勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ブラック・スキャンダル / Black Mass

2016年01月31日 | 洋画(アメリカ系)
実話を下にした映画。FBI史上最悪の汚職事件を描いている。

ネタバレあり(?)

アメリカの映画で、ギャングと警察(この作品では、FBIだけど)が癒着しているという話はよくある。そう言う設定の映画が数多く描かれるというのは、実際にそう言う事が少なからずあると言う事を示している訳ですが、20世紀初期のアル・カポネじゃあるまいし、まさか21世紀も見えてきた時期にそう言う出来事があるとはねぇ。驚きました。まぁ、アメリカは1960年台も、公民権運動で悩んでいた時期もあるので、こう言う前近代的と言う出来事は、珍しくないのかな。

ギャングのジェームズ・バルジャーと悪徳FBI捜査官ジョン・コノリー、そして、政治家でありジェームズの弟のビリー・バルジャーの三人組が“悪党”と言うことになるのでしょうが、ジェームズとジョンは数多く描かれていますが、ビリーの悪行は明示的には描かれていません。ビリーって、何をやったんでしょうね?最近赤丸急上昇キーワードの『口利き』する役割?政治家の『口利き』は、前TPP担当大臣の辞任にも繋がりましたが、ギャングの張本人が居るんで、政治家の『口利き』って必要だったのかな?でも凄いと思うのが、アメリカのような国で、いやアメリカのような国だからなのかもしれないけど、凶悪犯(と思われる人物)の弟が、州議会上院議員に当選するというのは・・・。兄は兄、弟は弟。“罪を憎んで人を憎まず”なのかもしれないけど、日本だと、そう言う背景のある人が議員に当選するのは、地方議会でも無いんじゃないんでしょうか。

不思議なのが、なんでFBIはバルジャーを泳がし続けたんでしょう?ジョンがハンドラーとしてコントロールしていた、コーサ・ノストラの検挙というもっと大きな目標があった等々、様々な理由があるのだとは思いますが、それでもねぇ、バルジャーの犯罪に関する様々な情報が入ってきていたんでしょうから、そのまま泳がせ続けるというのは・・・。まぁ実際、連邦検察官が交代してから、バルジャーの犯罪に目が向けられて、一味は検挙されたということになるんでしょうけどね。それでもなぁ。マグワイアFBI主任捜査官は何をしていたんでしょうね?

中々見応えのある作品でした。

タイトル ブラック・スキャンダル / 原題 Black Mass

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 スコット・クーパー
出演 ジョニー・デップ(ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー)、ジョエル・エドガートン(ジョン・コノリー/FBI捜査官)、ベネディクト・カンバーバッチ(ビリー・バルジャー/ジェームズの弟、州議会上院議員)、ロリー・コクレイン(スティーブン・フレミ/ジェームズの腹心)、ジェシー・プレモンス(ケビン・ウィークス/ジェームズの手先)、デビッド・ハーバー(ジョン・モリス/ジョン・コノリーの仲間のFBI捜査官)、ダコタ・ジョンソン(リンジー・シル/ジェームズの一人息子の母親で恋人)、ジュリアンヌ・ニコルソン(マリアン・コノリー/ジョンの妻)、ケビン・ベーコン(チャールズ・マグワイア/FBI主任捜査官)、コリー・ストール(フレッド・ワイシャック/連邦検察官)、ピーター・サースガード(ブライアン・ハロラン/殺し屋)、アダム・スコット(ロバート・フィッツパトリック/FBI捜査官)、ジュノー・テンプル(デボラ・ハッセー/スティーヴン・フレミの義理の娘にして愛人)、ジェレミー・ストロング(ジョシュ・ボンド)、ブラッド・カーター(ジョン・マッキンタイア)、W・アール・ブラウン(ジョニー・マルトラーノ/ジェームズお抱えの殺し屋)