MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.022 「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」 (2005年 米 136分 シネスコ)

2006-03-06 01:03:44 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 ホアキン・フェニックス
    リーズ・ウィザースプーン
    ロバート・パトリック



正直言いましてジョニー・キャッシュて人はほとんど知りませんでした。
エルヴィス・プレスリーらと共に黄金時代を築いた人らしいですが、私はその人の歌やどんな顔かも知らないままこの作品を見ました。

最初はホアキン・フェニックス演じるジョニー・キャッシュが実際本人に似てるかどうかは判らなかったけど、本人の顔を写真で見たら雰囲気とか顔立ちも似てますね~
動いてるキャッシュは知らないけど劇中独特の動きやギターの持ち方(田端義夫見たいな)をステージの場面でしてるのを見て、かなり役作りしてるんやろうな~とは感じました。
それより歌は吹き替えじゃなく実際ホアキンが歌ってるそうで、その歌唱力にはビックリでしたね。
エンドロールで実際のジョニー・キャッシュの歌が流れますが、そっくりですやんか!
これはアカデミー賞の主演男優候補になるのも納得しました。
相手役のジューン・カーター役のリースもこれまた吹き替えなしで素晴らしい歌唱力を発揮しており、もしかしてダブルでアカデミー主演男女優受賞?(ま、それは無いでしょうがね・・・日本アカデミー賞ならありそう)

静寂に包まれた刑務所の外観からどこからともなく聞こえてくるリズム・・・やがて音が大きく聞こえ出し、刑務所内のホールは囚人たちが総立ちで音楽に合わせて手拍子でジョニーの登場を待ちわびている。
その奥の楽屋代わりの作業場で電動ノコギリを見つめ想いにふけるジョニー・・・印象的なオープニングから数十年前にフラッシュバックし彼の子供時代から映画は始まるのですが、貧しい生活の中で親の畑仕事を兄と共に手伝い、夜はラジオから聞こえてくる音楽を楽しみにジョニー少年は育つが、貧困から来る反動で父親は酒に溺れ、家族に暴力を振るい最愛の兄は電動ノコギリの事故で死んでしまう。
この辺の幼少期の出来事が彼の人生に大きく影響を与えたようで、そこらをくどくど描かずテンポよく話が進行していきますね。

念願のレコードデビューから全国ツアー、それに伴い妻や家族らとの溝が深まっていく・・・
やがて子供の頃の憧れだったジューン・カーターと知り合い、お互い似たような環境である事を知り次第にジューンに惹かれていくジョニー。
ここから長きに渡る片思いが始まるんですが、表立ったラブストーリー仕立てでなくジョニーの内面から彼女への想いを描いてるように感じました。
求める彼を断固固辞するジェーン・・・苛立ちと寂しさでドラッグに手を出し破滅していき、やがて密輸で逮捕されてしまう。
しかしますます泥沼にはまっていく彼を救ったのはやはりジューンだった。
献身的な介護の末に立ち直り、そしてある刑務所からのファンレターから彼の伝説がスタートしていく・・・
そしてジョニーとジューンがステージで互いにパートナーとして成功していくが本当の見せ場はステージ上でジョニーがジューンにプロポーズする場面。
映画のようなドラマチックな場面だけど実際のことなんですね~

破滅していく原因の一旦も彼女なら立ち直るキッカケも彼女だった・・・サブタイトルに付いてる「君につづく道」がやっと繋がったね。
まさに波乱万丈な人生を歩んだロックスターの人生を二人の役者が見事な名演で見せてくれます。



★★★ 2006.3.2(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ1 19:10 J-8