奥入瀬渓流を散策の後、秋田県の乳頭温泉郷に着く。
田沢湖の東北に位置するひなびた温泉郷だ。
乳頭温泉の名前の由来は、ガイドさんによると、
乳頭山(この山は乳頭に似た形をしている)のふもとにあるから、
更に、乳白色のお湯が出るから・・・の2説があるそうだ。
バスは乳頭温泉郷の入り口、田沢湖高原休暇村までしか行けないようだ。
ここから先は歩くしかない。
休暇村の先に6つの秘湯がある。
休暇村自身にも温泉が湧いているので、歩くのが嫌なら休暇村の
温泉に入る事も出来る。
ガイドさんから温泉の地図が配られ、ツアーの一行は思い思いの温泉をめざし
散っていく。
我々はブナ林に沿って西へ進んだ。
しばらく行くと大釜温泉が見えた。
古い小学校の校舎を移築し、温泉に活用しているようだ。
温泉入り口に、小さい二宮金次郎の像があった。
ガイドさんからもらった地図を見ると、大釜温泉の
露天風呂は、男用と女用が夫々1つ有り、とある。
この先にある蟹場温泉の欄を見ると、露天風呂は
混浴1つ有りとある。
どこに入るか家内と協議。
「折角こんな秘湯までやってきたのだから、混浴露天風呂に入ろう」
という私の意見が通り、大釜温泉はパスして、蟹場温泉
をめざす事にした。
しばらく進むと、蟹場温泉の道標があった。
お目あての、蟹場温泉はもうすぐだ。
しばらく歩いて蟹場温泉に到着。
湯治客が泊まれる部屋も備わっているようだ。
「秘湯の宿 蟹場温泉」の行灯が架かっている。
人里離れた山奥に佇む、ここはまさに秘湯だ。
看板に偽りなし。
ここは内風呂が男2、女2の計4つあるが、ここのウリは
混浴露天風呂だ。
母屋から細い山道を降りて行くと、鄙びた露天風呂が見えてきた。
同年代のカップルが一組入っていた。
写真の小さな橋を渡った所から、ぶくぶく熱い湯が噴き出し
湯船に注いでいた。
正真正銘、源泉掛け流しだ。
脱衣所は男女別れているが、湯船は1つ。
貸切露天風呂に入った経験はあるが、他人様も一緒の
混浴は初めての経験。
入る時はちょっと緊張したが、同年輩のカップル一組だけしか
入っていなかったので安心。
写真を撮るゆとりもあった。
ここの湯は、乳白色でなく無色透明だったが、いい湯だった。
渓流のせせらぎを聞きながら、のんびり秘湯の風情を味わえた。
猿が横に浸かっていても、おかしくない鄙びた山の温泉だった。
蟹場温泉を出て、山を少し下ったところに、妙乃湯があった。
パンフレットを見ると、ここにも混浴露天風呂がある、と出ている。
混浴慣れ?した私としては、見逃す訳にはいかない。
家内は、疲れたのでパスする、と言うので私一人単身で乗り込む事にした。
下の写真は、妙乃湯玄関横の休憩所。
蓑と裸電球が風情あり。
休憩所の左手には、先達川が流れており、露天風呂から川が望める。
妙乃湯温泉の暖簾をくぐる。
なかなかオシャレな佇まいだ。
露天風呂の表示に従い進む。
最初のコーナーは男女別になっていた。
無色透明の単純泉と、茶褐色の含鉄泉の2種類の湯船があり。
しかし四方が壁で、露天風呂の感じがしない。
どこが混浴露天風呂?とボヤキつつあちこち見ると
向こうの壁に何か書いてある。
風情のあるランプの横に「混浴露天風呂入り口」と書いてある。
なるほど、ここで止まってもよし、この先に進んでもよし
という事のようだ。
私はもちろん、混浴コーナーにまで進出。
幸か不幸か、誰も入っていない。
独り占めで絶景を愛でつつ、2つの湯を楽しむ。
混浴露天風呂には金の湯と銀の湯の2つの湯船があり。
写真は銀の湯。
もうひとつの先達川沿いの金の湯を撮ろうとしているうち、
男性客が1人入ってきたので、撮影断念。
のんびり山の湯を楽しんだ後、妙乃湯を出ようとした時、
中高年の女性を中心にした、山歩きのグループがドヤドヤと
妙乃湯に到着した。これから入浴する気配だ。
あわや、このグループと、露天風呂で遭遇するところだった。
遭遇しなかったのは、幸というべきか、不幸というべきか???