風のBLOG

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2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第11週目(最終週)

2018-07-22 09:53:33 | 全国巡回公演
 
5月のGW明けから始まった『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の西日本ツアー。いよいよ最終週を迎えました。例年以上に公演期間も長く、かつ密度の濃い旅公演となりました。
 
 
7月17日 倉吉農業高等学校(鳥取県文化振興財団主催)/  同校体育館
7月18日 大阪市立工芸高等学校  /  クレオ大阪中央
7月19日 四天王寺学園中学・高等学校   / 同校体育館
 
 
 
 

倉吉農業高等学校

長い桜並木を登り、清々しい緑に囲まれた学校に到着。倉吉農業高校の広大な敷地で、生徒の皆さんは野菜や果物の栽培、米づくり、畜産、食品加工などを学んでいるそうです。
公演準備の日に学校で作った大きなスイカを先生が差し入れして下さいました。甘くて美味しい!
この公演は、今ツアー4回目の鳥取県文化振興財団主催公演。倉吉農業高校が演劇部門に申し込んだのは今回が初めてとのことで、演劇を見たいという学校が増えたことに財団の皆さんも喜んでいました。
 
 
公演当日は少しでも涼しいうちにと、朝9時過ぎに開演しました。それでも7月の熱気に包まれた暑い体育館で、生徒の皆さんは最後までしっかりと一緒に公演を創ってくれました。
カーテンコールでは舞台と客席がお互いの姿に心から拍手を送り合いました。
 
 
公演後には食品科のクラスの生徒さんと先生方が片付けを手伝ってくれました。暑い中、本当にありがとうございました!
 
 
そして、学校で作った野菜たっぷりのカレーと、お土産にメロンをいただきました。
明後日には農業市があるそうです。動物や作物を育て、地域の人たちとふれあい、生徒の皆さんが喜びを感じられる経験がたくさんありますように。
 
 
 
 
 

大阪市立工芸高等学校
 
美術科とデザイン系の5つの学科がある全国で唯一の公立高校です。
私たちは2010年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』以来の久しぶりの公演でした。今回は1・2年生の皆さんが観劇しました。
公演が始まると自由な雰囲気で、一人一人が自分の感覚で物事を発見している様子が伝わってきました。
 
 
公演後には先生方の希望により、全校生徒の皆さんと座談会を行いました。劇団からはアニー・サリバン役の渋谷愛とヘレン・ケラー役の倉八ほなみが参加しました。公演前に担当の先生が「質問する生徒が少ないかも…」と心配していましたが、始まると生徒さんから次々に質問が出て盛り上がりました。美術的なことだけでなく、ヘレン・ケラーの生涯のうち少女時代に絞って上演しているのはなぜか? あなたにとって俳優の仕事って何ですか?など作品の根底に興味を持っての質問が多くありました。
 
30分の座談会が終わった後も個人的にまだ聞きたいことがある生徒さんたちが2人の周りに集まっていました。
この日は街中の会場だったので交通整理をしながら道具の搬出をしていたのですが、帰り際にたくさんの生徒さんたちが笑顔で声をかけてくれて、暑さも吹き飛ぶほど嬉かったです!
 
 
 
 
 
 
四天王寺学園中学・高等学校
 
夕方から搬入作業のため学校に到着。最新の設備と開放感のある校舎に驚きました。
四天王寺学園では新しい校舎でスタートした時から生徒が芸術や様々な分野に関心を持てるような機会をつくっているようです。「3年前にお話を聞いてからずっと風の公演を呼びたいと思っていました。やっと実現しました!」と担当の先生。
公演が始まると笑い声や真剣な眼差しで舞台に向き合ってくれた生徒の皆さん。先生や保護者の皆さんもそれぞれの立場から見て感じ、考えてくれている様子が伝わってきました。
 
 
 
先生が公演直後に「劇団の皆さんが舞台裏を見せてくれますのでホームルームが終わったら体育館を訪ねて下さい。」とアナウンスすると、たくさんの生徒さんたちが舞台に走って上がってきました。「今すぐ見たい!」という勢いでした。放課後には舞台見学と片付けを手伝ってくれる有志の生徒さんが集まり積極的に参加してくれました。また体育館の片隅では、演劇部の皆さんとヘレン役の倉八が座談会を行いました。
 
 
 
約2ヶ月半の西日本ツアー。
長年かけて公演を実現させた学校もたくさんあり、地域ぐるみで若い人たちが演劇にふれる場をつくった公演もあり、生徒の皆さんとの交流も様々な試みを行いました。西日本地域での公演の可能性が大きく広がった旅となりました。
そして一人一人の生徒さんが心の内に秘めている夢や願いや悩みと出会い、人と分かち合える場を創りたいと向かって行った毎回の公演。
ツアーメンバーそれぞれの中に、出会って来た人たちの表情や言葉が生き続けていくことと思います。
先日の大雨や地震による災害で被害を受けた地域の皆様、公演が延期となった学校の皆様にできる限り早くお会いし、演劇を通して生きる喜びを届けられるよう願って取り組んでいきたいと思います。
 
 
文  パーシー役  稲葉礼恵