風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』秋のツアー①

2022-10-01 16:57:06 | 全国巡回公演

9月17日~19日 「山梨県・みんなで楽しむバリアフリー演劇祭」

9月22日 鹿児島第一中学校・高校

9月26日 (長崎)向陽高校

9月27日 (熊本)御船小学校

9月29日 (大分)津久見高校

 

2022年秋の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』のツアーがスタートしました。

ツアーの始まりとなったのは、9月17日~19日に八ヶ岳名水会をはじめとする実行委員会の主催で行われた「山梨県・みんなで楽しむバリアフリー演劇祭」。劇団のバリアフリー演劇3演目を日替わりで上演するという、初めての試みでした。2日目には、大阪のインクルーシブ劇団夢屋のみなさんとも共演し、来場者が連日100名を優に超える力強い演劇祭となりました。公演には近隣施設の利用者のみなさんや、支援者の方々もたくさん訪れました。「バリアフリー演劇なら山梨だねと言われるくらい、地域に根付かせたい」という実行委員長の長田和也さんの言葉のように、誰もの感性がいきいきと弾け、また人と人とが新たに出会えるような演劇をつくっていきたいと、たくさんのエネルギーをもらった公演でした。

 

鹿児島第一中学校・高校

旅班は山梨県から15時間の大移動をして、一路鹿児島県へ。9月22日は鹿児島第一中学校・高校での公演でした。「芸術鑑賞会はしばらく実施していなかったけれど、多感な中学・高校生活の中で芸術に触れさせたい」という先生方の想いと繋がった公演です。体育館で舞台の準備を見た先生方も興奮の面持ち。先生方も一緒にわくわくしてくれる時間となったようです。公演中にはじっと視線を注いでくれた生徒さんたちも、休憩中には道具に触れたり、役者と話したりと元気な笑顔を見せてくれました。

終演後には公演の企画や進行を担ってくれた放送部・生徒会のみなさんや、空手部などの有志のみなさんがお手伝いしてくれました(写真一番上)。「3年生は3年間で最後の行事となりました。すばらしい演劇を見せていただいてありがとう」という生徒会長さんの言葉が、様々な制限のあった3年間学校を支えてきた彼らの清々しい笑顔と共にとても印象的な公演でした。

カーテンコールでは、鹿児島の特産品もいただきました!

 

(長崎県)向陽高校

少し時をおいて、翌週9月26日は諫早文化会館で向陽高校のみなさんとの公演が行われました。入場から楽しそうな笑い声が聞こえてきて、存在感のある客席。公演中もみなさんとてもリラックスして観劇してくれる様子が嬉しかったです。舞台の進行と共に聞こえる笑い声も私たちにたくさんのエネルギーを与えてくれました。

向陽高校の公演は21年に実施の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期を繰り返していました。この公演が学校のみんなで体験する大切な思い出のひとつとなることを願っています。公演後のカーテンコールでは「舞台をじっと見すぎてドライアイになってしまうくらいでした!」と嬉しく辛辣な感想もいただきました。生徒会長さん、ありがとうございました。

翌日ヘレン・ケラーの公演班は御船市に移動。5年間継続して公演を行ってきた文化庁の「戦略的芸術文化創造推進事業―未来誕生」熊本被災地公演として、御船小学校体育館でバリアフリー演劇公演を行いました。小学校の児童のみなさんは元気いっぱい。開演前には舞台を少し見学して、俳優たちとも仲良くなって、ラストシーンの指文字「TEACHER」や子守歌の手話の参加練習もして本番を迎えました。本番中も舞台に登ってくる児童さん、舞台を見つめる子どもたちの暖かい心を刻々に感じながら、少し難しい言葉でも楽しい反応に返してくれるみなさんの力に感動しました。支援クラスの児童さんも思いっきり舞台を楽しみ、一緒につくってくれましたね!公演後に「全員のサインをもらう!」と体育館を駆けまわっていた児童さんたちの姿が嬉しかったです。

 

(大分県)津久見高校

今週最後の公演となったのは、大分県の津久見高校の公演です。津久見市民会館を会場に、午前と午後の2回公演で実施しました。こちらも、20年から延期を繰り返し、今年いよいよ生徒のみなさんと出会うことができました。そして今年は学校が臼杵商業高校と統合して10周年を迎える記念の年ともお聞きしました。「ずっと公演を延期してきましたが、在学中3年に一度は文化芸術に触れる学校行事を行いたかった」始まる前の先生の言葉を重く受け止めながら、とても勇気づけられました。午前中は機械科や電気科のみなさんが観劇し、午後は商業科や普通科のみなさんの観劇でした。公演後には生徒さんたちのなかに俳優たちが入って記念撮影も行いました(写真下)。先生が「演劇を初めてみた人」を聞くと、ほとんどの生徒さんが手を挙げ、初めての体験だったことがわかりました。普段の学校生活とは違う空間で、友達の表情に、一緒に観劇する先生方との時間に、新しい発見や出会いが生まれてくれたらと願っています。

ヘレン・ケラーのツアーは始まったばかりですが、とても濃密な時間が続いています。これからメンバーも入れ替わりながら、九州地域を中心に12月まで公演が続きます。ひとつひとつの学校の想いを受けとめ、観る人ひとりひとりの活力に変えていけるよう、この時間を大切にしていきたいと思います。来週は大分県から公演がスタートです!

 

ヘレン・ケラー役 白根有子