Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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Webでの文書閲覧に新しい仕組み「iPaper」

2008-02-23 23:14:03 | Technology

 今現在、PCで使われている文書フォーマットというのは、ローカルなものを含めればそれこそ何百種類とあります。文書と言っても、例えば、テキスト平文、メールソフトの保存形式に、Wordなどのワープロ文書、Excelのような表計算、さらには印刷と閲覧に特化したPDF・・・と多岐にわたります。これらの文書は目的別に作られていますので、閲覧のためには対応するソフトウェアが必要になります。もちろん、見るだけならばPDFを利用すれば良いわけですけれど、まず変換の手間がありますし、二次利用のことを考えますと選択しにくい場合も当然、出てきます。

 となると、とりあえずメジャーどころのソフトウェアをとりあえずインストールしておき、文書ファイルはダウンロードして対応ソフトで開く・・・と言うのがもっとも自然なやり方なんでしょうけれど・・・「とりあえずブラウザ」というインターネット利用形態で、外部プログラムを動かすのは何となく煩雑です。もっとスマートなやり方は無いものか、と言うことで、こういうものが作られたようです。

文書共有サイト「Scribd」が新しい文書ビューア「iPaper」を発表 INTERNET Watch

 iPaperは、Flashで開発された100KBのアプリケーションだ。ブラウザにFlashがインストールされていれば自動的に利用でき、PDF、 Word、Excel、PowerPoint、OpenOfficeフォーマットに対応している。文書のページをタイル状に表示して好みのページにすぐに飛んだり、ページをパラパラとめくったり、フルスクリーンに拡大するなど、さまざまな方法で文書を閲覧できる。

 この「iPaper」という仕組みですが、「Scribd」という文書共有サイトに投稿されている対応文書をブラウザで、しかもばらばらのフォーマットの文書を統一的な操作感で閲覧が出来るというソフトウェア。Flash形式で100KBと大変小さく、動作も軽いのがポイントです。このあたりはAdobe Readerに比べて大きなアドバンテージですね。
 さて、その動作の秘密は、どうやらScribdに投稿してある文書を表示すると言うところにミソがあるようです。結局のところ、iPaperが行うのは表示と操作のみ。データの解釈や展開はサーバー側で行っているようです。サーバーに依存せず、オフラインでも使用できるAdobe Readerとの違いはそこになります。

 もちろん、オフラインで使えないというのはデメリットですけれど、複数のフォーマットを混在して扱えるのは大きなポイントです。Flashアプリケーションなので、特にソフトウェアのインストールも必要ないところも訴求点になりえるでしょう。今後のScribdの影響力拡大に寄与するのはもちろんでしょうが、考えたいのはその先の事。
 例えば、社内や大学の文書共有サーバーに導入したり、図書館の文書閲覧システムに応用したりなど・・・これまで、文書を統一的に扱う土台がPDFで止まっていたこともあり、iPaperのようなシステムは、需要が結構あるのではないかと思います。シンクライアントでも使いやすそうですしね。

 インターネットで世界がつながる、とはいえ、もっとも根本的なんですけれど、実は制約だらけの文書関係・・・iPaperのようなシステムがいくつか出てくることで、今後の展望が明るくなることを祈っています。



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