勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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特捜部Q 檻の中の女 / Kvinden i buret

2015年01月24日 | 洋画(その他)
ネタバレあり。

2007年の発表後欧米で大人気となった北欧ミステリーの映画化。

実はたまたま図書館で原作を見かけて読んでいました。アメリカ、イギリスのミステリーとはちょっと違う雰囲気の作品。地理的にドイツに隣接していることもあり、緻密なドイツミステリーの雰囲気も感じる原作でした。そんな原作が、どの様に映像化されるのか・・・!

前半は、概ね原作通りですね。ですが終盤は流石に簡略化されていましたね。

原作では、二回最後の現場に赴くんですが、映画では最初に行った時に、一気に片付けると言う描写になっていました。だから、ミレーデが発見された時、カールが海軍の出動をいきなり要請するという描き方になったんですが、原作ではこれの説明もきちんとされているんですよね。原作では、そこまでの推理で、ミレーデが高圧下に晒されていて常圧に戻ると減圧症が発症することが推定さたので、潜水艦や潜水士などを要していることから減圧症対策設備を持つ海軍の協力を得ようという話があるんですよ。映画だと、その件がなくていきなり海軍を呼んでくださいという事になるので、わからないと思います。

あと、映画だと、ミレーデは減圧症の影響も無い上に、ウフェがミレーデに会うために病院に来るようになっていましたが、原作では、ちょっと悲観的な終わり方になっていて、ミレーデは一命は取り留めるものの、減圧症の影響もある様な描写になっていて、逆にミレーデがウフェと同じ療養所に居る描写になっていました。まぁ、本だと原作の描き方でもいいかもしれませんが、映画化に際しては少しでも明るい内容に変更したのかも。

それと、概ね原作通りと記しましたが、アサドの設定が若干変わっている気がします。そもそも彼は、警察職員かもしれませんが、警察官ではないので、警察手帳を持たないというのが原作上の設定でしたが、映画では警察手帳風のものをアサドももっていました。

面白いと思ったのが、地下室。本で読んで想像したのとは違う地下室でした。倉庫から、きちんとした部屋に変わっていましたね。なるほど、あんな感じの地下室なんだ。

原作は、いま5作目まで出ており、3作目の『特捜部Q Pからのメッセージ(原題:Flaskepost fra P.)』まで映画化されているようです。日本でも公開してほしいなぁ。

タイトル 特捜部Q 檻の中の女 / 原題 Kvinden i buret
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2013年/デンマーク
監督 ミケル・ノルガード
原作 ユッシ・エーズラ・オールスン
出演 ニコライ・リー・コス(カール・マーク)、ファレス・ファレス(アサド)、ソニア・リクター(ミレーデ・ルンゴー)、ミケル・ボー・フォルスガード(ウフェ・ルンゴー/ミレーテの弟)、ソーレン・ピルマーク(マークス・ヤコプセン/殺人捜査課課長)、トロールス・リュービュー(ハーディ・ヘニングセン/カールの元相棒)

[2015/01/24]鑑賞・投稿