対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「棋力を高めるスピーディーな石運び PART2・PART3」

2011-03-31 22:15:55 | 棋書
【3/31お知らせ】「死活と手筋の急所」の情報と図を修正しました。

バタバタした中で紹介が遅れたが、
先日紹介した「棋力を高めるスピーディーな石運び」のPART2PART3が発売されていた。

PART2
第1章 攻防の急所を逃すな(20題)
第2章 スピーディーな石運び(10テーマ)
第3章 布石の基本感覚を学ぼう(10題)

PART3
第1章 序盤の主導権を握る戦略(16テーマ)
第2章 プロの実戦、スピーディーな石運び(16テーマ)

PART2、PART3のそれぞれ第2章がプロの実戦から取材。
当然、局面図までの手順も記されているので、
棋譜並べの題材にもなる。

この他、問題の合間に1ページずつ
「想い出の棋譜」と題したコラムが挿入されている。
PART2では師匠の瀬越先生との指導碁(8ページ)、
若き日(日本での修行時代)の趙治勲プロとの対局(8ページ)、
呉清源プロとの対局(10ページ)、林海峰プロとの対局(12局)を掲載。

PART3では安倍先生との対局(10ページ)他、
「スピーディーな石運びの要点」というコラムが2ページある。

ただこの「想い出の棋譜」は他の本からの抜粋らしく、
元々コラム向けでない内容を無理やり区切っているので、
例えばある局面の参考図が10ページ先に掲載されていたりして、
読みにくいこと甚だしい。

前から韓国の翻訳棋書について度々書いているが、
単に訳してそのままのレイアウトにするのではなくて、
もう少し「読みやすさ」を意識して著作権に反しない程度に、
編集しなおすのがプロの仕事ではないかと思う。

PART1で期待した通り、プロの実戦解説は(チョ)プロの感覚から、
李昌鎬(イ・チャンホ)プロや常昊(チャン・ハオ)プロの序盤を
遠慮なく批評していて興味深い。
プロの棋譜解説1本に絞って1冊にまとめたら、
もっと日本で出版する価値のある本になったのでないかと残念だ。

新刊棋書情報「アマの知らない布石・絶対の急所」

2011-03-30 21:15:55 | 棋書
MYCOMからのもう一冊の新刊は石田芳夫プロによる
アマの知らない布石・絶対の急所」。

石田プロは「絶対」という言葉がお好きなようだ。
構成は酒巻忠雄。

本書で説いている「アマの知らない急所」とは次の4つの項目。

第1章 「カカリ方」にも意味がある
「小目に対する小ゲイマガカリ、一間高ガカリ、
 大ゲイマガカリは局面に応じて使い分ける必要がある」
第2章 「地の接点」が勝負を決める
「大場の手どまりを逃すな」
第3章 模様の碁の急所
「模様の接点を逃すな」
第4章 一番大きいのは「根拠の手」
「大場より急場」

「」内は私の勝手な意訳。
これらに関して具体的な局面図を掲示し、
「絶対の急所」を赤ランプのマークで強調して解説という流れ。
要するに布石の要点を説いた本だ。

確かに序盤を適当に打っている人も多く見かけるが、
そういう人ほど本を読んだり、
ましてや熟読したりしないのではないかと思う。

逆にきちんと布石を「考えながら」打っている人にとっては
4つの急所はいずれも他の本で何度も目にし「知っている」こと。
特に私のようなジョバンニには目新しいところはない。
使いこなせているかどうかは、また話が別だが。

普段本を手に取らない人が本書を手にするような工夫があるわけでもないし、
布石本として悪くはないが、いろいろなジレンマを内包した本と思う。

新刊棋書情報「死活と手筋の急所」

2011-03-29 22:15:55 | 棋書
MYCOMからの新刊は林海峰プロの「死活と手筋の急所」。

元は同じMYCOM囲碁文庫で発売されていた「すぐに役立つ実戦死活の急所
すぐに使える実戦手筋の急所」の2冊を1冊にまとめたもの。

さらにいうと上記2冊も成美堂出版から出ていた本の再版だったと思う。
まぁこの手の本は決して古くはならないのでノープロブレム。

第1章 死活編・死活の原則と考え方
第2章 死活編・隅の基本死活(15型)
第3章 死活編・辺の基本死活(10型)
第4章 死活編・研究問題集(50問)
第5章 死活編・実戦における死活(10型)
第6章 死活編・名作詰碁の鑑賞(10問)
第7章 手筋編・どんな手が手筋か(20型)
第8章 手筋編・打ち込みと手筋(10問)
第9章 手筋編・攻め合いの手筋(30問)
第10章 手筋編・ヨセの手筋(20問)
第11章 手筋編・問題集 ここに手がある(30問)

1章は死活の概論。
4・6・7~10章が問題集。
2・3・5・7章が解説編となっているが、
問題集として使えないこともない。

ただしキッチキチに文章が詰まっているので、
レイアウト上、答えが見えてしまう可能性があるのは覚悟。
4章と8・9【3/31追記】・10章は1ページ2題形式。
解答は2図。

2・3・7章の型が少なく感じるかもしれないが、
類型も含めて1型とカウントしているの実際はもっと多い。



また第5章は上の図のような形で、
白からどんな手があるかを説くといった内容。

2分冊当時のタイトルの通り、実戦に頻出する形を詳解しており、
即効性を求める読者には質量共に満足の内容と思う。
特に死活の方がエッセンシャル版「基本死活事典」といった趣きで有効そう。

こういう死活・手筋集を持っていないネット碁3段ぐらいまでの人は
購入して何度も繰り返し熟読すれば、相当な力になる。

新刊棋書情報「結城聡自戦細解」

2011-03-28 20:55:55 | 棋書
井山裕太自戦細解」「坂井秀至自戦細解」に続き、
結城聡プロの自戦細解が出版された。
このククりは…関西?
じゃあ次は…キミヲ(たぶん違)?

第1局 vs薫鉉(チョ・フニョン) 2004年トヨタ・デンソー杯
第2局 vs羽根直樹 2005年碁聖戦挑戦者決定戦
第3局 vs古力(グー・リー) 2006年富士通杯
第4局 vs井山裕太 2009年碁聖戦挑戦者決定戦

第1局は読んだことがあり、
「プロはこんなところに手があると認識しているのか」
と感じた記憶がある。
同時に結城聡という棋士を認識したのも。この頃かも。

結城プロは「名局細解」シリーズでも単行本が出ているが、
個人的には収録されているのは雌伏期の譜(天元獲得の譜が含まれない)だし、
もっとまとまった打碁集が今後発売されることを期待してる。

新刊棋書情報「梶原流置碁必勝法」

2011-03-27 21:55:55 | 棋書
待望の「日本棋院アーカイブス」の第2弾が発売。

今回復刊となったのは梶原武雄先生による
「梶原の碁」シリーズの第5巻「梶原流置碁必勝法」。
構成は中山典之



こちらが元となっている本。

第1章 必勝梶原流 初級置碁
 九子の布石…3型
 七子の布石…4型
 実戦六子局 久保松勝喜代vs梶原武雄
コラム「梶原九段のプロ精神」
第2章 必勝梶原流 中級置碁
 五子の布石…4型
 実戦五子局 梶原武雄vs斎藤太孔弥
 四子の布石…3型
コラム「梶原語録」
第3章 必勝梶原流 中級置碁
 三子の布石…3型
 実戦三子局 梶原武雄vs中村昌夫
 二子の布石…3型
 実戦二子局 梶原武雄vs森崎松次

「八子局の布石」「六子局の布石」はそれぞれ、
「九子、七子と梶原にも区別がつかない」(をいをい)ということでなし。

前にも書いたが、この「梶原の碁」シリーズを
理解できるようになるという目標が、
一つの碁に取り組むモチベーションでもあるので感慨深い。

本書はその中でも九子から二子局までの置碁ということで、
より広いレベルの人向けに
古くならない内容ということでセレクトされたと思われる。
しかし九子にしても七子にしても、
「梶原プロが黒をもったらどう打つか」という視点から書いている。
九子なら100目、七子なら70目以上を勝つのを目指すような感じ。
そのため内容が高度で、あまり現実に多子局の黒を持つ人に棋力に
構想や筋が対応しておらず実際的でないと思う。

ただその分、有段者にも参考になる所が多いので、
昨今の置碁の甘い内容に満足いかない人には、
新鮮な興奮を与えそうだ。
置碁というよりどちらかというと、構想や石の関連性を説いた本。

また伝説の梶原&テンコレコンビの本という意味でも貴重だと思う。

【追加情報】週刊碁などがiPadで【棋譜再生機能も】

2011-03-26 22:55:55 | 棋書
先日、「『週刊碁』がiPadで読めるようになる」という記事を書いたが
追加情報があったので修正を。
元記事もそれに伴って修正しているが、
汚くなってしまったので、整理。

まず「週刊碁が3/28からiPad向けに配信される」。
1ヶ月間はダウンロードすれば無料で閲覧可能とのこと。
つまり4月の最終号までということか?

その上で5月中旬には「棋譜再生機能搭載」され、
その機能に対応した囲碁関連の電子書籍が逐次配信となる。

以上のことが日本棋院から発表された。

ここでちょっとわからないのは週刊碁の配信の形だが

1. はじめは紙面をそのまま電子化したものだが
 棋譜再生用アプリ配信開始後にアプリ対応で配信する。
2. 棋譜再生用アプリに対応予定はない。

どちらの形になるのかわからない。
棋譜再生機能がついた方が週刊碁は魅力的と思うが。
まぁ、いずれ「週刊碁ブログ」から追加情報があるでしょう。

アプリの能力も定かでないし、まだ見てのお楽しみというところだが、
とりあえず私としては「日本棋院をナメていました」。
ごめんなさい」ということで追加記事とします。

思わずiPad2の値段を検索してしまった。

新刊棋書情報「イ・チャンホ最強のヨセ」

2011-03-25 21:55:55 | 棋書
棋書を目的に書店によったら、色々と新刊が出ていた。

が、眺めていたところ同じ棚に珍しく
若い(と思しき)女性が近づいてきたので退散(笑)。
いや別に女性でなくても並んで本を眺めるのは嫌…
ということにしておいて…他の本屋へ。

探していたのは東京創元社から出版された碁楽選書の中の一冊、
イ・チャンホ最強のヨセ」(李昌鎬(イ・チャンホ)著)。

第1章 ヨセの大きさ(5題)
第2章 ヨセの手順(10題)
第3章 実戦のヨセの要領(28題)
第4章 この手は何目(42項)

終盤の魔術師イ・チャンホによる13路盤のヨセの問題集
という謳い文句から
「李昌鎬流『やさしいヨセ』が出る!」
と勝手に期待して待っていたのだが、
手にとって思わず肩を落としてしまった。

普通のヨセ問題集だ。

第1章と第2章で9路盤を用いてヨセの基本的な考え方を解説。
第3章から期待の13路問題が登場するのだが、
「AとBどちらが大きいでしょうか」
といった按配で「やさしいヨセ」風のものは数えるほど。
第4章は様々なヨセの大きさのカタログ。

これはこれで悪くはないと思うけれど、
他にも似たような本はいっぱい出ている。

例えるなら「李昌鎬特製冷麺」と聞いて注文したら、
何の変哲もない冷麺が出てきた。
そんな気分である。

チャリティ碁会

2011-03-24 21:15:55 | 雑談
既に三村先生やシンディ由香里先生、奈穂ちゃん、向井姉妹大橋プロ、アミーゴ棋士などが、
大々的に告知しているので、私なんぞが言わなくてもいいのだろうけれど…。

26日(土)12:00~17:00まで新橋で
プロ棋士がチャリティ碁会を開催するそうです。
勿論、集まったお金は震災の義援金に使われるとのこと。
詳細は上のリンクのどこかで。

追加情報として会場への地図でも載せておくかね。



26日が楽しみだなぁ…。
それにしてもモロに大和証券杯決勝にぶつけてきたなぁ(汗)。



ん?大和証券決勝?

しまったー!
私は歯医者の予約があるんやないかー(涙)!
歯医者すっぽかしてよかですか(嘘)。
ダブルブッキングが解消されたと思ったら、
こんなところに落とし穴が…。

時間もド真ん中だし、一部だけというのは無理そう。
見事に封じられてしまいました。
計ったな!シャア(違)!

ま、私個人のことはどうでもいいとして…。

シンディのブログによると大和証券杯決勝も自宅での対局になったとのこと。
そりゃ、私なんぞが言わなくても大和証券はわかっているよね。

由香里先生のお子さんが誕生!

2011-03-23 20:55:55 | 雑談
梅沢由香里プロが先週、無事出産されたそうです。

おめでとうございます!

しばらく記事がなかったので心配していましたが
ご無事で何より。
世界中の囲碁ファンが喜んでいるでしょうね。

先週…ということは…魚座?
ん?ということはアノ人と星座も干支も一緒かも!?

またそれに伴い、4/1から棋士としての登録名を
本名(結婚後)の吉原由香里に変更するそうです。
これからは吉原先生と呼ばないといけないのかぁ。
雅な名前ですね。

週刊碁がiPadで!

2011-03-22 21:15:55 | 棋書
発売された「碁ワールド」をみていたら、
週刊碁iPadなどのメディア向けに配信開始」という広告が目に留まった。
3月下旬開始予定で最初のうち【3/25追記】1ヶ月はお試しという意味か
タダで配信されるらしい。

iPadが発売された当初、
「棋書と電子書籍の親和性は高い
という記事を書こうかと思って、
機会を逸していた私には「先を越された」感じ。
いい方向だと思う。

【3/25追記】
尚、5月には棋譜再生機能がつくアプリも登場するらしい。
これは素晴らしい。
「週刊碁」がこのアプリに対応しているのかが文面からはわからないが…。
対応しているのならば、俄然iPad2が欲しくなる。
アプリの能力も含めて、今後の動向に注目したい。
よって以下の記事は「ごめんなさい」ということで削除。

ただ広告をみると週刊碁の紙面を、
そのまま電子化したもののよう。
(違っていたら、ごめんなさい…)
これでは私の考える親和性が発揮されない。

棋書の最大の難点は盤面図が絶対必要なため、
レイアウトや文章が非常に組みにくいことだ。
いろいろ工夫はされているが、棋苑図書などの本では次のページで、
反対側のページの盤面図の解説をしているということもザラ。

また盤面図に多く紙面が割かれるので、
文章の絶対量が少なく、読書家には物足りない。
棋書家はもうある程度そういうものだと割り切っているので、
文句もあまり出ないのだろうが…。

この点、電子書籍ならページの制限もないし、
レイアウトにも自由が利く(と思う)。

実際、お隣の将棋では機関紙「将棋世界」を
専用のアプリを使って配信しているという。



こういうアプリはより多くの盤面図を必要とする囲碁なら
将棋以上絶大な効果があると思う。

盤面図の電子書籍向けのアプリ化なんて、
多く出回っている棋譜閲覧ソフトの製作者と契約すれば、
対局するわけではないのだからそんなに難しくない…と思う…。
先行投資として十分価値があるのでは?

既に日本棋院は「高尾の力学」「覚のサバキ」などを、
電子書籍化しているが、より魅力あるコンテンツにするため、
もう一工夫する努力をのぞむ。
この「一手」間がゆくゆくは大きな差を生むと思う。


【3/23追記】私に先出しされて慌てた訳ではないでしょうが(笑)、
週刊碁ブログ」からも告知がありました