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2020年慶応義塾大学経済学部問題

2020年12月31日 | 高3用 授業内容をもう一度
第1問 
問2 下線部Bに関連して,次の文章を読んで,以下の(1),(2)に答えなさい。

 1582年に,九州のキリシタン大名3名の名代として,伊東マンショら4名の少年が長崎港を出発した。日本からの使節は,ポルトガルの植民地の港を経てリスボンに入り,1584年にマドリードでスペイン国王フェリペ2世に,翌年にローマで教皇に謁見したのち,1590年に帰国した。その後,仙台藩主伊達政宗の家臣支倉常長が派遣され,ローマで教皇に謁見した。しかし,支倉常長が帰国した時には,キリスト教は禁教となっていた。

(1) 下線部 に関連して,使節が日本とローマの往復の途上寄港した場所の位置として適切なものを,地図中の1~9から4つ選び,番号が小さい順に左から記入しなさい。



(2) 下線部 が在位していた期間に起きた出来事を,次の1~6の中から3つ選び,番号が小さい順に左から記入しなさい。
1.セルバンテスの『ドン=キホーテ』前編が刊行された。
2.ネーデルラント北部7州が独立を宣言した。
3.ポトシで銀鉱が発見された。
4.ポルトガルとスペインの同君連合が成立した。
5.西まわりのアジア航路を目指したマゼランがフィリピンに到達した。
6.レパントの海戦でオスマン帝国軍が敗れた。


2016年度入試から慶応経済の問題が大きく変わっています。共通テストの「思考力・判断力」を見る問題に非常に似ているため、共通テスト対策に活用できます。とくに何が「知識」として求められていて、「思考力・判断力」が問われているのはどの部分なのか、を考えることが共通テスト対策では重要でしょう。その例としてこの設問を取り上げます。

(1)共通テストでチェックすべきは、リード文中の年代・地名・出来事です。かならず印をつけることが大切で、これを「指さし確認」といいます。センター試験ではリード文を読まなくても解ける問題がほとんどでしたが。
では、リード文に目を移すと、最初に1582年とあります。つまり16世紀末ころにポルトガルが支配していた植民地を地図中から探せばよいことになります。16世紀末のポルトガル植民地はどこかという「知識」に加えて、これを探せばよいのだということに気づくという「思考力・判断力」が求められています。

(2)この問題もフェリペ2世から考えるのではなく、リード文の1584年から考えることに気づく「思考力・判断力」が必要です。というのもフェリペ2世の在位期間という「知識」があるかです。1556年に即位したことは「知識」ですが、いつまでかを覚えていない受験生も多いでしょう。そこで1584年がヒントになります。少なくとも1584年までは在位していたと「判断」できるからです。あとは選択肢の中で1556~1584年の間に入るものを3つ選ぶだけです。選択肢2・4・6は「知識」として基本レベルです。選択肢1は「知識」として求められていないことがわかります。



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