風のBLOG

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2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第9週目

2018-07-07 11:03:06 | 全国巡回公演

7月に突入し梅雨も明け、ひときわ爽快な青空とともに『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の旅は第9週目に突入しました。

7月3日(火) 飛騨神岡高校(岐阜県) 同校体育館
7月4日(水) 善通寺第一高校(香川県) 多度津町民会館
7月5日(木) 琴平高校(香川県) 多度津町民会館


飛騨神岡高校

第9週目初日は岐阜県、飛騨神岡高等学校。
たくさんの山に囲まれ、自然豊かな地域であり、心地よいそよ風も吹いていて爽やかなスタートをきりました。

飛騨神岡高校では1993年に『Touch 』、96年には『星の王子さま』、2011年に『ヘレン・ケラー』、2015年には『ハムレット』と5回目の公演です。

バックステージは本番前と終演後に分かれており、まずは公演前のバックステージが始まりました。
一人一人が様々な所に興味を持ち、ポンプや背景幕、舞台装置の下、そしてこの舞台装置をどうやって運んでいるのだろうとトラックの中も見学しました。
中には「ヘレンケラーの伝記を読みました。最後のシーンがどう演じられるのか楽しみにしています。」と声をかけてくれた生徒さんもいて、私たちも本番でみんなと出会い、何を創っていけるのかとワクワクしました。









そして待ちに待った本番。
公演中、彼らが舞台に向ける視線や姿勢は一緒にヘレン・ケラーを作ろうという強いものや舞台に投げかけられる疑問などを感じました。
カーテンコールでの生徒代表の挨拶では「自分たちが普段使っている体育館が新しい空間になっていてとても感動しました」と話してくれ、彼らが大切にしている日常的なものやその日常に突然現れたものを受け入れる彼らの素直な感性を肌で感じました。

終演後は3年生の男子全員と有志の皆さんとバックステージと撤去作業をしました。
バックステージでは役者に成りきり台詞を言ったり、劇団員に舞台の構造や工夫を質問したりと、一人一人が活き活きと舞台を楽しんでいました。









撤去作業も声を掛け合って劇団員とコミュニケーションを取ったり、積極的に動いて道具に触れたり、時には質問を投げかけて、今日自分達が過ごした時間や過ごしている時間をとても濃いものとしていこうとする姿があり、様々な言葉や笑顔で溢れた空間でした。












善通寺第一高校

第9週目2日目は8時間の大移動を終え、善通寺第一高等学校での公演。

この学校では去年公演が予定されていたのですが、台風の影響で延期となり先生や生徒、劇団員もとても悔しい思いをし、絶対にまた公演をしましょう!という強い想いを持って、1年間待ちに待っての公演です。



開演前の様子です。
元気に開場し「おぉー!」と声が聞こえたり、じっと舞台を見つめてる姿があり、公演を楽しみに待っていてくれたのが伝わってきました。
その姿を見ていると去年の悔しい思いがふと晴れて、本番に向かって気が引き締まりワクワクしました。

開演すると開演前の雰囲気が一変、
集中した眼差しと緊張感のある客席で舞台に立ちながら観客の存在感をひしひしと感じ、様々な事を思考する空間を作り上げてくれました!
終演後、担当の先生も同じように生徒さんたちの集中した姿勢や観る力を感じたようで、興奮気味に生徒たちに「みんな素晴らしい姿勢で観ていたと思います。今日感じた事を大切にしで下さい」と声をかけていました。

終演後はバックステージと座談会もおこないました。
バックステージ、座談会には演劇部の皆さんが参加しました。
ポンプや玄関を見て「おぉーすげぇ」と、間近で見ると本番中とはまた違う驚きがあると伝えてくれました。
驚いた後はすぐにポンプ土台や玄関、衣裳などはどうやって作ったのか詳しくきいていました!






実際に衣裳を着て舞台に上がってみました!


座談会では劇団に入ったきっかけや照明の仕込み方、ハプニングが起こった時の対処の仕方などたくさんの質問をして劇団員の話を聞いてました!





この日の公演は去年の悔しさから先生方や生徒さん、多度津町民会館のスタッフのみなさん、劇団員などたくさんの人の力が1つになってできた公演だったと思います。
素敵な一日になりました。




琴平高校

第9週目3日目は琴平高等学校。

琴平高校は2015年「ジャンヌ・ダルク」の公演に続き、2回目の公演です!

写真は開場中の様子です。
男子生徒も女子生徒もみんなが仲睦まじい様子で、とても賑やかな雰囲気で開演しました!



本番中はヘレンとアニーが取っ組み合いをしているシーンではクスッと笑ったり、ポンプから水がでると驚くような反応があり、ラストシーンでは前のめりになって観ている生徒さんも見えて、一人一人が様々な反応を持って色んな視点から舞台を観ているのが印象的でした!
終演後の代表の生徒さんの挨拶では、「サリバン先生がヘレンに触れ合い続けてヘレンが変わっていく姿に感動しました。」と芝居を観て感じた事を綺麗な花束と共に率直に伝えてくれました!



そして終演後は役者全員で送り出しをしました。
サリバン役の高階やヘレン役の倉八に感想を伝えてくれたり、お父さん役の酒井に「お父さん!」と言って手を振ったり、とても明るくて元気をもらいました。





そして、5日の午後に予定していた「丸亀城西高等学校」、6日の午前に予定していた「多度津高等学校」、6日の午後に予定していた多度津町民会館主催「多度津中学校」での公演は、非常に残念ながら大雨、洪水の影響で中止となりました。
去年に続いて天候に恵まれず、悔しい思いもありますが、まずは地域の皆さんの安全が最優先です。
被災地の皆さんのご無事をお祈りするとともに、また元気な姿で改めて出会える事を劇団員一同願っています!

文:蒲原智城 (ジェイムス・ケラー役)