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2009年東大本試第2問 北イタリア諸都市

2020年04月20日 | 論述問題
2009年東大本試第2問  

人口集中地としての都市は、古来、一定地域の中心として人々の活動の重要な場であり続けてきた。それらの都市は、周囲の都市や農村との関係に応じて、都市ごとに異なる機能を果たしてきたが、ある特定の地域や時代に共通する外観や特徴を示す場合もある。以上の点をふまえて、次の3つの設問に答えなさい。解答は、解答欄(ロ)を用い、設問ごとに行を改め、冒頭に(1)~(3)の番号を付して記しなさい。
 
問(3) 西ヨーロッパでは、11世紀ころから商業活動が活発化し、さびれていた古い都市が復活するとともに、新しい都市も生まれた。(a)地中海沿岸や北海・バルト海沿岸の都市のいくつかは、遠隔地交易によって莫大な富を蓄積し、経済的繁栄を享受することになった。(b)また、強い政治力をもち独立した都市のなかには、その安全と利益を守るために、都市どうしで同盟を結ぶところも出てきた。下線部(a)・(b)に対応する以下の問いに、冒頭に(a)・(b)を付して答えない。

 (a) 地中海における遠隔地交易を代表する東方交易について、2行以内で説明しなさい。
 (b) 北イタリアに結成された都市同盟について、2行以内で説明しなさい。


解き方と解説
(a) この問題では東方交易を「地中海における遠隔地貿易の代表」と位置付けています。つまり「地中海を舞台」とした「遠隔地貿易」という意味合いから「東方交易」を説明する必要がありそうです。 また「遠隔地交易によって莫大な富を蓄積し、経済的繁栄を享受することになった」とあるのでこれを具体化してルネサンス期の繁栄まで書く必要があると判断できます。
東大世界史ではこのように「何を書くのか?」を自分で判断せずに問題文から読み取ることが重要です。また、リード文から記述する時期がわかります。つまり11世紀から北イタリア諸都市が繁栄した15世紀くらいまででしょう。
つぎに60字以内の記述なので、3つ程度の重要語句を考えます。
交易の担い手:北イタリア諸都市とカイロのカーリミー商人
扱った商品の特徴:香辛料などの小さくて軽い付加価値が高い商品
交易の結果:ルネサンスの繁栄を築いた

(b) 高校世界史の知識からロンバルディア都市同盟を記述します。しかしすぐに書き始めずにもう一度リード文・問題文を見たいところです。東大世界史には模範解答が存在するようです。つまり解答は1つ。そのためには記述を限定する必要があります。そのためにリード文・問題文があるわけです。リード文に「周囲の都市や農村との関係」「共通する外観や特徴」とあり、問題文に「強い政治力をもち独立した都市」とあります。したがってこの問題が求めているロンバルディア都市同盟の説明は以下の点でしょう。
周囲の都市や農村との関係:コムーネ
共通する外観や特徴:都市を囲む城壁
強い政治力:都市貴族による共和制
独立した都市:ミラノを中心として神聖ローマ帝国皇帝に対抗して結成した



 






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