MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.013 「28週後...」(2007年 英 104分 ビスタ)

2008-02-08 02:07:43 | 2008年劇場鑑賞
監督 フアン・カルロス・フレスナディージョ
出演 ロバート・カーライル
    ローズ・バーン
    ジェレミー・レナー



5年ほど前に公開された「28日後・・・」はかねてからネット等で話題になっていて、特に「トレインスポッティング」のダニー・ボイルがゾンビ映画を監督するらしい・・・と言うことで一体どんな映画になるのか?と注目していたけど、まだ大阪にシネコンも少なかったこともあり縮小された上映で、残念ながら劇場では見逃しておりました。
ビデオでの鑑賞となったんですが、ウィルスに感染した者たちが凶暴となり襲いかかってくるという設定がやや死者が甦るロメロゾンビとは違うものの、全力疾走で追いかけてくるという新しいスタイル(ま、厳密にはそれ以前に「デモンズ」も走ってたけど)を確立した意味でもゾンビ映画史に残る1本となりました。
そしてその続編がこの「28週後...」です。



(あらすじ)

人間を凶暴化させる“RAGEウイルス”の猛威が収まり、復興計画が始まったイギリス。
スペイン旅行中でウイルスの難を逃れたタミー(イモジェン・プーツ)とアンディ(マッキントッシュ・マグルトン)の姉弟は、父親のドン(ロバート・カーライル)と再会を果たす。
しかし、感染を逃れたドンには子どもたちに言えない秘密があった。

「エイリアン2」を見た時「こんな面白いパート2は見たことない!」と思ったもんでしたが、この作品も前作を越えたパート2と呼ばせてもらいましょうか。
1軒の家に立てこもった(ゾンビ映画の定番!)生存者たちを感染者(以下敢えてゾンビと呼ばせてもらいます)たちが襲いかかる・・・オープニングからテンションの高い攻防戦から幕をあけるこの作品ですが、何といってもこのシーンでの生存者の中に主演とも言うべきロバートカーライルが居るんだが、何と妻を見捨てて逃走すると言う意外な展開!
普通は抵抗してでも妻を守ろうとするけど、怖さのあまり見捨てて逃げ出すという主役にあるまじきヘタレぶりにビックリ!
でも何か正直、こんな状況ならわからないでもないなぁ~(笑)映画なら嘘でも命を省みず助けに行きそうなもんだが・・・リアルやね

子供たちに言えない秘密・・・てのがコレなんですが、後に妻が生存していて微妙に困った状況のカーライルが何と妻の唾液により感染し、おぞましいゾンビと化す!(主人公ではなかったんやね)
意表ついた展開の前半から、平和が戻りつつあった街がまたしても阿鼻叫喚な地獄絵図になる中盤以降の展開の凄まじさは久々に気合が入りましたね~



作品全体を包む終末観はまさに正統的ゾンビ映画を見せてもらった感じです。
英国復興の為に米軍が駐留してるのはまるでどこかの国の戦争見たいだし、ゾンビの群れが街中を集団で疾走し生存者たちを追いかけるパニック描写はまるで市街戦!
ビルの屋上から軍隊が狙撃するんだが、見さかえなく生存者もゾンビも一網打尽に撃ちまくり、挙句の果てに「地獄の黙示録」ばりに街を爆撃し焼け野原と化してしまう(石器時代に戻したかどうかは知らないが・・・)

主人公たちが数人のグループ(軍人も含む)でゾンビたちをかわしながら脱出を試みるんだが、何しろ猛スピードでしかも集団で追いかけてくる恐怖はスリル満点で、そこに壮絶な残酷描写も相まって、ホラー映画にありがちな遊びの要素を排除したストロングスタイルに104分間気が抜けません。



何人かのグループで逃げる場面などは、彼らを追う軍隊がガスマスクしてる所からロメロ監督の初期の作品「ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖」を連想してしまうけど、ホラー映画の中にパニック的な要素も相まって予想以上に重たい作品でしたな。
救いのない状況の中で描かれるタミ-とアンディの家族の絆が危機的な場面で幾度なく試され、固い絆がより強まっていく・・・ここら辺りはこう言う状況にはやはりこう言った絆や信頼が頼りなってきたりもするもんですね。
1機のヘリコプターに託された一筋の希望は果たして・・・?

疾走型ゾンビ映画の中では中々の傑作だと思いましたね・・・「アイ・アム・レジェント」よりこっちが好きですね。
好きと言えばゾンビ集団をヘリコプターのプロペラで木っ端微塵に一掃する場面・・・ピーター・ジャクソン監督の「ブレインデッド」の芝刈り機突入よろしく豪快でよろしい!



☆☆☆☆☆ 2008.2.7(木) 敷島シネポップ3 17:05 E-6