問1 下線部Aに関する次の文章1~4のなかから,誤りを含む文章を1つ選び,解答欄 (1) にその番号をマークしなさい。
1.スペイン支配下のネーデルラントでは,スペイン王フェリペ2世によるカトリック強制と自治権の制限に反発するカルヴァン派の貴族・市民が,オラニエ公ウィレムを指導者とする反乱をおこした。南部10州はやがてスペインに屈服したが,北部7州はユトレヒト同盟を結んで戦いを続け,独立を勝ち取った。
2.ドイツでは,皇帝カール5世がイタリア戦争やオスマン帝国の脅威に対処するために一時ルター派に譲歩したが,再び反ルター派の態度を明らかにすると,ルター派の諸侯はこれに抗議し,シュマルカルデン同盟を結成した。その後,アウクスブルクの宗教和議により,カトリックとルター派のいずれをとるかの選択権が諸侯に与えられることとなった。
3.フランスでは,新旧教徒の対立がユグノー戦争に発展し,それはサンバルテルミの虐殺などをともないつつ,30年以上にも及んだ。王位についたブルボン家のアンリ4世は,自らは新教から旧教に改宗する一方,ナントの勅令でユグノーにも信教の自由を与えることで新旧両派の融和を図り,この戦争を終息させた。
4.自らの離婚問題をめぐって教皇と対立したイギリス国王へンリ8世は,首長法を制定してイギリス国教会を創設し,『一般祈祷書』を公布して国教会独自の教義を定めた。また彼は,カトリック教徒の多いアイルランドに対する征服戦争を行って当地の修道院領やカトリック貴族の領地を没収し,広大な王有牧羊場を囲い込んだ。
正解 4
選択肢の吟味・・・慶應経済の選択肢の特徴は、文が長いことにある。ただし、着目すべきは、「選択肢の個々の用語の正誤」よりも「選択肢の文中の事実と事実の関係の正誤」にある。たとえば、事実A「自らの離婚問題をめぐって教皇と対立したイギリス国王へンリ8世は,首長法を制定してイギリス国教会を創設し,『一般祈祷書』を公布して国教会独自の教義を定めた。」と事実B「彼は,カトリック教徒の多いアイルランドに対する征服戦争を行って当地の修道院領やカトリック貴族の領地を没収し,広大な王有牧羊場を囲い込んだ。」の事実Aと事実Bのそれぞれの用語に間違いはないが、ヘンリー8世が事実Bを行ったということは聞いた事はないはず。アイルランド遠征は1649年のクロムウェル。
1.スペイン支配下のネーデルラントでは,スペイン王フェリペ2世によるカトリック強制と自治権の制限に反発するカルヴァン派の貴族・市民が,オラニエ公ウィレムを指導者とする反乱をおこした。南部10州はやがてスペインに屈服したが,北部7州はユトレヒト同盟を結んで戦いを続け,独立を勝ち取った。
2.ドイツでは,皇帝カール5世がイタリア戦争やオスマン帝国の脅威に対処するために一時ルター派に譲歩したが,再び反ルター派の態度を明らかにすると,ルター派の諸侯はこれに抗議し,シュマルカルデン同盟を結成した。その後,アウクスブルクの宗教和議により,カトリックとルター派のいずれをとるかの選択権が諸侯に与えられることとなった。
3.フランスでは,新旧教徒の対立がユグノー戦争に発展し,それはサンバルテルミの虐殺などをともないつつ,30年以上にも及んだ。王位についたブルボン家のアンリ4世は,自らは新教から旧教に改宗する一方,ナントの勅令でユグノーにも信教の自由を与えることで新旧両派の融和を図り,この戦争を終息させた。
4.自らの離婚問題をめぐって教皇と対立したイギリス国王へンリ8世は,首長法を制定してイギリス国教会を創設し,『一般祈祷書』を公布して国教会独自の教義を定めた。また彼は,カトリック教徒の多いアイルランドに対する征服戦争を行って当地の修道院領やカトリック貴族の領地を没収し,広大な王有牧羊場を囲い込んだ。
正解 4
選択肢の吟味・・・慶應経済の選択肢の特徴は、文が長いことにある。ただし、着目すべきは、「選択肢の個々の用語の正誤」よりも「選択肢の文中の事実と事実の関係の正誤」にある。たとえば、事実A「自らの離婚問題をめぐって教皇と対立したイギリス国王へンリ8世は,首長法を制定してイギリス国教会を創設し,『一般祈祷書』を公布して国教会独自の教義を定めた。」と事実B「彼は,カトリック教徒の多いアイルランドに対する征服戦争を行って当地の修道院領やカトリック貴族の領地を没収し,広大な王有牧羊場を囲い込んだ。」の事実Aと事実Bのそれぞれの用語に間違いはないが、ヘンリー8世が事実Bを行ったということは聞いた事はないはず。アイルランド遠征は1649年のクロムウェル。