Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

サービスごとに通信料金徴収が実現・・・驚愕のプレゼン

2010-12-20 23:59:59 | Technology

古くは様々なアプリケーションや動画のダウンロードに始まり、WinnyやShearなどの、いわゆるP2Pソフト全盛の頃に(IT界隈で)社会問題化し、最近ではYouTubeなどの動画ストリーミングサービスが矢面に立っている問題があります。
何度も繰り返されてきたそれは、「一部のユーザー(サービス)が、帯域のかなりの部分を専有してしまっている」という、通信各社にとっては非常に頭の痛い問題です。

固定回線の世界では、かつてP2Pサービスの利用者に対して帯域制限をかけたり、あまりにも通信量が多い場合は通信速度を落としたり・・・という、ざっくりとした制限をかけていたことはありますが、技術の進歩とネット中立性の名の下に、そして、そうせざるを得ない小規模IPSから大手にユーザーが移ることで、最近はそうそう問題にならなくなっています。

しかしながら、モバイル通信の世界では、固定回線ほど帯域が潤沢に使えないと言うこともあり、相変わらず悩ましい事には変わりないようです。むしろスマートフォンの台頭で、問題は深刻化していると言えましょう。ソフトバンクがiPhoneでのWiFi使用を推奨しているのはそのためです。

さて、今後はどのような対応が考えられるか、ですが、海の向こうでは何とも恐ろしいプレゼンが、ISP向けにされたようです。

パケット監視でウェブアプリ別に通信料徴収、ISPが検討中 engadget

Facebookの利用料金は1MBあたり2セントで、Skypeは月額3ユーロ。YouTubeは月額0.5ドルだけど速度制限あり......インターネットプロパイダ(ISP)がウェブアプリやウェブサービスごとに別料金を課すなんて、どこの並行世界の話かと思われるかもしれません。しかしこの資料はAllot Communications社とOpenet社が行ったウェブセミナーで配布され、「信頼できる筋」からWIREDが入手したというもの。両社は通信帯域の制御を専門にしており、AT&TやVerizonといった大手キャリアを顧客に持つことで知られています。
つまりスライドが示すのは、我々の技術を利用すれば、定額通信料だけでなくウェブサービス別に追加の通信料を徴収できる(キャリアにとっては)明るい未来が到来するよ、という話です。

要は、ネットの中立製なんぞどこ吹く風で、重いサービスには高い通信料を・・・という、まるで10年前に戻ったかのような話です。これだと、特定のサービスへのプレッシャーにもなりかねませんし、ISPの自社サービスへの極端な優遇なんて事も普通に起こりえます。最悪、ISPが「見せたくない」サービスについては「遮断」まで出来るわけですよ。

「現状」を鑑みるに、とうていまともとは思えないですが、「将来」はそれがまともになっているかも知れないんですよね・・・
こんな馬鹿な事がまかり通る世の中になる前に、それが問題にならなくなるくらい技術が進歩するか、「誠実な大手が」救いの手をさしのべてくれるよう願っています。・・・海の向こうではAT&TやVerizonがやろうとしているのですから救いようが無いですけどねー。



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