何の変哲もないような門に見えるが、通りたくない恐ろしい門だ。
トレイターズ・ゲート(反逆者の門)を城外から見る。
今は水深も浅くなっているが、昔は深くテームズ川に通じていた。
反逆罪で捕らえらえた夥しい数の罪人が、この門をくぐって
獄につながれたそうだ。
ゲートを城内から見る。
ヘンリー8世の2番目の王妃、アン・ブーリンは姦通罪の濡れ衣を着せられ
このゲートをくぐり、獄につながれた。
そして再びこの門から出る事はなかった。
ゲートの横壁には、銃眼が設けられている。
ここで最後の抵抗を試みる囚人も、いたのだろうか?
牢獄のような小さな部屋があった。
本当にここが牢獄だったのかどうか、よく説明を読まなかったが
恐らく、牢獄はこんな雰囲気だったのでは?
但し、高貴な囚人は、かなり広い部屋を与えられ、更に使用人をつける事も
許されていたようだ。
セント・トーマス・タワー内から、ベル・タワーを望む。
1534年には、トマス・モアがこのベル・タワーに投獄され
翌年処刑されている。
ローマ・カトリックと訣別したヘンリー8世を、イングランド国教会の長
と認めなかったのが原因。
セント・トーマス・タワー内から、テームズ川を望む。
タワー・ブリッジも見える。
テームズ川を眺めつつ、囚人は何を思ったのだろうか?
一度捕まれば、簡単に脱獄出来なかったのだろう。
写真は、ブラッディー・タワーの、いかめしい落とし格子。
中世の匂いがプンプンする場所だ。