先日 西本願寺の書院などが特別公開されたので、早速拝観してきました。
さすが世界遺産だけあって、国宝級の建物がいっぱいです。
広い境内の東北隅に、太鼓楼が建っています。
塀際にはツツジが満開でした。
一時新撰組の屯所にもなった太鼓楼です。
池田屋騒動以降隊士が増え、壬生の屯所では狭くなり
慶応元年、西本願寺に 屯所を移したそうです。
(太鼓楼の内部は公開されていません)
国宝の唐門です。
正面と背面は唐破風造り、側面は入母屋造りの四脚門です。
門の内側には、中国の許由の故事を題材にした透かし彫りが施されています。
門の右手の彫刻は、許由が滝で耳を洗っている所だそうです。
尭帝が許由に「皇帝の位をお前に譲ってやろう」と言ったところ
許由は、汚らわしい話を聞いたと嘆き、耳を洗ったそうです。
許由は、立身出世や金銭欲などと対極にある人物だったようです。
これは門の左手の彫刻です。
牛をひっぱっているのは、巣父という人物だそうです。
巣父が牛に水を飲まそうと滝までやってきた所、許由が耳を洗っていました。
「何をしているのか?」と巣父が尋ねると
許由は「汚らわしい話を聞いたので、耳を洗っているところだ」と答えました。
すると巣父は「そんな汚れた水を、牛に飲ますわけにいかない」と言って
川の上流の方に牛を引っ張って行ったそうです。
こちらは、門の背面です。
門の背面にも立派な彫刻があります。
馬上の人物は貴石公です。片方の沓が脱げています。
弟子の張良に沓を投げて(侮辱して)張良の忍耐力を試している図です。
張良は何回も沓を投げつけられたのに、文句も言わず
その都度、師に沓を捧げて返している図だそうでです。
張良は、後に大人物になったそうです。
この唐門は、ゆっくり見ていると日が暮れるというので
日暮し門の異名があるそうです。
さて、肝心の書院(国宝)は撮影禁止でした。
豪壮華麗な書院は実に見事でした。
写真でお伝え出来ないのが残念です。
それと飛雲閣も良かったです。
ガイドブックの表紙(上図)にも飛雲閣が使われています。
左右非対称ながら、巧みな調和を保つ名建築として有名です。
残念乍ら、飛雲閣も撮影禁止でした。
撮影不可の所がほとんどでしたが
日頃非公開の貴重な国宝群を、この目でたっぷり鑑賞出来、満足の一日でした。