対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

棋書評「厚い碁の作り方」

2010-12-09 22:15:50 | 棋書


厚い碁の作り方」(日本棋院:羽根直樹)

碁の心発見シリーズの第5巻。
構成は本田順英。

羽根直樹プロの打碁集。
院生時代から初タイトルまでを収録。

第1章「なれたらいいナ…」…プロを目指しての修行時代

第1局 vs高尾紳路(院生合宿)
第2局 vs羽根泰正(指導碁)
第3局 vs稲垣陽(院生リーグ)

第2章「やれるかナ…」…入段からリーグ入りまで

第4局 vs田亦聖(大手合)
第5局 vs中根直行(大手合)
第6局 vs三村智保(新鋭トーナメント戦・決勝)
第7局 vs豊雲(日中スーパー囲碁)
第8局 vs岩田達明(本因坊戦)
第9局 vs小林覚(十段戦)
第10局 vs蘇耀国(棋聖戦)
第11局 vs中野寛也(王冠戦・挑戦手合)
第12局 vs苑田勇一(名人戦)

第3章「やれそうな気が…」

第13局 vs王立誠(名人戦)
第14局 vs武宮正樹(名人戦)
第15局 vs加藤正夫(本因坊戦)
第16局 vs張栩(本因坊戦)
第17局 vs陳嘉鋭(棋聖戦)
第18局 vs羽根泰正(棋聖戦)
第19局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第1局)
第20局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第3局)
第21局 vs柳時熏(天元戦・挑戦手合第4局)
第22局 vs趙治勲(本因坊戦)

1局あたり6譜から8譜ぐらいで譜分け。

羽根プロの棋譜が教科書的でアマチュア向きという判断か。
棋譜並べ初級者を強く意識した作りになっており、
強く主張したい部分を太字にしたり、
変化図もあまり煩雑なものを省き、
羽根プロの碁の考え方を前面に押し出している。

ただ一方で、ほとんどの棋譜が最後まで掲載されていなかったり、
日付の詳細やコミ不明(第1局・第3局)と、
打碁集としてのをなしていない。
特に第10局、第11局はあと数手で完結するのに、
途中で打ち切ったのには理解に苦しむ。
半目勝負やジゴ局が途中までなのも不親切。

恐らく棋譜並べ初級者が
長い棋譜を敬遠することに配慮してだと思う。
しかし1譜でかなりの手数を進めている譜もあるし、
また、より上達し、棋譜並べに慣れてくれば、
「よし最後まで並べてみよう」
という気持ちになることもあろう。
そこからまた新しい発見があるもの。

その時のためのせめて残りの棋譜を
最後のページの片隅にでも掲載していればと感じる。
棋譜の内容や掲載局数は申し分ないだけに惜しまれる一冊。

尚、第18局、第21局は、後に刊行された
打碁鑑賞シリーズ 羽根直樹」と重複するが、
お互いに焦点を当てている箇所が違うので、それほど気にならない。