Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

一太郎裁判、終結へ

2005-10-11 21:04:33 | PC
 以前に、一太郎のバルーンヘルプ機能に関して、松下電器が特許侵害を訴えた裁判の決着がついたようです。

「一太郎」のアイコン訴訟、ジャストシステムが逆転勝訴

「一太郎」のアイコン訴訟、松下電器が上告をしない方針を表明

 この裁判、一審では松下の勝訴となり、ユーザーである私も先行きが不安だったのですが、ここへ来て逆転判決と相成りました。松下電器側も控訴しない方針を見せ、この一連の問題は終結に向かいそうです。

 私は、ソフトウェアの特許についてはやや否定的であり、以前のLinux裁判におけるNovel社の主張についてもうんざりしていたものですが、今回このような判決が出てきて、よほどクリティカルなものでない限りは、同じような事例が出ることはないだろうと思います。

 私は、個人的にソフトウェアを作っているソフトウェア作家の一人であり・・・もっとも端っこの端っこに位置しているわけですけど、よほどそんなことはないとは思いますが、もし、自分が作ったソフトウェアが他社の特許にひっかかっているとしたら、と思うとソフトウェアを作るのに心理的なブレーキになります。
 今現在、フリーソフトウェアを取り巻く環境は、行ってみればやりたい放題な訳ですが、(もちろんソースコード盗用とかは無しにして)それだけに、「ほしいソフトは探せば見つかる」という大変うれしい環境に日本は置かれているわけです。逆に言えば、ソフトウェアで一般相手にお金を取ることは大変な事で、特許は有用だというのもわかるのですが、ここ20年くらいしか歴史のない若い業界で、新しいソフトを発表しようにも特許でがんじがらめになっており・・・なんてことになると、新しい芽ややり方が育っていかない様に思います。
 やるなとは言いませんが、もう少し業界が育つまで静観してもらえないものでしょうか・・・

 しかし、インターネットがここまで普及して、パソコンが車並みに売れている現在、ソフトウェア市場も十分に成熟したと言っても、それはそれで間違いではないような気がしますね。ただ、オープンソースでのビジネスモデルも一定の市場規模を持つようになっていることから、各社、特許に頼らないマーケティングの方向性をこれからも重視していってほしいものです。