対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

今年の棋書3冊

2007-12-31 15:55:55 | 棋書
dasさんに倣って、今年発売された棋書の中で面白かったものをまとめたい。

しかし5冊も挙げるのは私には難しいので、「今年の3冊」という形で。

まずは「韓流 囲碁が驚くほど強くなる本」(MYCOM:薫鉉著)。



1997年頃の日韓囲碁界の対局を、プロが斬るという内容だが、良くも悪くも忌憚なく、率直にプロ囲碁観、人生観を聞けるのが面白い。
翻訳がおかしかったり、タイトルがイマイチだったりという面もあるが、それを補って余りある痛快さだ。
巻末に全ての対局の、総譜が掲載されているのもポイントが高い。
読み応え抜群!

2冊目は「王銘エンの囲碁ミステリーツアー」(MYCOM:王銘エン著)。



メーエン先生のエンターティナーぶりが、今年も炸裂!
直接的には棋力向上には繋がらないかもしれないが、「囲碁の魅力」を伝える一冊として高く評価。
何かを楽しく伝えようという姿勢が、変わらないところが素晴らしい。

3冊目には先日発売したばかりの、「詰碁の達人」(MYCOM:塚本惠一著)を挙げたい。



去年の「至高の詰碁」辺りから、詰碁の本が次々と出版されているが、どれも問題の良し悪し以外は似たり寄ったり。
本書は必ずしも成功しているとはいえないが、「実戦死活百型」をつけるなど、少しでも内容を充実させようと工夫しているのが評価できる。
また問題も面白く、特に第1問は秀逸。
答えに詰まった人ほど、楽しめるところがユニーク。

こうして挙げてみて思うのは、全部MYCOMの本ばかりだということ。
日本棋院からも「碁界黄金の19世紀」、「規三生の突進」といった良い本もあったが、もう一つ従来の本と変わり映えのしない内容が、選考外とした理由。

奇抜ならいいというものでもないけれど、もう少し柔軟に、本を出すからには「今までにない」という部分を出して欲しいのが、来年へのお願いである。
個人的には「プロでも読みたくなる内容」の本を、もっともっと出して欲しい。

また全体的に問題集やノウハウ本ばかりで、囲碁に理論的に迫った本は相変わらず少ない。
読み応えや新鮮な発見が乏しい面で、ずっと不満が続いているので、これを打破するような濃い本の登場を願っている。

とりあえずNHK囲碁講座テキスト、結城聡プロの「これが世界の新感覚」と、河野天元の講座の書籍化を希望。

棋譜が並ばない

2007-12-30 22:55:05 | 棋書
サルティンバンゴの対局者、hexagobanさんが一年間で並べた棋譜を公表しておられた。

その量に圧倒!!
それでも例年の半分というのだから、恐るべしである。

私も「碁ワールド」の「何分で並べられますか?」を並べると、「初段合格ライン」の約1/3の所要時間で並べることができる
囲碁能力の中では、高段者に一番近いレベルにあると思っているのだけれど、hexagobanさんには遠く及ばない。



試しに4月からつけていた「棋譜ノート」に記録した、並べた棋譜数を数えてみたら341局だった。
「少ない」と嘆いていた、hexagobanさんより200局以上少ない。
しかし大体1日1局ペースで、私としては新記録。
これが限界だろう。
ちなみに上のノートは、「読棋書録」。

そこでサルティンバンゴもあるし、少しでも伸ばそうと年末恒例の、加藤正夫先生の棋譜並べに取り掛かった。

何か適当な題材がないかと探していたら、今、図書館から借りてきている「白番布石の徹底解明」の巻末に、ちょうど加藤正夫vs小林光一戦が掲載されていたので挑戦。
2000年8月5日の対局で、早碁選手権戦2回戦とある。

が、並ばない!



この局面、次が76手目(白番)なのだが、その番号がどうしても棋譜に見つからないのだ!
もしかして誤植

…もっと早くに気づいていたらRicohプロペア戦観戦の時、ピカ一先生に質問してきたのに…。
もう一つ掲載の加藤正夫vs小林光一戦(第22期十段戦第5局)の棋譜も、56手目が2つあるよ…。

ブロガー十番碁勃発!

2007-12-29 21:15:17 | 雑談
幽玄の間パンダネットは、民主党党首小沢一郎と、作家渡辺淳一の「著名人対決」で本日賑わったそうである。

一方ブログ界では、無名の二人による戦いが勃発!

勝手に名づけて
サルティンバンゴ(猿十番碁)2008」!
…この古い元ネタが分かる人は、どのくらいおられるのだろうか?

碁盤を囲んで」のhexagobanさんと、当ブログの管理人GO!による十番碁である。

開幕は来年1月5日(土)
「囲碁の日」。
ちょうど1週間後。

対局場はKGS(棋聖堂々サーバー)。
時間は21:00を予定。
手合いは互先からスタート。

KGSは無料かつ最低限の情報入力で、会員登録が出来ます。
またMacOSXユーザーも使用可能。
よろしければ皆さん、応援をよろしくお願いします。

奇しくも初戦当日は、hexagobanさんのお誕生日とのこと。
きっとお酒が入っているに違いない。
そこを狙いすまして…(うひひ)。

とりあえず「著名人対決」に、負けない内容を目指すことにしよう。

追悼真部一男

2007-12-28 23:55:55 | 将棋
月刊「囲碁」2月号は、本日12月28日発売。
今月号は第2別冊付録付。

また「将棋世界」も前倒しで本日発売。
先ちゃんと、プロボクシング世界チャンピオン内藤大助のツーショットの表紙が目を引く。

本文にも先ちゃんと内藤プロの対談があるが、それ以上に今月号で注目すべき記事は「追悼 真部一男」。

本ブログで取り上げるタイミングを逸してしまったのだが、先月24日、将棋の真部一男プロが亡くなったのだ。

真部一男プロは将来を嘱望される美貌の棋士として、棋界の期待を背負ったプロだった。
ドラマ「銭形平次」に、天野宗歩(江戸時代の棋聖)役で出演したことも。
ただ機に恵まれず、主だったるタイトルは「早指し選手権」優勝のみ。
悲運の棋士と言えようか。
追贈九段。

熱烈な囲碁ファンなのが、本ブログ読者にも関係あるところ。
数年前上村邦夫プロが亡くなった際に、真部プロが「将棋世界」に連載していた「将棋論考」で、上村プロを悼む一文を載せたことは、本ブログでも紹介した。
そういえば真部プロと上村プロは、棋士として非常に似た生涯を、歩まれたお二人だったようにも思う。

「囲碁に熱心」と書いたが、どのくらいの熱心さだったかといえば、こんなエピソードを「将棋論考」に書いておられた。

一時期本職の将棋以上に、熱心に囲碁に取り組んだ真部プロはかなり腕を挙げた。
そこで当時稽古して貰っていた秀行先生に、お酒の入った席だったか、勢いでこんな言葉を言ったのである。

「私も囲碁棋士になれないだろうか?」

戯れに発した冗談のつもりだったが、その台詞を聞いた秀行先生は黙って立ち上がり、電話に。
そして受話器に向かって何やら話し、戻ってきて一言、

「30歳以上は、プロになれないそうだ」

「私は恐縮するとともに、ホッとした」
「ただ『プロの名簿の端にでも、名前を載せて貰えたらなぁ』という気持ちだったのだ」


と真部プロは述懐。

この心境は腕に覚えのある囲碁好きなら、うなずけるエピソードではないだろうか?

近年は本職の将棋では目立った活躍はなかったものの、「将棋論考」から升田幸三に関する記述をまとめた、「升田幸三の世界」で将棋ペンクラブ大賞。
私も大好きな将棋評論家であっただけに、寂しい限りである。

新刊棋書情報「もっとひと目の詰碁」

2007-12-27 21:55:16 | 棋書
初級者向け定番本として名高い「ひと目の詰碁」の続編、「もっとひと目の詰碁」が今月刊行された。
著者は前作と同じく趙治勲プロ。

文庫本サイズで1ページ1問、裏に解答という構成。

第1章「生き」42題
第2章「殺し」140題。
全182問。

ただ続編といっても、レベル的にはほとんど変わりない。
私のレベルでも、文字通り「ひと目」。
大体初手がわかれば、あとは簡単な問題ばかりだ。

一方装丁は全然変わってしまっている。
前作と一緒に、本棚に並べるのには適さない…(涙)。

あるいは店頭で見つけにくくなってきた「ひと目の詰碁」の、代替本の位置付けといった方が正しいかもしれない。
とはいえ初級者が買って間違いない本、であるのは変わりないだろう。

新刊棋書情報「詰碁の達人」

2007-12-26 23:15:15 | 棋書
素晴らしい一冊。
これはオススメですよ、レディース アーンド ジェントル詰達
もとい「詰碁の達人」。
アマチェアが書いた数少ない詰碁集だ。

作者は「詰碁を楽しむ会」でも活躍されている、塚本惠一氏。
分厚い中身は値段以上に充実している。

大半を占める創作詰碁は、全100題。
全て黒先に統一され、難易度別にCからSランクに分類されている。
1ページ1題の形で出題され、3図から9図を使って解説。
石田章詰碁傑作選」と似た構成だ。

最初のCランク20題は易しいが、ちょっとしたワナが仕掛けてある佳作ばかり。
前田詰碁の味わいに近いと思う。

一方B(30題)、A(30題)、S(20題)ランクになると石数が少なく、どこに着眼したらいいのか途方にくれる問題も出てくる。
高段者以外はその丁寧な解説を読んで、鑑賞するくらいの気持ちで取り組むのが良いだろう。

創作詰碁100題の後には、実戦死活100型が掲載されている。
基本死活事典(上)」のダイジェスト版といった印象。
100型を数ページに詰め込んで出題しており、また解答も簡潔でやや見づらい。
もう少し「詰碁論」的な形を期待していた私には、ちょっと期待外れのところも。

しかし初歩的な基本形を省き、実戦頻出形を系統立ててまとめているのは好印象。
完全にマスターすれば詰碁はおろか、実戦にも非常に効果がありそうだ。

昨今詰碁の本は多く出版されたが、その中でも屈指の出来。
もう少しコンパクトになりそうな構成に改善の余地があるものの、とりあえず文句なし。

アマには
「読む力」
を、プロには
「プロアマ問わず伝えたいものがしっかりしていれば、良い棋書が作れる
ということを、本書から学んでいただきたい。

五段突破の詰碁(棋書評)

2007-12-25 23:55:55 | 棋書


五段突破の詰碁100」(石田芳夫著:土屋書店)

三段挑戦の詰碁100」同様、他の本でもう少し下のレベル向けとして紹介される詰碁を、30秒、60秒、180秒で解こうという基本詰碁集。

30秒40問、60秒30問、180秒20問。
本書はこれらに加えて「腕試しの詰碁」が10問収録されている。
類型で別問になっているのも含まれるので、実際に含まれている型はもう少し少ないのも「三段突破」と同じ。

「三段挑戦」でも書いた通り、こういうコンセプトの本もあり。

しかしいきなり第2問で、「三段挑戦」に収録されているのと同じ問題が登場するのはどうかと思う。
微妙に形を変えてはいるのだけれど。

およそ
「問題集を出しました」
以上の内容ではなく、わざわざ本書を購入する価値はない。


面白ブログ解析サイト紹介

2007-12-24 17:55:55 | 雑談
面白いブログ関連サイトを見つけた。

My Boo

ちょっと怪しいタイトルだが、kizasi Companyというブログの解析をしている会社が作ったものらしい。
ここにもトラバが来たことがあったっけ。

ブログのURLを入力すると、そのブログから受ける「気分」「話題の中心」、そして内容が近い著名人ブログを紹介してくれる。
まだβ版。

2日前に当ブログのURLを入力して試したときは、「怒っている気分」が出ていて、「本についての話題が多い」、という結果が出て深く納得。
ちょうど「碁ワールド」の今月号を批評したところなので、そこが強く出たのだろう。

しかし昨日解析したら、「恐怖感」が出ていて「政治についての話題が多い」、と出てきたのは不思議だった。
総理大臣に絡めたジョークが、強く反映されたらしい。

実際のところ当ブログは「怪力乱心を語らず」をモットーとしているので、政治的話題は全くないと思うのだけど。
「関連する著名人ブログ」というのも、アキラ竜王ルー大柴以外は、どこが関連しているのかわからなかったし…。

そんなこんなでやはりβ版という感じだが、ちょっと遊んでみる分には面白いのではなかろうか?

ちなみに「しょこたんブログ」などの人気サイトは、「感動」が強く出ているらしい
そりゃポジティブな話題の方が、読んでいて楽しいものね。

でも囲碁界を中心に話を進めると、なかなか「感動」だけは書いていけそうにないのがつらいところ…。
ポジティブにやっていきたいですけれど。

リコー杯2008観戦記-討ち入り編-Vol.3

2007-12-23 22:55:55 | 雑談
Ricohプロペア戦観戦の当初の目的、
鈴木歩プロとお話してサインを貰おう

第2日目にはツーショット写真も撮って頂いて、ミッションコンプリートでございます。
でも写真は、私の顔がぎこちないので不掲載。



それに換えて趙治勲先生、鈴木歩先生、万波佳奈先生のサインを公開します。
万波&鈴木プロが、ペアにちなんだ揮毫をしてくださったのが面白くありませんか?
(鈴木プロ→「光」→小林光一プロ)
(万波プロ→「澄心」→張栩プロの娘さんの心澄ちゃん)
偶然なのか狙っているのか…。

ちなみに鈴木歩プロは、他には「瑞光」(と読めた)と揮毫されていました。

と、同時にやっぱり棋士は
「筆でサインする方が得意」
ということを痛感。

来年もう一回、筆ペンでサイン貰いに行こうっと♪
…って、また行く気かい!

あ、そうそう。
無くして嘆いていた扇子は見つかりませんでしたが、大会特製扇子は無事当てることができました。
こちらもミッションコンプリート!

これもみなさまのおかげです。