ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】セールスマンの死

2022年05月01日 | 演劇

セールスマンの死】

作 アーサー・ミラー

演出 ショーン・ホームズ

2022/4/23 パルコ劇場

アメリカ、ニューヨークのブルックリン郊外に住む

63歳のセールスマン、ウィリー・ローマン(段田安則さん)

長年セールスマンとして働き続けたが、近年は売り上げも落ち

ローンの完済まであと少しというところで、肩たたきにあっているが

自分は会社に必要とされている、という思いをあきらめらずにいる。

精神的に追い詰められ、交通事故を起こしたり、と不安定な日々を送っている。

妻リンダ(鈴木保奈美さん)はそんな夫を尊敬し、献身的に尽くしているが

夫の不安定さを心配し、自立できない二人の息子達(福士誠治さんと林遣都さん)にも心を痛めている。

ついにクビを宣告されて途方に暮れたとき

二人の息子たちがついに自立して事業を始めるといい、

大きな希望を抱いたのもつかの間、

夢は大きく崩れ始め、すべてに行き詰ったウィリーは・・・

この戯曲が描いている時代は1949年

時代はずいぶん違うけれど

パンデミック後、働き方が大きく変わり、

それまでのやり方が通用しなくなってきた今、

同じような想いの人たちがたくさんいるはず

ウィリーは過去の栄光にとらわれ、

差し伸べられた手をプライドが許さずに振り払い

息子たちに過剰な期待をして去られ、

どんどん自分の首を絞めていく

アナログからデジタルへ移行したころ

かたくなに現実を受け入れない人たちが周りに結構いた

ウィリーと同じような人たちを何人見てきただろう

受け入れがたくても受け入れなければ前に進めないってことが

どうしてわからないのだろう、と

歯がゆい思いで見ていたものだ

どんなに時代が変わっても

きっとウィリーは存在するんだろう

時に居丈高に怒鳴り、

新しい上司に親の時代の恩を売り、

友人の助けを断り・・・

場面場面でいろいろな表情を見せる段田さん。

その姿にイラついたり、同情したり、切なくなったり・・・

夫に献身的に尽くしながらも、時折イラついて

「いいからさっさとやってくれないかな~」的な語調になる鈴木保奈美さんに

あるある、そういうこと、と妙に感情移入してしまう

二人の息子のダメダメっぷりに

思わず母親の気持ちになっちゃった自分がイライラする

お父さんがこんなに困ってるんだからちゃんと働きなさい!って・・・

ラストで大きな冷蔵庫の中に吸い込まれるように入っていく段田さんの

悲哀に満ちた背中がなんとも言えず苦しくなる

なんとも救いのない終わり方でもやもやしたまま劇場を後にする

命を絶つかどうかは別として、

でもこれが現実なんだよな~

きれいごとじゃないんだよな~

などと妙に納得したり・・・

この日お付き合いしてくれたのは

私の同級生のお嬢さん

息子たちとほぼ同年代だけれど、2児のママでもある。

ときどき遊んでくれるのだけど、

娘のいない私には至福の時間

スタバで待ち合わせて、ヴィーガンランチをいただく、なんて

息子たちとじゃありえない

舞台の内容は重かったけど

楽しい時間でした

実はこの日は、一昨年から学んでいるコーチングの勉強会だった。

勉強会の日程がコロナの影響で延期になってこの日になったため

既にチケットを買っていた私は舞台を優先してしまった。

ホントなら彼女とお茶でもしたかったところだけど

懇親会からの参加もOKと言うことだったので、

劇場のあるパルコで彼女と別れて、

懇親会の会場のある田町に向かったのでした

えて、


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