MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.39 「本日公休」

2024-10-11 00:13:00 | 2024年劇場鑑賞




またまた閉館直前のシネマート心斎橋に現れました
ますます閉館前て事で館内のレイアウトが寂しくなってます
公開中の作品を手作りの販促物や手書きのパネルなどで展示してたコーナーが無くなってました
ま、よく見たら離れた所にひっそりありましたが
ただお客さんは結構居てました








おそらくシネマート心斎橋で最後の鑑賞になるであろう台湾映画のこの作品
舞台は台中の下町の散髪屋
子供3人を女手で一つで育て上げ、散髪屋を営む主人公アールイ
古くの常連さんが病で来店出来ないと知り散髪道具を持ち、店を休業して車を走らせて出張散髪に行く
タイトルの「本日公休」は店のシャッターに掛けられた札の文字
ま、本日臨時休業て言う事ですね
まるでロードムービーを連想させるあらすじですが、確かに作品の中心ではありますが、それはほんの一部分で大部分はアールイと子供たちの昭和のホームドラマのような家族劇
3人の子供達も大人になり家を離れ、離婚していたり、美容師になってたり、様々な人生模様がこの理髪店を中心に語られていく
そんな子供達のエピソードも含めてアールイを中心としたホームドラマになっていて、生産我々世代ならほっこりと、そしてしっとり涙目になりそうな作品になってます

アールイの営む昔ながらの理髪店と娘が働く都会の現代的な美容サロンとの対比が面白い
スタッフが沢山居て流行のヘアスタイルにも応じてSNSの交換とかもしてる
一方で古い馴染みの客を中心に地域の人達の整髪をしている散髪屋
「いつものように」その一言から始まる散髪屋とお客の対話
日本にもある風景ですね
そして昭和感が伝わってくる
この感覚はこの作品を見る人の年代によって変わりますね

体調不良で散髪に来れない馴染みの客に髪の毛を切りに出張すれば、寝たきりで意識も無い…それでも「いつもの通りで良いですね?」と声かけながら散髪していくアールイ
その光景を見ながら涙する家族たち…常連さんとの思い出を語りながら散髪していくアールイ
しっかりとハサミとくしを通して常連さんと対話している
このシーン見ながら、私も今倒れたら散髪屋のオッチャン来てくれるんかな?
と思ったりした

私は美容院ではなく昔から散髪屋なんですね
小洒落たシステムが行きにくくて、一度だけ若い頃友人の行きつけの店に連れられて行ったぐらい
今、行ってる散髪屋さんは阿部野や東住吉区時代から通ってる店に2ヶ月に一度、住吉区から車で髪の毛切りに行ってます
通い出して30年超えるかなー
店主のオッチャンに奥さん、そしておじいちゃん、途中から息子さんも店に入ってた
息子さんは独立して、おじいちゃんもそして数年前に奥さんも亡くなられ、今はオッチャン1人でやってはる
もう70代後半やったかな?
散髪屋さんて、引越ししてその地域に散髪屋があっても、昔馴染みの店までわざわざ行きますよね
自分の歴史と同時に散髪屋さんの歴史も目の当たりにしてる

そんな人との繋がりがある散髪屋さんがやはり好きですね
この映画見てそう感じました
エンディングの主題歌もちょいグッと来ました
「いつものように?」「いつものように」「いってくる」「いってらっしゃい」…何気ない会話の中に人間の温もりを感じさせる歌詞の字幕が耳につきました



★★★ 2024.10.10(木) シネマート心斎橋 劇場1 14:45 H-2