『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』の関東・東北・信越ツアー4週目は
6月3日(月) 東京都 海城中学高等学校 小金井宮地楽器ホ-ル
4日(火) 東京都 都立八王子東高等学校 ひの煉瓦ホール
(日野市民会館)大ホール
5日(水) 福島県 県立葵高等学校 會津風雅堂
でした。
海城高等学校 2年生
ご担当の先生の合図により、盛大な拍手に包まれて開演しました。
320名余の男子生徒の真剣な眼差しが舞台上に注がれていきます。その眼差しに呼応するように、芝居も緊迫感を増していきます。
この2時間を共につくってくれた彼らひとりひとりの眼差しの向こうに、何が刻まれたのでしょうか。
計り知れない可能性が広がっていることでしょう。
終演後、劇場をあとにする皆さんをお見送りしました。それぞれ笑みを湛えていたのが嬉しかったです。
海城中学高校は、私たちの拠点劇場レパートリーシアターKAZEの近くです。ぜひ、遊びにきてくださいね。
学校のホームページには翌日、とてもすてきなコメントが書かれていました。一部を紹介させていただきます。
「約2時間の本作を観劇して痛感させられたことは、この演劇集団のパフォーマンスが観劇者の五感を刺激する、それゆえに、物を考えさせられる、否、考えざるを得ないといった状況に、いつの間にやら陥っているということです」。
八王子東高等学校
会場いっぱいの生徒さんが、自由でのびのびとした雰囲気で迎えてくれました。
開演中も、表情豊かに反応を示してくれて、とても濃密な時間を共にしました。
ここでちょっと…… 珍しいショットが撮れたのでご紹介します。クライマックスのジャンヌが火刑される場面。舞台の袖から覗いてみると、こんな感じです。
上下から赤いスポットライトで照らし出し、スタッフが舞台奥からスモークマシンで煙を出し、送風機で風向を調整し、また、別のスタッフがドレスの裾を掴んで揺らして臨場感をつくり出しています。
脚本・ストーリー・演出・俳優・舞台美術・音楽・衣裳・照明・音響などなど、多くの人の手によってつくられる舞台、その価値を最後につくり出すのが観客の皆さんです。
カーテンコールでジャンヌ役の白根が挨拶したように、客席に座ったひとりひとりの心の中に、驚きや疑問、または怒り、喜び、といった発見があってくれたら、何かの折に思い出してくれたら、と願っています。
福島県立 葵高等学校
3年前に『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』を上演した学校です。
担当の先生の合図により、元気な拍手で迎えてくれました。
上演中、客席の集中力がひしひしと伝わってきました。
終演後には、お礼の言葉と花束をいただきました。ごめんなさい、正確に覚えていないのですが、
「ジャンヌの誠実な姿が印象に残りました。これからの自分の生き方への刺激になりました」といった言葉で、とても嬉しく感じました。
校長先生も、心のこもったとても良いコメントで……と学校のホームページの校長blogに書いていらっしゃいます。
校長先生のblog、とてもすてきなメッセージです。ありがとうございます。
演劇部と有志の皆さんとで、舞台裏見学と座談会が行われました。
舞台の仕組みや、職業としての演劇人についてなど、さまざまな話題で盛り上がったようです。
多感な時期に観ていただいたこの舞台、経験が、皆さんの中で芽吹いてくれますように。
今週はこの3ステージでしたが、『ジャンヌ・ダルク』春のツアーはまだまだ続きます。
客席との出会いの一瞬を逃さないよう、いつも心がけていきたいと思っています。
木村奈津子(ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役ほか)