Reflections

時のかけらたち

ファビオ・ルイージのフランス音楽 ・・・ French music by Fabio Ruisi and Pascal Rogé

2023-05-21 23:19:16 | music

5月20日 



NHK交響楽団 第1984回 定期公演  Cプロ 2日目 NHKホール
指揮:ファビオ・ルイージ  ピアノ:パスカル・ロジェ

サン・サーンス/ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 作品103「エジプト風」
フランク/交響曲 ニ短調

アンコール 
サティー作曲  グノシエンヌ 第2番  ピアノ パスカル・ロジェ
(初日のアンコールはジムノペディ1番)

ファビオ・ルイージらしい滑らかにすべる音楽。

サン・サーンスとフランクの音楽はどことなく軽やかでした。初めて聴くこの2曲はとても魅力的でした。現代曲に
近いのでポピュラー音楽に近い感じで楽しめました。

聴き逃し配信で今再び聴きながら・・・ あの音のうねりを思い出します。
いろいろ思い出しますが、ピアノの音がどこかでハープをひいているか、え、木琴の音かと思うくらい
スタッカートが効いていたり、何かピアノと言う楽器の多様性を引き出しているような・・
サン・サーンスのこの曲はタイトル通り、エキゾチックでした。

この音のうねりはファビオ・ルイージを初めて聴いたR.シュトラウスで感じたのと同じです。あの時のオケはウィーン
交響楽団でした。ルイージがオーケストラをひっぱっていくこのこの感じ。演奏するのはN響。N響の力をどれだけ
引き出せるかが指揮者の力量です。逆を言えばどれだけルイージについて行けるかです。

パスカル・ロジェのアンコールのグリシエンヌもすごくよくてさすがフランス物と思いました。
聴いているうちになぜか自分とは何なのだろうと自分に突き当たってしまいました。素晴らしいものはすべて外にあり
そこにアプローチする私は何者でもない・・何もない ・・無。

Pascal Rogé Plays Erik Satie's Gnossienne No. 3(Lent)

2番はなかったので3番で。

Pascal Rogé — “Gymnopédie No. 1”, Erik Satie

 

パスカル・ロジェは私と同年代のピアニストで若い頃から知っています。ジャン・フィリップ・コラールとか聴きに
行ったことがありますが、ミッシェル・ベロフが一番印象的だったかも。

フランクは最近チェロでも聴きましたが、ファビオ・ルイージの指揮はメリハリが効いていて気持ちがいいです。
第1楽章の美しいテーマが何回も繰り返しながら最終楽章でも華々しいフィナーレと進みます。
交響曲の一つがまるで人の一生のようにも思えました。

 


音楽は聴きながら音楽自体もそのメロディーや流れを楽しむ時間の芸術ですが、宇宙とか自分とか愛した人たちを
思い出させるノスタルジックなセンチメンタルな部分もあります。新しい世界に触れるのも楽しみです。


拍手の止まない感動を与えてくれたコンサートでした。

次回はノセダと庄司紗矢香、楽しみです。

 

May 20 2023  NHK Hall (Shibuya)

コメント
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