Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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モバイルデバイスと高解像度

2011-05-21 23:59:59 | Digital Devices
 だいたい1年前、これまでの4倍にまで解像度を高め、「網膜を超えた」というキャッチフレーズを引っさげて登場したiPhone4のRetinaディスプレイ。日本のケータイとか、ライバルのスマートフォンのハイエンドからはやや遅れ気味ではありましたが、やはりベンチマーク的な機種でありますので、このあたりからモバイルデバイスでもVGA以上の解像度をもつことが当たり前になってきた感があります。

 そして、そのディスプレイの解像度的な進歩はまだ発展途上にあるようです。

東芝、4型1280 x 720画素 367ppi 液晶ディスプレイを開発。年内出荷 engadget
東芝モバイルディスプレイが、対角4インチで画素数 720 x 1280 という高精細な液晶ディスプレイを公開しました。解像度は 367ppi に達し、アップル iPhone 4 の Retina Display (約330ppi) をも上回ります。また高精細だけでなく、高コントラスト ( 1000:1)、広色域 (NTSC比 72%)、広視野角などディスプレイとしての基本性能の高さも売り。

従来は「720p 動画再生が可能」な携帯端末といっても「720p 動画ファイルをデコード可能」という意味であることがほとんどでしたが、このディスプレイでは実際に 縦 720 ピクセルをドットバイドットで表示することが可能です。


 PCの場合は表示解像度の拡大=デスクトップの拡大でしたので、作業効率に直結する大きな問題でした。しかしモバイルデバイスの場合は、アイコンなどが小さくなることで、むしろ操作性の低下を招くなど、解像度=快適さとは一概に言い切れない部分があります。現に、iPhone、Android、さらには普通のケータイに関しても、メインメニューの操作性は解像度に関わらずほぼ一定になるように設計されています。

 となると、解像度の進化がモバイルデバイスにもたらす恩恵は、動画や静止画の表示品質の向上に絞られてくるわけですけれど・・・ 「網膜を超えた」というキャッチフレーズからもわかるとおり、ある一定以上の解像度になると、ドットのガタガタ感というか、粒状感はほとんどなくなってきます。つまり、見た目的にはほとんどかわりなくなるというわけですね。

 以上から考えると、今後は解像度を向上させる方向ではなく、色域であるとか反応速度といった、それ以外の部分にスポットが当たっていくことになりそうです。一時期、競って32インチにフルHDを載せていたものの、最近は720pに落ち着いてきた液晶テレビがそうだったように。

 ・・・が、それらって、パッと見とかプレスの記事ではなかなか伝わりづらい部分なんですよねえ。今後は端末の訴求点という観点からいけば、ディスプレイは不遇の時代を歩くことになるのかもしれませんね。


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