2018年上智TEAP
問題
設問2 上記の文章からすると,ヨーロッパ統合については,これを加速させる要因と抑制する要因が見受けられる。この2つの要因を250字から300字で述べなさい。
設問3 上記の文章からすると,ヨーロッパ統合には2つの異なる形態が見受けられる。この形態に対するイギリスの立場を明示しながら,なぜイギリスがEU脱退の決定に至ったのか,イギリスのそれまでのヨーロッパ政策を振り返り,250字から300字で説明しなさい。その際,以下の用語をすべて使い,その用語に下線を引くこと(同じ用語を複数回使用する場合には,下線は初出の1箇所のみでかまわない)。
〔用語〕
移民, 自由市場経済, 国民投票, 国家主権, 共通通貨
2018年上智TEAP
解答例
設問2
西ドイツは冷戦下、ソ連の軍事的脅威にさらされソ連軍が駐屯している東側陣営と国境を接していた。フランスは普仏戦争と2つの世界大戦でドイツの軍事的脅威にさらされたため対独戦争を回避するための方策として統合を進めた。両国は安全保障上の課題が統合を加速させた。一方、日米が経済成長をする一方でイギリスは「イギリス病」に陥り、巨大な市場を形成する必要があった。(175字)
統合を抑制したのは国民国家の主権を重視する思考やその伝統・文化を保持したいという欲求であった。1989年冷戦が終結したため統合を加速する要因は薄らいだ。一方、イスラム圏が政治的に不安定になると移民や難民が急増し、EU域内で移動の自由を制限する動きに繋がった。(125字)
設問3
2つの形態とは経済的統合と政治的統合の形態である。イギリスは前者に対し、ヒト・モノ・資本・サービスの移動の自由を容認した。後者に対しイギリスは一定の距離を置き、自国の通貨を維持するなど主権を保持した。(100字)
EU離脱の背景は、旧植民地からの移民に加えイスラム圏からの移民の増加への反発である。EUの移民政策は低賃金労働者の流入に対する反発を生み、イスラム文化やテロへの脅威を助長するもととして反発を受けた。(97字)
生きない関税の撤廃、労働力の自由な移動、共通関税など市場を統合させたEECが1958年に成立。これに対抗したイギリスは1960年EFTAを創設したが失敗に終わった。しかし1973年ECに加盟した。サッチャー退陣後にEUに加盟した。(99字)
問題
設問2 上記の文章からすると,ヨーロッパ統合については,これを加速させる要因と抑制する要因が見受けられる。この2つの要因を250字から300字で述べなさい。
設問3 上記の文章からすると,ヨーロッパ統合には2つの異なる形態が見受けられる。この形態に対するイギリスの立場を明示しながら,なぜイギリスがEU脱退の決定に至ったのか,イギリスのそれまでのヨーロッパ政策を振り返り,250字から300字で説明しなさい。その際,以下の用語をすべて使い,その用語に下線を引くこと(同じ用語を複数回使用する場合には,下線は初出の1箇所のみでかまわない)。
〔用語〕
移民, 自由市場経済, 国民投票, 国家主権, 共通通貨
2018年上智TEAP
解答例
設問2
西ドイツは冷戦下、ソ連の軍事的脅威にさらされソ連軍が駐屯している東側陣営と国境を接していた。フランスは普仏戦争と2つの世界大戦でドイツの軍事的脅威にさらされたため対独戦争を回避するための方策として統合を進めた。両国は安全保障上の課題が統合を加速させた。一方、日米が経済成長をする一方でイギリスは「イギリス病」に陥り、巨大な市場を形成する必要があった。(175字)
統合を抑制したのは国民国家の主権を重視する思考やその伝統・文化を保持したいという欲求であった。1989年冷戦が終結したため統合を加速する要因は薄らいだ。一方、イスラム圏が政治的に不安定になると移民や難民が急増し、EU域内で移動の自由を制限する動きに繋がった。(125字)
設問3
2つの形態とは経済的統合と政治的統合の形態である。イギリスは前者に対し、ヒト・モノ・資本・サービスの移動の自由を容認した。後者に対しイギリスは一定の距離を置き、自国の通貨を維持するなど主権を保持した。(100字)
EU離脱の背景は、旧植民地からの移民に加えイスラム圏からの移民の増加への反発である。EUの移民政策は低賃金労働者の流入に対する反発を生み、イスラム文化やテロへの脅威を助長するもととして反発を受けた。(97字)
生きない関税の撤廃、労働力の自由な移動、共通関税など市場を統合させたEECが1958年に成立。これに対抗したイギリスは1960年EFTAを創設したが失敗に終わった。しかし1973年ECに加盟した。サッチャー退陣後にEUに加盟した。(99字)