「手筋トレ」は「やさしい手筋」というのが原題で、現在も連載中らしい。

新刊棋書情報「囲碁古名人全集」

2007-11-23 00:15:15 | 棋書
福井正明プロが執筆中であると、雑誌などで度々触れていた
囲碁古名人全集」(誠文堂新光社)
が発売された。

古名人とは江戸時代初期の碁打ち、初代名人本因坊算砂と、2世名人中村道碩の2人を指す。
その両者が打った碁80局を、本書には収録。

最大5譜に譜分けされているが、大半は2譜。
総譜の記録が現代まで伝わっていないため、手順が途中までのものがほとんどである。
また「○目勝ち」といった記録があるものは、ほんの数局。
むしろ勝敗不記の棋譜の方が、半分近くを占める。

全体的には「幻庵因碩打碁集」や、日本棋院から刊行された「碁神道策」と似た作り。
見やすいが解説は少ない。

「実力向上に役立たない」などとはとてもいえないが、値段ともども相当マニアックな本であるのは間違いない。

美しくも哀しい失敗図

2007-11-22 00:15:55 | 雑談
おととい掲載した死活。

自分で考えてみた結論。

をっ!

ををっ!


AとBが見合い。
う、美しい。

というのが、勝手読みの「失敗図」なのが哀しいところ。

白6でこっちに打たれて、コウ。

SATOKさんのA13が、悔しいけれどどうやら正しそう。

「この白2の抵抗でどうだっ!
と思ったのもつかの間。

ナラバこっちはっ!」

と足掻いてみても、やっぱり詰みである。
白4でAに打っても黒6。
つまんねぇ…。
美しい順が失敗図で、俗手っぽい一手が正解というのは、ちょっと秋の空。

放送事故?

2007-11-21 01:15:29 | 雑談
日本棋院より
依田紀基コラム連載中止のお知らせ

なんじゃぞなぁ、もし。

> 「依田紀基の言いたい放題」を11月16日より開始しましたが、
> 検討しました結果、財団法人日本棋院が囲碁ファンへ提供する内容として、
> ふさわしくないと判断し同コラムの中止を決定しました。

ヨーダ先生、何かやらかしたのでしょうか?
多分、どこからか抗議があったのではないかと憶測しますが。
幽玄の有料会員向けと思っていたので
「私には関係ないな」
とそれほどこのコラムに関心、期待があったわけではありません。
しかし一般公開された第1回の原稿を見る限りでは、別段変な話だとも思いませんでした。

結局、
「メディアのインタビューに応対したとき、意図した通りに伝わらないことを痛感した」
というだけの話で、同じようなことは方々で書かれているありふれた話。
ただ政治家対決、小沢vs与謝野戦時の取材が題材だったことと、メディアに関することなので、孔子のいう
「怪力乱神」
を語ってしまったのがまずかったのでしょうか?

私はむしろ
依田先生、こんな文章が書けるんだ
と驚いたくらいなのですが。

…失礼でフォローになってないですね(汗)。