次の文中の に最も適当な語を語群から選び,また下線部に関する問いに答え,記号にマークしなさい。
共和政末期のローマは対外的に発展する一方で,国内では①閥族派と平民派の対立が激化し,やがて②内乱の時代を迎えた。その内乱の終結は,③オクタヴィアヌスによってもたらされた。彼はその功績によって,元老院よりアウグストゥスの称号を付与され,軍事・行政・司法の全分野における国政を一身に担うこととなった。これは実質的には,ローマの共和政の終焉と帝政の始まりを意味した。これ以後,アウグストゥスの称号は歴代の皇帝に受け継がれ,なかにはローマの大火をきっかけにキリスト教徒をローマ帝国として最初に迫害した イ のような人物も現れたものの,④⑤五賢帝時代の末期までローマ帝国は平和と安定を享受することとなった。そして,⑥ダキアを属州としたとき帝国の領土は最大となり,総人口も6000万人程度にまで膨れ上がったといわれる。
一方,文化・思想面においては,先人のギリシア人を凌駕するような独創的な功績を残せなかったと評されるものの,ローマ人は,自分たちの言語である⑦ラテン語の普及に努めた。とりわけ ロ の文体はラテン語の模範とされた。また,ローマの上流社会においては,ヘレニズム時代に起源をもつ ハ の哲学が実践倫理として流行した。
[語 群]
イ a.プトレマイオス b.ネロ
c.ディオクレティアヌス d.カラカラ
e.アントニウス
ロ a.エピクテトス b.セネカ
c.ストラボン d.ホラティウス
e.キケロ
ハ a.ストア派 b.マニ教
c.新プラトン主義 d.ミトラ教
e.エピクロス派
[問 い]
① 閥族派に属する人物はだれか。
a.マリウス b.クラッスス c.スラ d.グラックス兄弟
e.ブルートゥス
② 内乱の時代(紀元前2世紀末~紀元前30年)におこった出来事でないものはどれか。
a.スパルタクスの反乱 b.ザマの戦い
c.ミトリダテスの反乱 d.第1回三頭政治
e.同盟市戦争
③ オクタヴィアヌスに関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.アウグストゥスは「尊厳者」という意味である。
b.アクティウムの海戦に勝利し,レピドゥスを破った。
c.プリンケプス(「第1の市民」)と自称した。
d.カエサルによって養子に指名された。
e.第2回三頭政治を担った一人である。
④ 五賢帝に含まれない皇帝はだれか。
a.マルクス=アウレリウス=アントニヌス
b.アントニヌス=ピウス c.ネルヴァ
d.ハドリアヌス e.コンスタンティヌス
⑤ 五賢帝時代に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.当時の政治体制は元首政であった。
b.「ローマの平和」(パックス=ロマーナ)が謳歌された。
c.ローマ市民権が帝国全土の自由人に与えられた。
d.インドと地中海を結ぶ季節風貿易で,アジアから香辛料や絹などが輸入されるようになった。
e.領土が最大となったのはトラヤヌス帝の時である。
⑥ ダキアの主要部が,現在属している国はどれか。
a.ブルガリア b.ハンガリー c.ルーマニア d.スロヴァキア
e.スロヴェニア
⑦ ラテン語で著わされた作品でないものはどれか。
a.リヴィウスの『ローマ史(ローマ建国史)』
b.タキトゥスの『ゲルマニア』
c.マルクス=アウレリウス=アントニヌスの『自省録』
d.プリニウスの『博物誌』
e.ヴェルギリウスの『アエネイス』
【解答1】
イ b ロ e ハ a
① c ② b ③ b ④ e
⑤ c ⑥ c ⑦ c
共和政末期のローマは対外的に発展する一方で,国内では①閥族派と平民派の対立が激化し,やがて②内乱の時代を迎えた。その内乱の終結は,③オクタヴィアヌスによってもたらされた。彼はその功績によって,元老院よりアウグストゥスの称号を付与され,軍事・行政・司法の全分野における国政を一身に担うこととなった。これは実質的には,ローマの共和政の終焉と帝政の始まりを意味した。これ以後,アウグストゥスの称号は歴代の皇帝に受け継がれ,なかにはローマの大火をきっかけにキリスト教徒をローマ帝国として最初に迫害した イ のような人物も現れたものの,④⑤五賢帝時代の末期までローマ帝国は平和と安定を享受することとなった。そして,⑥ダキアを属州としたとき帝国の領土は最大となり,総人口も6000万人程度にまで膨れ上がったといわれる。
一方,文化・思想面においては,先人のギリシア人を凌駕するような独創的な功績を残せなかったと評されるものの,ローマ人は,自分たちの言語である⑦ラテン語の普及に努めた。とりわけ ロ の文体はラテン語の模範とされた。また,ローマの上流社会においては,ヘレニズム時代に起源をもつ ハ の哲学が実践倫理として流行した。
[語 群]
イ a.プトレマイオス b.ネロ
c.ディオクレティアヌス d.カラカラ
e.アントニウス
ロ a.エピクテトス b.セネカ
c.ストラボン d.ホラティウス
e.キケロ
ハ a.ストア派 b.マニ教
c.新プラトン主義 d.ミトラ教
e.エピクロス派
[問 い]
① 閥族派に属する人物はだれか。
a.マリウス b.クラッスス c.スラ d.グラックス兄弟
e.ブルートゥス
② 内乱の時代(紀元前2世紀末~紀元前30年)におこった出来事でないものはどれか。
a.スパルタクスの反乱 b.ザマの戦い
c.ミトリダテスの反乱 d.第1回三頭政治
e.同盟市戦争
③ オクタヴィアヌスに関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.アウグストゥスは「尊厳者」という意味である。
b.アクティウムの海戦に勝利し,レピドゥスを破った。
c.プリンケプス(「第1の市民」)と自称した。
d.カエサルによって養子に指名された。
e.第2回三頭政治を担った一人である。
④ 五賢帝に含まれない皇帝はだれか。
a.マルクス=アウレリウス=アントニヌス
b.アントニヌス=ピウス c.ネルヴァ
d.ハドリアヌス e.コンスタンティヌス
⑤ 五賢帝時代に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.当時の政治体制は元首政であった。
b.「ローマの平和」(パックス=ロマーナ)が謳歌された。
c.ローマ市民権が帝国全土の自由人に与えられた。
d.インドと地中海を結ぶ季節風貿易で,アジアから香辛料や絹などが輸入されるようになった。
e.領土が最大となったのはトラヤヌス帝の時である。
⑥ ダキアの主要部が,現在属している国はどれか。
a.ブルガリア b.ハンガリー c.ルーマニア d.スロヴァキア
e.スロヴェニア
⑦ ラテン語で著わされた作品でないものはどれか。
a.リヴィウスの『ローマ史(ローマ建国史)』
b.タキトゥスの『ゲルマニア』
c.マルクス=アウレリウス=アントニヌスの『自省録』
d.プリニウスの『博物誌』
e.ヴェルギリウスの『アエネイス』
【解答1】
イ b ロ e ハ a
① c ② b ③ b ④ e
⑤ c ⑥ c ⑦ c