勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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英国王のスピーチ / The King's Speech

2011年02月27日 | 洋画(イギリス系)
現女王エリザベスII世の父王ジョージVI世の物語。

ジョージVI世となれば、兄王エドワードVIII世に触れないわけには行かないでしょう。『王冠を賭けた恋』と言われたわけですが、その煽りを受けて国王になったのが、ジョージVI世と言う事になります。

この作品の深いところは、英国人の役には英国人かアイルランド人、オーストラリア人の役にはオーストラリア人の俳優が配役されています。日本人には判りにくいことですが、イギリス英語とオージー英語の違いがありますからねぇ。また、エリザベス王妃を演じたヘレナ・ボナム=カーターは上流階級の出身。上流階級には上流階級の話し方もありますしね。出身地や、育ちのリアリティを追求したのだと思います。

驚かされるのが、タバコに関する認識。ジョージVI世の吃音の治療の一環としてなのか、タバコは喉の緊張を弱めるとか言って、タバコが奨励されていたりします。もっとも、ライオネルは体に良くないと言って吸わせまいとしますが。こう言うことも、時代による認識の違いなんですかね。

エドワード王子のケイト・ミドルトンさんとの婚約という慶事に湧いているイギリスですが、チャールズ皇太子の評判がイマイチであるとか、ヘンリー王子の素行が良くないとかと言うこともあり、王室を取り巻くイギリスの世論には厳しい物があります。この時期にこの映画が公開されたのは偶然なのでしょうが、そう言うイギリス世論が背景にあるのか?と勘ぐりたくもなります。

第83回アカデミー賞には、作品賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・監督賞を含む、全12部門にノミネート。まぁ、見てみると、その理由はよくわかりますね。よく出来た話です。って言うか、基本的には実話ですが。

[2011/02/28]追記
結局、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞を受賞しました。納得ですね。ちなみに、前評判の高かった『ソーシャルワーク』は、脚色賞、編集賞、作曲賞。こちらも、まぁ、妥当じゃないんでしょうか。

タイトル 英国王のスピーチ / 原題 The King's Speech
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2010年/イギリス・オーストラリア
監督 トム・フーパー
出演 コリン・ファース(ジョージVI世)、ジェフリー・ラッシュ(ライオネル・ローグ)、ヘレナ・ボナム=カーター(エリザベス王妃)、ガイ・ピアース(エドワードVIII世)、マイケル・ガンボン(ジョージV世)、ティモシー・スポール(ウィンストン・チャーチル)、デレク・ジャコビ(コスモ・ラング大主教)、ジェニファー・エール(マートル・ローグ/ライオネル夫人)、アンソニー・アンドリュース(スタンリー・ボールドウィン)、ロジャー・パロット(ネヴィル・チェンバレン)、イヴ・ベスト(ウォリス・シンプソン)

[2011/02/27]鑑賞・投稿 [2011/02/28]追記