“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

R1-2語検詳細結果

2019-12-23 23:09:29 | 日記
こんばんは。怒濤の師走中旬を突っ走るしろねこです。今年も、私の好きな冬至の日が過ぎ去っていきました。先週は、朝自宅を出る6:20が次第に暗くなっていくのが分かりました。でも今朝からは、また日に日に明るい時間が長くなっていくのですね。

前回の記事で触れた語検の団体カルテが先週届き、自分の各分野の正答率が判りました。

総合 88.7%

敬語 81.3%
文法 100.0%
語彙 92.9%
言葉の意味 88.9%
表記 82.6%
漢字 84.6.8%

でした。
カルテの下部に、「総合および領域別所見」という欄があります。しろねこの「総合」の所見欄には、

かなりの総合力が身についていますが、僅かながら知識や応用力の不足が見られる領域があります。今後は、その領域についてきめ細かい勉強を続け、レベルアップを目指しましょう。

とありました。処々の勉強が日々先延ばしになってしまっているのが見事に明るみに出ている。本当に診断のとおりです。

団体カルテの場合、全受検者(←自分と同日に団体で受検した人のみが対象)の最高得点率と最低得点率を見ることができます。
今回の1級の場合は、

最高得点率 93.2%
最低得点率 0.0%
平均得点率 63.8%

だそうです。因みに、中高一貫は分けてデータが示されますが、最高も最低も平均もしろねこと同じ数字が並んでいるところを見ると、その括りで受検したのは、どうやらしろねこだけのようです。
得点率ごとの点数者層も示してあり、1級の全受検者の場合は、

0-9% 0.4%
10-19% 0.6%
20-29% 2.7%
30-39% 1.5%
40-49% 6.9%
50-59% 18.9%
60-69% 34.1%
70-79% 27.8%
80-89% 7.0%(しろねこ含)
90-99% 0.2%
100% 0.0%

ということでした。個人受検者も含めると、どうなりますことやら。

間違えた問題を改めて見直してみると、まだまだ勉強不足だったり、瞬時の判断力が働いていなかったり。そもそも単語帳レベルで系統だった対策ができていないために、知識の抜け落ちがひどかったなあ、と改めて思い知らされます。本番で9割とれるようなトレーニングを日々怠りたくなかったのですが、ギリギリまで仕事優先の日々は変わらず、記憶の残骸と直前の過去問での肩慣らしだけで終わってしまいました。

しろねこが間違った語彙の例を簡単に紹介します。

・敬語:「ご【?】所」に「両」を入れるのが正解なのに、しろねこは「両」と悩んで「双」を入れてしまった。

・敬語:(飛行機に)「乗り込む」と「搭乗する」を取り違えた。正解になるのは、相手に対して使う、後者。

・敬語:「顧慮」と「斟酌」を取り違えた。正解になるのは、「当方の事情を」という直前の表現に合う、後者。

・言葉の意味: 「十把一絡げ」を適切に使用している例文を、「一網打尽」などがふさわしい例文と取り違えた。

・表記:「一目諒然」と「捕り者帳」を「○」として答えてしまう。正しくはそれぞれ、「一目瞭然」と「捕り物帳」。

・漢字:7つの例文中の傍線部の熟語について、その熟語を構成する対照的な意味を表す漢字の一方が、実質的な意味を負っているとは言えないものを3つ選ぶ問題。「情理」「寒暖」「緩急」「多少」「苦楽」「恩讐」「進退」のうち、「緩急」と「多少」は正解したが、「恩讐」を「進退」と取り違えた。

・漢字:「柳暗花明」を適切に用いている例文が選べなかったのと、「明【?】保身」に「哲」を埋められなかった。

・総合:言葉の意味:「素封家」の意味(大金持ち)を、「名士」と取り違えた。

・総合:言葉の意味:「滋味を【?】」に「掬す」を選ぶべきところを、「喫す」と取り違えた。


以上です。本当に未熟者です。
最近、さまざまな雑誌の読破に傾倒しがちで、言葉についてのハウツー本を読み耽ることから多少遠退いているので、読みかけやら積ん読状態になっている本にも手を延ばしてみようと思います。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい成績ですね (Yuki)
2019-12-24 21:55:08
改めまして、日本語検定1級認定おめでとうございます。
1級であれだけの得点率とは、相当な日本語力をお持ちだと思います。しかも領域毎でバランスよく取れていらっしゃるところも素晴らしいです。
私はまだ準1級すら認定されず、まだまだ力不足を感じます。
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有難うございます。 (しろねこ)
2019-12-25 00:58:56
Yukiさん、お久しぶりです!
コメント有難うございました。自分はいつもそうなのですが、やはり敬語の正当率が低くなってしまいます。それこそ、文豪の書簡集などに目を通すとか、具体的な手段を得て勉強したいと思いつつ、行動に移せておりません。
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Unknown (eric_henderson)
2019-12-25 08:16:02
大変ご無沙汰しております。凛太郎です。私はすっかり漢検からも語検からも離れてしまいましたが、しろねこさんはご多忙の中でも変わらぬ研鑽ぶり。本当に頭が下がります。
いよいよ冬本番ですね。風邪など召されませんよう、どうぞご自愛ください。(^^
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有難うございます。 (しろねこ)
2019-12-25 21:57:45
凛太郎さま、こちらこそご無沙汰しております。

凛太郎さまは、おそらく変体仮名の世界に遊ぶ日々を送っておいでなのでしょうね。
私は、同じことの繰り返しになっている漢検にも、ちゃんと向き合いたい気持ちはまだ残っているので、火を絶やさなくて済むように、仕事に折り合いをつけていきたいです。
慌ただしい年の瀬、くれぐれもご自愛ください。
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Unknown (はやぶさ413号)
2020-04-02 11:00:24
初めまして。岩手在住の漢検1級リピーター、はやぶさ413号と申します。どうぞよろしくお願い致します。
この度の語検1級認定誠におめでとうございます。私も1級認定を目指して昨年より3級から受検し、昨年度の第2回試験において2級に認定していただきました。今年度第1回試験での1級受検を予定しております。
つきましては、1級の受検にあたって、しろねこさんからのアドバイスを頂戴できればと存じます。お忙しい中で大変恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い致します。
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アドバイスと言えるほどではないのですが…… (しろねこ)
2020-04-08 21:05:41
はやぶさ413号 さま

コメント有難うございました。ご返信が遅くなり申し訳ありません。
今回私の受検までを振り返ると、検定日までの数週間(それまではなんの対策にも取り組めず)にできたのは本当に最低限のことで大した内容ではなく、改めてアドバイスできることとなると、いつか仕事が入らない土曜日に受検するために、教師生活で長期的に心がけてきたことくらいです。そんなわけで、なかなかまとまらないまま日が過ぎてしまいました。

まず受検直前の数週間で私がしたことですが、

★溜めていた1級の過去問約5年分(つまり10回分)を新たに解いて(特に時間は計らず)答え合わせ、軽い見直し
★3訂版練習問題集1級の3訂版を新たに解いて答え合わせ、軽い見直し
★改訂版領域別問題集の1・2級を解いて答え合わせ、軽い見直し
★5年ほど前の受検までに解いていたものの軽い見直し(ノートに切り貼りしてファイルにしていたもの)
★増補改訂版テキスト・例題集「日本語」上級の、自分に必要なところに軽く目を通す(私の場合は、特に語彙や言葉の意味、送り仮名のあたり)

です。
どれも「軽く」でした。

私はテキストに書き込まない派で、後でノートに貼れるように、すべて見開きをB4コピーにして解いています。漢検は問題と解答を書写することが容易なので毎回そのようにしていますが、語検はそうもいかないので……。とりあえず時間もないので、問題を一瞥してあまり考えないように瞬発力で解いた上で、陥りがちなケアレスミスのチェックを含め、丸つけはすぐしました。あとは解説等、目につくべき復習箇所はなるべく範囲を短くしてマーカーを引いておき、受検直前に目を走らせるようにしました。

できなかったことは、解いた問題の間違ったところについて、解説を読んで終わらせずに、日本語検定委員会が出しているもの以外の資料を見つけて関連知識を確認する、ということと、単語帳発展編の見直しをする、ということです。時間が取れなくて完全に無理でした。解いた問題の切り貼り整理も、未だにしていません。

受検者には大きく分けて、出版されているすべての公式問題集やテキストにまずは目を通す私のようなタイプと、最初から公式の出版物にとらわれず、自由に日本語関連のものに触れていて実力がついているタイプの2通りがあると思います。

語検は自由に問題形式を変化させていく傾向があるので、公式の出版物にしてもほかのものにしても、それに対応できるような知識の取り入れ方を考えながら、各領域に相当する日本語の表現を頭に入れていくことが必要だと思います。

はやぶさ413号さまは語検の2級認定者で、漢検1級リピーターでもいらっしゃるということですので、語検1級の漢字領域では、然程お困りになることもないかと存じます。そのほかの領域の力をどのようにつけていくかですが、どのくらいの過去問を、各領域を意識してどのくらい解いていらっしゃるでしょうか? そして苦手分野、ご自身の弱点をどのように分析なさって、どのような資料に目を通されているでしょうか?

因みに私の場合は、前回の受検の頃には敬語の書籍に関心をもって、複数目を通すようにしていました。普段基本的な敬語は使いこなせているつもりですが、逆に使わないところの適切な判断であるとか、知らない敬語の語彙の知識に関しては今でも力不足で、全領域で最も満点に近づきにくいのは、私の場合は以前から敬語領域であったからです。
最近は、慣用句・故事成語・諺をカバーしたい欲求が強くなっています。たとえば昨年は、円満字二郎氏の『故事成語を知る辞典』(小学館、2019年11月12日初版第1刷発行)全ページに目を通して、知識の穴を前よりは埋めた感じがありました。

最近は『美しい日本語選び辞典』(学研プラス、2018年10月23日初版発行、2018年12月21日初版第2刷発行)の内容を網羅するのがいいかなと思いながら、まだ具体的な着手はできていません。

漢検リピーターが語検受検で切り替えるべきところは、「漢語<和語」の意識ではないかと思うので、普通ひらがなでしか示されない語彙に関しても、とりわけ意識して体にしみ込ませるようにしていました。『単語帳発展編』は、そのよい資料であると思います。

あとは、これは総合問題の「筆者の主張を的確に読み取る問題」にダイレクトに繋がってくることだと思いますが、「つまり、何が言いたいのか」「つまりそれらの表現で、何が伝えられているのか」に関心を向け続けるということを、常に心がけてきました。

私の仕事は教員なので、生徒が分かりにくいと感じたらその時点で負けです。教科の授業や試験の作問ができる能力だけではなくて、ちゃんと仕事をしようと思ったら通常のクラス運営や生徒指導・特別支援等でカウンセリング能力をかなり要求されます。私の場合、もともと個人的に心理的な分析やカウンセリング・会話術・人生相談等に関心があるので、「これは為になる」と思った書籍や講演や放映は、なるべく積極的に閲覧・聴講するようにしています。それらの表現内容をくみ取ることは勿論、それらを表現している著者や話者自身にも関心を寄せて、その人の表現の焦点の絞り方や目的意識を学ぶことによって、自分が言葉を使用する時にはどのように表現を絞ったり緩めたりしていけばよいかを模索します。

で、検定においては、出題されたものをこのような視点で読み取り、正解を選択するわけです。主張をつかむ問題で、以前よりも自分の正答率が上がったのは、教師人生が長くなった分、そういうことがより明確かつ臨機応変にできるようになったからなのかな、と感じています。漢検の勉強では、言葉の背景にある思想等に触れることはあってもあくまで語彙レベルの要素が語検より強いので、その辺の感覚のシフトを受検前に意識するようにはしています。

……ご返信をお待たせした割に、至らない点もあるかと存じますが、現在お伝えできるのはこのくらいでしょうか。また何か思い出したことが出てきましたら、こちらのコメントにアップするようにいたします。

はやぶさ413号さまが目標の認定の日を迎えられますよう、心よりお祈りしております。
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このR1-2語検で受賞しました。 (しろねこ)
2020-04-08 22:45:40
2月に、今回の結果から、読売新聞社賞優秀賞と、日本語検定委員会賞をいただいた、という連絡を受けました。
思いがけなかったので驚いたとともに、9割未満の正当率でのことで、堂々と胸を張れない気持ちもあります。
だだ、日本語検定委員会賞の、自分の名前入りのクリスタルガラスの盾があまりに(物理的に)重いので、理屈抜きで「もっとがんばんなきゃなあ……」という気持ちにはさせられました。
また真面目に取り組んでいきたいです。
返信する
ダブル受賞おめでとうございます。 (S@toshi)
2020-04-18 14:32:51
偶然、日本語検定のHPを見ていたところ、しろねこさんが読売新聞社賞優秀賞と日本語検定委員会賞を受賞していたので、嬉しくなってコメントしてしまいました。
このブログに初めてコメントしてからもう10年くらい時が経ちましたね。
漢検1級の勉強方法を教えていただき、日本語検定に興味を抱いたのもしろねこさんの影響でした。
私は今違う分野に興味を抱き頑張っています。
これからもお互い頑張っていけたらいいですね。
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ありがとうございます。 (しろねこ)
2020-04-18 17:56:10
S@toshi 様

お久しぶりです。S@toshi様がお元気でいらっしゃるのがうれしいです。
そしてお祝いのコメントをありがとうございます。自分の結果に、そのように心を動かしてくださることに救われています。
書いてくださったとおり、S@toshi様とやりとりして10年ほど経つのですが、S@toshi様がそのときの気持ちを変わらずもってくださっているのは、S@toshi様が今ご興味のある分野を、昔と変わらず頑張る姿勢をお持ちだからなのだと思います。そのようなS@toshi様に敬愛の念をもって、私ももっと努力しないといけないですね。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます!
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うれしい返信ありがとうございます。 (S@toshi)
2020-04-18 18:16:59
しろねこ様
嬉しくてすぐ返信しお恥ずかしい限りです((笑)
まだ、今後もお話しできるようお願いいたします。

今日は嬉しい日となりました。
ありがとうございます。
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