“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

旧字体の勘

2013-01-23 22:52:31 | 日記
こんばんは。

職場では国公立二次・私大対策が始まりました。
某大学の漢文は、旧字体や異体字が混在した状態で出題されます。
受験で必須の「与」→「與」なんかは知らないと困ることでしょう。

過去問の答案を採点していると、記述問題で、旧字体のキーワード(今回は「宝」の旧字体)を含んだ部分は、やはり書けていませんでした。
そこで漢検要覧から旧字体の頁を印刷し、勉強方法の説明を加えながら配布しました。生徒も配られた瞬間、「これ漢検のですか?」と質問。いざというときは、下手な参考書や細かい便覧より漢検や語検の参考書の紙面が見易いので、物量をこなしてほしいときには良い資料になることも多いんです。
(一生懸命教材編集していらっしゃる方、ごめんなさい。)

「旧字体の中で一番わかんないのが、旧字体の『旧』の字なのよ~、探してみて」

と言ってみたところ、目ざとい生徒が見つけた瞬間、
「す、すごい」
と苦笑したので、みんなもどこどこ?と、その生徒が教えた頁を見始めました。
「あ、ほんとだ」
「なにこれ」
と彼らは口々に驚嘆していて、こちらからそれを見ているとちょっと楽しかったです。

「旧」の旧字体は「舊」。知らないと余りに想像がつきませんよね。
大学でしろねこが文献を見ていて一番喫驚(びっくり)した字がこれです。
最終的に、なんであんなに簡単な字体になったんでしょうか。

しかし、今いきなり過去の形式に戻って旧字体に直す問題が出題されたら、きっと全然書けないだろうな……こわいこわい。
出題形式の枠に囚われない発想力と語彙力をつけないとなあ。
人生常に油断大敵、ですね。

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