kikoがスタート

2005年8月にスタートしました。
私が観た(見た)、感じた、覚書き、気になることを書いてます。(^^ゞ

ガウディとサグラダ・ファミリア展⑤「 第2章 自然:大地の浸食造形」

2023年12月03日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
ガウディが家具のデザインも手掛けていたことは
④「 第2章 ガウディの創造の源泉」で知りましたが
今日は、その続き「自然:大地の浸食造形」です。

聖なる空間としての洞窟
キリスト教聖窟
《ルルドの洞窟》   1897年

フランス側ピレネー ルルドの聖母洞窟にて

キリスト教の発祥地パレスティナは洞窟に恵まれた地域でした。
倉庫や家畜小屋などに利用され、時には墓場にもなりました。

ベツレヘムの降誕教会堂はイエス様が生まれたとされる家畜小屋の上に建設され、エルサレムの聖墳墓教会堂もイエスの埋葬地とされる洞窟の上にあります。この場所は、キリストの磔刑(たっけい)の地「ゴルゴタの丘」とも推測されています。


《東京カテドラル ルルドの洞窟》  1911年

ピレネーの洞窟でマリアさまが出現したことで、この洞窟はローマに次ぐ最大の巡礼地となり、この洞窟に模した「ルルドの洞窟」が世界各地に建設され、東京カテドラルや五島列島の教会堂にも建設されました。

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モンセラー 栄光の第一秘蹟「キリストの昇天」

《サクラダファミリア聖堂 降誕の正面》1983-85年

カタルーニャの守護聖人「黒のマリア」は
モンセラーの洞窟で発見されました。

そこへの聖道沿いに15秘蹟のモニュメントの建設が計画され、栄光の第一秘蹟「キリストの昇天」1903年~16年の制作を依頼されたガウディは、埋葬地の洞窟から昇天するキリストの姿を造形化しました。


《栄光の第一秘蹟「キリストの昇天」》 1903-16年

その構成は「ルルドの洞窟」に酷似しています。

サクラダ・ファミリアの機関誌が
降誕の場面を洞窟の中に描いた図番を1889年に掲載してから4年後「降誕の正面」は着工されました。

このファサードは鍾乳石や石筍が氷柱や動植物・大工道具・星座などの浮彫に置換された「降誕の洞窟」に他ならない。

この降誕の場面は、ガウディの手によるもので、1904年のクリスマスイブに開業したサラ・マルセー映像館地下の「ファンタスティック洞窟」でも再現されました。

長くなりますので、19世紀後半の水族館誕生の時代
「海と洞窟と家」は次へ続きます。
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ガウディとサグラダ・ファミリア展 ④「 第2章 ガウディの創造の源泉」

2023年11月30日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
③「 第1章 ガウディとその時代」 の続きです。
図録の写真が、思うように撮れないので苦戦しています。(^^ゞ

第2章では、「歴史」「自然」「幾何学」から
ガウディ独自の建築様式の源泉とその展開です。

●第2章 ガウディの創造の源泉
 歴史:建築のオリエンタリズム
    多彩色(ポリクロミー)建築の源泉

ガウディ:カサ・ビセンス  1883-1885年

株式仲介人マヌエル・ビセンスの郊外の別宅。

修道院の汚れた巨壁が隣接して建っていたため、それを覆うつる草をイメージして計画しました。つる草が垂れ下がるように白と緑の無地タイルが建物の上部を覆い敷地に咲いていたマリーゴールドの花柄を描いたタイル被覆で建物の下半分を鮮やかに装飾しました。

このような多彩色(ポリクロミー)の建築を構想していたガウディは、カサ・ビセンスなどの初期作品で、スペイン・イスラム建築を起源とするムデハル様式に着想を得た斬新なタイル装飾を試みる。


《グエル公園、破砕タイル被覆ピース》1904年頃

ガウディの独創は
タイル破片を素材としたモザイク装飾の手法「破砕タイル」の表現の可能性を徹底的に追求したことにあります。


 歴史:リバイバル建築
    ゴシックを現代に継承し、乗り越える

《バルセロナ大聖堂正面計画案》1882年

ジュアン・マルトゥレイ
ガウディと、リュイス・ドゥメナクによる製作図

19世紀の欧米では、ゴシック建築の復興を推進するゴシック・リバイバルの動きが流行しました。ガウディはフランスの修復建築家・建築理論家でありゴシック・リバイバルの論客であったヴィオレ・ル・デュクの著作を愛読し、ゴシック建築を深く研究しました。

1882年、バルセロナ大聖堂大正面のコンペが開催された際、ガウディは建築家の師ジュアン・マルトゥレイのもとでネオ・ゴシック様式の設計案を描いています。

しかし、翌1883年にサグラダ・ファミリア聖堂の二代目建築家に就任したガウディは、ネオ・ゴシック様式のオリジナル案から脱却することを目指し合理的な建築を追求したのです。


 自然:生命のフォルム
    ガウディの造形と通じる植物 

《プラタナスの木》

ガウディは樹木の幹を再現するように


柱を傾斜させ、ラセン形に回転させました。

上部から下部へ伝達される力の流れを樹木に習い
柱を一本一本デザインしました。
バットレスによって生まれていた陰がなくなり、森の中にいるような光溢れる内部空間が誕生したのです。


《植物スケッチ》    1878年頃

サボテン、スイレン、ヤシの木

ガウディは、過去の建築装飾を参照するだけでなく、実際に目にした動植物をつぶさに観察
し、しばしば自然を直接石膏でかたどることで装飾を造形しました


《カサ・ビセンス  鉄柵の棕櫚の模型》

1886年頃  サグラダ・ファミリア聖堂


《カサ・ビセンス   棕櫚の鉄扉》

カサ・ビセンスでは、敷地内によく茂った棕櫚の樹があったことから、その葉をかたどって鋳型を作り、連続するパターンをもとに門扉をデザインしています。


有機的なフォルムと内部空間
《エレベーターホールの保護鉄柵》

バルセロナ カサ・カルベート  1898-1900年

写真左
カサ・カルベートのエレベーターの保護鉄柵にはじまり、カサ・バッリョの階段手摺には、木工とガラスが添えられています。

写真右 サクラダ・ファミリア聖堂 (複製)
上 :カサ・カルベート  扉ののぞき窓
中 :カサ・カルベート  扉の握り金具
下左:カサ・ミラ     扉の取っ手
 右:カサ・ミラ     扉の握り金具


家 具
《ベンチ》 複製    1984~85年

ガウディは、家具のデザインも手掛けていました。

樫材で作られた椅子は
人間の姿勢を受け止める軟らかい造形で、端部はバイオリンの渦巻のようになっています。


「ガウディとサクラダ・ファミリア展」の一部ですが
長くなりますので、次へと続きます。
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ガウディとサグラダ・ファミリア展 ③「 第1章 ガウディとその時代」

2023年11月27日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
佐川美術館・ガウディとサグラダ・ファミリア展は
4章に分かれて展示されていました。

●第1章は「ガウディとその時代」
ガウディはどんな人だったのか。若いころは何を学び、どんな活動をしていたのかに関する資料が展示されています。

《ガウディ肖像》 1878年  レウス市博物館

恥ずかしがり屋で人前に出ることを嫌ったガウディは
写真嫌いでも有名でした。

きちんと顔が映った無帽の写真は、これまで5枚しか確認されていません。この写真は建築学校を卒業して間もない頃です。建築家の資格を手に入れ将来に希望を抱く若き日のガウディの姿でした。


ガウディは1852年に生まれ
バルセロナ市内に点在する数々の独創的な建造物を作る傍ら、1883年から1926年までの約40年間、サグラダ・ファミリア聖堂の建設に心血を注ぎました。

1926年の6月に
敷石に躓いて転び、路面電車にはねられて3日後に死去。
身なりがみすぼらしかったのでホームレスと間違われて病院搬送が遅れたとのことです。しかし葬儀にはバルセロナの市民が多数参列し、偉大な建築家の死を悼みました。


ショーケースのデザイン   レウス市博物館

新進建築家として活動をはじめたガウディは
バルセロナで有名な革手袋店の経営者クメーリャから、1878年パリ万博に出品するショーケースのデザインを依頼されます。

ガウディは、細身の枠でガラスを固定する軽やかで瀟洒なケースを設計し、クメーリャの期待に応えます。

会場で評判となったショーケースは、バルセロナの資産家アウゼビ・グエルの目に留まり、その後ガウディのパトロンとなったグエルとの関係を築く機縁となりました。



スケッチのデザイン案は
名刺の裏に描き留めた、ガウディのオリジナルでした。


購入した図録を見ながら、第1章から4章までの少しだけですが、ブログに残しておきたいと思っています・・・。
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佐川美術館②「サグラダ・ファミリア聖堂 1891年~2023年の写真」

2023年11月26日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
1882年(明治15年)
サグラダ・ファミリア聖堂起工式。

1883年(明治16年) アントニ・ガウディ氏
サグラダ・ファミリア聖堂の二代目建築家に就任。


和暦  明治24年


和暦  明治31年


和暦  明治45年


和暦  大正4年


和暦  大正12年



和暦  大正15年  昭和元年


和暦  昭和9年


和暦  昭和11年


和暦  昭和28年


和暦  昭和38年


和暦  昭和51年


和暦  昭和62年



和暦  平成4年


和暦  平成8年


和暦  平成24年



和暦  令和5年


スペインの建築家アントニ・ガウディ(1852~1926)はユニークな建築で、世界中の人々を魅了し続け長らく「未完成の聖堂」と呼ばれてきた「サグラダ・ファミリア聖堂」でしたが・・・
いよいよ、完成の時期が近くなってきました。(^^♪
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滋賀・佐川美術館「ガウディとサグラダ・ファミリア展」 11月24日(金)

2023年11月25日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
昨日24日は、WEB予約していた佐川美術館開催の
「ガウディとサグラダ・ファミリア展」へ行ってきました。


堅田駅(かたたえき)

堅田駅は、滋賀県大津市真野一丁目にある
西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線の駅です。


江若交通(こうじゃくこうつう)

堅田駅から、②バス(江若交通)に乗って
びわ湖大橋を渡り→佐川美術館前へ


佐川美術館

バスは、美術館の前がバス停になっていました。

2012年11月に来た時は、Oさん(女性)の運転でした。
今回もご一緒にと思いましたが、日が決まらずにいたので
お互いの無理が無い様に各自で行くことにしました。



もう一度、行きたいと思っていた
水の上に浮かぶ芸術作品のような美術館です。



展示館の入口へは、写真左に見える橋を渡って行きます。



この左側が、展示館の入口です。



館内に入って、初めて目にしたのは・・・


ニューヨーク大ホテル計画案模型



説明版



佐川美術館 「ガウディとサグラダ・ファミリア展」

今回の展覧会は、サクラダ・ファミリア聖堂に焦点を絞って、ガウディの建築思想と造形原理を読み解くもので・・・

建造物に関する模型、写真、スケッチ、図版などから、サグラダ・ファミリア聖堂とガウディの考え方を知ることができるそうです。
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