風のBLOG

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2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第10週目

2018-07-17 18:03:20 | 全国巡回公演
 
蝉の音色が響き渡り、暑さと共に夏の訪れを感じる季節となりました。
「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の公演もついに10週目と二桁目に突入しました。
ブログのトップの写真は、大阪府にある大谷中学校で行われ公演のバックステージツアーの様子です!

7月8日(日) 大阪プレミアム公演 (大阪府) 摂津市民文化ホール
7月9日(月) 開星中学校・高等学校 (島根県) 松江市総合文化ホール
7月10日(火) 仁愛女子高等学校 (福井県) フェニックス・プラザ
7月11日(水) 大谷中学校 (大阪府) あべの区民センター
7月12日(木) 朱雀高等学校 (京都府) 長岡京記念文化会館

大阪プレミアム公演
今週の始まりの公演は、大阪府の摂津市民文化ホールで行われた プレミアム公演です。
西日本地域でのプレミアム公演は今回で9回目となりました。

風と先生方や人々の繋がりが膨らみ今日まで続いている西日本地域の大切な公演のひとつである今回の大阪府でのプレミアム公演。
当日の会場には、地域の方々や先生方、中学校・高等学校の演劇部の生徒さんたち、遠くからは三重県の学校から公演に足を運んでくれた生徒さんたちもいらっしゃいました。
開演前にはバックステージツアーも行われ、幅広い年代の方々が一緒になって、舞台セットの大道具や小道具、衣装、音響や照明などを劇団員、一緒に参加している家族や友人たちと言葉を交わしながら盛り上がっている様子はとても印象的でした。

まだまだこれから公演を控えている演劇部の皆さんもとても真剣に劇団員に質問をしたり、言葉に聞き入っていました。







開演前には、長年風を支え、見守り続けてくれている、NPO法人日本学校演劇教育会関西支部長の南村さんに素敵な挨拶をして頂きました。
本番が始まると、とても濃密な空気が舞台まで伝わり、時には子どもたちの笑い声や真剣な眼差しに支えられながら、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の物語が進んでいきました。
カーテンコールでは、客席から観劇をしてくれていた女の子から、素敵な花束と贈り物も頂きました。本当にありがとうございました。



また、終演後に行われた座談会では、たくさんの方々が参加して下さり、風を支え続けてくれている方のひとりである吉田さんによる劇団紹介と素敵な司会進行をして下さり、参加して下さった方々も質問だけでなく、その質問や話してくれたことを通して、一緒に話を聞いていた客席の方も自分の経験や考えや想いを一緒に話したり、語ってくれたりと、会場もとても盛り上がりをみせました。
南村さん、吉田さん、本当にありがとうございました!
人と人との想いや繋がりから生まれ、支えられ、その繋がりがまた、新たな繋がりを生むようなとても貴重な時間となりました。
今回の公演を支えて下さった方々へ心より感謝申し上げます。

開星中学校・高等学校
今週2日目は、鳥取県の開星中学校・高等学校での公演でした。
開星中学校・高等学校では、2012年の『ヘレン・ケラー』、2014年の『ジャンヌ・ダルク』を公演しており、今回で3回目となりました。
午前中の仕込みの作業の時に、舞台関係に興味があり、その道に進もうと心に決めている、高校2年生の2人の生徒さんが、舞台のお手伝いと見学に来てくれました。





舞台の構造を劇団員と一緒に見たり触れたり、また、音響さんと一緒にサウンドチェックの様子も説明をしっかりと聞いていたりと、その眼差しと姿勢から、自分が歩みたい道をしっかりと持っているのがとても伝わってきました。
また、照明の当たりを合わせる時には、モデルとして舞台にも立ってくれました。

公演が始まると、とても元気な拍手と歓声が舞台に響き渡り、『ヘレン・ケラー』の物語が進むにつれ、時には笑ったり、時にはふっと、静かに真剣な眼差しを舞台に向けていました。
カーテンコールでは、生徒会長さんから「私も、明日を生きる勇気が出ました」と素敵な言葉を頂きました。
終演後には、希望者の生徒さんたちのバックステージツアーも行われ、舞台だけでなく、楽屋の方まで足を運び、公演の隅々まで感じてくれているようでした。





撤去作業を見学しながら、最後の最後まで残ってくれた生徒さんもおり、真剣に情熱を持って、自分の歩みたい道、そして、そこでぶつかっている壁やそれでも、自分の夢を貫きたいという想いをたくさん語ってくれました。
そして、そんな熱い想いを持った生徒さんの姿を観て、先生方も「こんなに強くまっすぐな想いを持っていたのか」と驚き、見守ってくれていた姿もとても心に残りました。

仁愛女子高等学校
今週3日目は、福井県の仁愛女子高等学校での公演でした。
仁愛女子高等学校では、1994年に行った『TOUCH』の公演以来、24年ぶり2回目と久しぶりの公演となりました。



公演が始まると、1000人を超える客席からは、ぐっと空間いっぱいに、密度のある視線を舞台上からもしっかりと感じました。
カーテンコールでは、代表の生徒さんより、「ヘレンは、分からない指文字を教えられても、諦めずにいて、サリバン先生は、そんなヘレンと向き合い続けてすごいと思いました。私も将来先生を目指しているので、すごく学ぶことがありました。」と素敵な挨拶を頂きました。



終演後には、今回はバックステージツアーと座談会はありませんでしたので、会場を後にする生徒さんたちの送り出しに向かいました。
送り出しの最中、生徒さんたちから、「本当に迫力があって面白かったです」、「ありがとうございました!皆さんも頑張って下さい!」、「また、来て下さい!」と、感想や想いの込もった声を元気な笑顔と共に掛けてくれました。
送り出しを終えて、舞台へ戻ってみると、バックステージツアーの予定はありませんでしたが
、公演を観終わった後に、舞台へ興味を持った生徒さんたちが残って、自分の心のままに舞台見学を行なっていました!





何かに心をふるわせたり、自分の中に湧き上がってきたものを掴み、勇気を持って踏み出す彼女たちの姿は、本当に輝いていました!!

大谷中学校
今週4日目は、大阪府の大谷中学校の2年生と3年生の生徒さんたちとの公演でした。
風の公演は初めてとなる大谷中学校での公演。
今回の大谷中学校の公演の実施には、「どうしても風の公演を生徒たちに観せたい。」という、今回の公演を繋ぎ、支えて一緒に創り上げて下さった、ご担当の高杉先生の想いがあり、その思いと共に10年という月日を得て、実現された公演です。
開場と同時に客席からは、とても元気な声が響き渡り、これから彼らといったいどんな公演を創ることが出来るだろうかと胸が高鳴りました。
本番が始まると、舞台上で起きている一瞬一瞬の出来事を捉えるように、探究心の込もった眼差しで舞台に向き合っている姿に、私たちも支えられた公演となりました。
終演後のバックステージツアーでは、たくさんの生徒さん達が参加してくれて、ヘレン・ケラーやヘレンのお母さんのケート・ケラーの衣装などを着てみたり、食卓のシーンを真似してみたりする生徒さんの姿もありました。







 

また、劇団員たちにも臆することなく、自分から話しかけている姿からは、人や世界と真っ直ぐに出会おうとする彼らの強さをとても感じました。
 


バックステージが終わった後の座談会にも、演劇部の生徒さんも一緒にたくさんの希望者の生徒さんたちが参加してくれました。
時間の続く限り、最後の最後まで、自分たちの感じたことや思ったことをとてもストレートにぶつけ、そんな生徒さんたちのエネルギーのある姿を先生方も熱い表情で見つめていました。

朱雀高等学校
今週最後は、京都府の朱雀高等学校での公演でした。
朱雀高等学校では、2000年の『ヘレン・ケラー』の公演から続き、2009年に行われた『肝っ玉おっ母とその子どもたち』の公演から、9年ぶりの5回目の公演となりました。
なんと!朱雀高等学校の演劇部の皆さんは、全国大会への出場が決まっているそうです!!
本当におめでとうございます!!!
また、3年生は秋に行われる文化祭で演劇発表をするということで、演劇についてとても積極的に活動をされている学校でもありました。
本番が始まると、舞台上で起きていく出来事に、時には隣の友人と小声で語り合ったり、時には声を上げて反応したりと、とてもリラックスした、自由な姿で、ひとりひとりが舞台に向き合っているように感じました。
また、彼らの公演中のしっかりと舞台に向き合う姿に、終演後には、「きみたちの姿に先生は驚かされました」とご担当の池上先生は驚きと嬉しさを込めて生徒さんたちをとても褒めていました。
終演後には、演劇部の皆さん、そして、演劇発表をする3年生の代表の生徒さんたちとの、バックステージツアーとアニー・サリバン役の渋谷愛との座談会が行われました。
 
 
 
 
バックステージツアーも座談会もとても盛り上がり、そこには、演劇部の生徒さんたちは、これから待っている全国大会へ向けて、また、3年生の皆さんは、秋に行われる文化祭へ向けて、不安や壁も感じながらも、何かヒントはないか、仲間と一緒に自分たちがどういう演劇と出会えるだろうかと、とても前向きな姿勢で向き合っている姿がありました。
 
 
残念ながら、13日に予定していました岡山県の岡山御津高等学校での公演は、豪雨の影響で予定していた会場となる体育館を使用することが出来なくなってしまった為、延期となりました。
皆様のご無事をお祈りすると共に、岡山御津高等学校の皆様と出会い、共に公演を創ることが出来る日を心よりお待ちしております。
 
記録的な豪雨により、多くの悲しみや不安を残していった西日本の地域。
心よりご冥福とご無事をお祈りすると共に、私たちが出会ってきた、公演を支え共に創り上げて下さった先生方、“今”という時間を可能性に溢れた未来へ向けて、命を輝かせながら生きる若い観客たちの姿や想いを胸に、これからも人と人との繋がりと出会いの旅を続けていきます。
 
文:倉八ほなみ (ヘレン・ケラー役)