“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

入試漢文より

2012-03-23 07:42:03 | 日記
おはようございます。
久しぶりに朝に投稿します。

年度末のため、ここ連日、放課後は
通知表の備考欄、指導要録の総合所見を入力し続けています。
基本的に短所は書かないことになっていますが、
客観性を失わないように、
長所と克服面を公平に記録するのは
毎度の事ながらなかなか難しいです。
因みに上司数人のチェックが入りますが、
訂正を受けることは殆どない(あっても文法面)ので、
自分の文面は一応無難だと受け取って問題ないようです。
とはいえ油断は禁物ですけどね。

来たる年度末の保護者会を前に通知表は完了し、
要録も漸く終わりが見えてきました。

一方授業は来週前半までですが、
今はあちこちの私大の過去問を課題にしては採点し、正答率を出して解説しています。
漢文は時々しか出しませんが、
今日はその中で
しろねこが「これは」と感じた語を脈絡なく挙げてみます。
実は、普段からもっとこういうことを記事にしたいのですが、なかなかできていないのが実情です。

挙げている語は熟語のみ、
訓読みは入りません。
1級配当漢字かどうかは無頓着です。
多くは本文左注にある語です。


■上智大学『十八史略』
・「商[手偏+寉]」(しょうかく)=はかり比べる。
・「登遐」(とうか) =崩御。

■立教大学『世説新語』
・「中表」(ちゅうひょう)=いとこ。
★語源を知りたいのですが、
調べることができていません。
・「府君」(ふくん)=郡の長官クラス以上の人を呼ぶ敬称。
・「師資」(しし)=先生。
・「奕世」(えきせい)=代々。
★検定で慣れている分こういう語は却って普通に見えます(笑)
・「了了」(りょうりょう)=利口で聡明。
・「[足偏+叔][足偏+昔]」(しゅくせき)=恐れ入る。

■國學院大学『孔子家語』
・「[奇+欠]器」(きき)=傾いた器。
・「宥坐」(ゆうざ)=座右。
・「喟然」(きぜん)=嘆息するさま。

■日本大学『荘子』
・「櫟社」(れきしゃ)=神社のくぬぎの木。
・「文木」(ぶんぼく)=立派な木。
・「果[草冠+瓜瓜]」(から)=木や草の実。
・「[手偏+「倍」の右側]撃」(ほうげき)=打ちのめす。

今日のところは以上です。
いつも思うことですが、
字形の面白さのみならず、
日本語訳したときに、どの品詞に相当するかを一瞬考えるのも楽しいです。

漢検要覧を購入しました。

2012-03-18 20:10:15 | 日記
こんばんは。

朝の水溜まりに氷が張ることも少なくなってきた今日この頃、
子供の頃と違い、
立ち止まって心行くまでその氷の厚さ・割れ具合と、
下に潜む水の比率を楽しむことを、
人目(特に前後を歩く生徒)を気にして躊躇いながら、
遂に一度も実行出来ずに
春を迎えそうです。


さて少し前ですが、
2月末に予約注文していた
『漢検要覧』(前身は『漢検必携』)1級/準1級対応のものを、
漸く書店に取りに行きました。

挟んである葉書のアンケートには
早速答えて投函しました。

全体的に以前の必携より
二色刷りの効果を意識して
見やすくしたなあという印象です。
小豆色のトーンが優しく、何とも視覚的に癒されます。
配当漢字の部首が、
同じ部首の漢字が複数のページに渡っても
目立って分かりやすくなっていたり、
国字に以前より紙面を割いていたりします
(国字は以前は小さめの活字で一気に見渡せるというメリットがありましたが、
配当級や字形は今のほうが掴みやすいかと思います)。

巻末の1級/準1級用漢字音訓索引では、
純粋に配当漢字の中で
同じ音の漢字が一気に抽出できるので、
使いようによっては非常に便利です。

今回は常用漢字の改定に伴い、
特に2級の配当漢字が大きく変わったので、
実際の検定試験がどういうふうに変わるのか、楽しみですね。


ところで数日前には
漢検生涯学習ネットワークから、
会員通信と、漢字の魅力についてのアンケートが届きました。
腰を据えて目を通せたのは昨夜でした。
こちらのアンケートも記入して、
今日FAXしました。

ネットワーク会員の
在住地域・年齢層・合格級のデータがありましたが、
いずれにおいても
しろねこは多数派ではないようです。
多数派ではないからこそ、
そのポジションを守るものとして
より確り実力をつけなければいけないなと思いました。

合格証書を受け取りました。

2012-03-09 18:41:11 | 日記
今晩は。
しばらく記事の更新ができず、ご無沙汰しておりました。

合格を知った後から、
また黙々と仕事を続けてきたしろねこでしたが、
潜伏期間の長い風邪を引き、
思うように体が動かず、
目は涙目、
咳が悪化し、
抵抗力が下がったところで
アレルギーもひどくなり、
体が浮腫んで酷いことになりました。
今峠を越したかというところですが、
明日は関東へ出張があり頑張るしかなく、
家族にも風邪をうつしてしまい、
散々な状態で放っておいたので、
昨日遂に、家族と自分のために職場を休みました。

しろねこはここへきて
正直ひどく疲れているらしく、
己の精神的・物理的な限界に気付き始めております。
(読者の方々にご心配をお掛けする気はありません。
純粋な現状観察の意味で書いているに過ぎません。)
もともと危機感がなくのんびりやな質なのですが、
流石に現在の状態は改善しないと取り返しがつかず、自分が潰れてしまうかも知れないという予感がします。
ここまで努力してきた漢検も、
本当にできなくなってしまうかもしれません。
しろねこは人生の曲がり角にきているのかもしれません。
周りの親しい人達は
向こう見ずなしろねこに
以前から注意を喚起してくれているのですが、
本人の心に到達するのはある日突然、という具合です。

それはさておき、
自宅に届いていた1級合格証書を
通勤駅の郵便局に転送してもらい、
今日先程やっと受け取ることが出来ました。
結果は167点でした。

前回の自己採点(169点)と照らし合わせた結果、
書き取り11「贓物」を間違っていたようです。
字形?もしや蔵の草冠を無意識に書いたか…
答えは藪の中です。

よくできているところとして、
全問正解の語選択書き取りと、
1ミスの当て字・熟字訓書き取りが
挙げられていました。

不出来なところは
合格者平均とのグラフを見ると、
二字熟語・一字訓読みと
諺でした。

これで合格7回目となりました。
これまでの経緯を振り返ると、
平成17年度第3回から19回挑戦して、

平成18年度第1回
平成20年度第1回
平成20年度第3回
平成21年度第1回
平成21年度第3回
平成22年度第2回
平成23年度第3回

の計7回合格となりました。
勝率としては甚だ覚束ないところです。
正答率もさることながら、
この合格回数はなんとかしたいものです。
やはり生活の見直しでしょうね。

あっという間に2月が過ぎ、
3月も中旬に差し掛かっています。
担当していた高校2学年も終わりに近づき、
少しずつ私立滑り止めを意識した過去問題を課題で出し始めています。
今日は上智の漢文を解いていて、
「登遐」(とおい天に登る意・「崩御」の類義語)に出会い、
ふと漢字の字面に久々に安らぎを覚えました。

ニュースをみると
14年連続で国内自殺者が3万人を越えているとあり…
例年は3月がピークだが、
昨年は5月がピークだそうで、
震災の影響か検討するとのこと、
動機の1位は健康上の問題、
2位は経済・生活上の問題なのだそうです。

自分は自殺を願望しているわけではありませんが、
何か紙一重のところを最近強く感じます。
どう生きるべきか、
仕切り直しの必要を漠然と感じているしろねこなのでした。