“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

今年もあと…

2010-12-26 23:39:05 | 日記
今年もあと残すところ5日となりました。

出勤日もあと2日。
大晦日まで受験生と一緒にいた昨年を思うと、今年度は別の意味で気を張った一年間だったなあ、としみじみ思い巡らされます。
…ととっ、あと2日あるので、気を抜かないようにしよう。


ところで前回ご紹介した、大修館書店HPの別館「漢字文化資料館」漢字Q&Aは、ほんっっとに面白く、その1から読み始めて、現在その5を読破中です。

ともすれば仕事をそっちのけにして読み耽りそうになるのですが(笑)、これまでなんとなくしっくりこなかった、漢字に対する細かい疑問点に臨む自分の姿勢が随分と改善された気がします!

以前(今年夏の終わりの記事)、07年東京ビデオフェスティバル受賞作品「漢字テストのふしぎ」を、しろねこの卒業生が紹介してくれたと書きましたが、その中での「その字だとわかればよい」という文科省の方の説明にも、感覚的に納得がいき始めました。

また、当用漢字や常用漢字に対するイメージも、よりしっかりと持つことができてきました。

さらに、各辞典の引き比べ方のイメージも再確認しました。
しろねこも大学生だった当時(←国文学出身)は、中国哲学講読などの講義の準備のために、あの重たい黒表紙の「大漢和辞典」を、こわごわ図書館で引いていたものですが、漢検を始めてからも、自分が「大漢和辞典」を持っていたとしても使いこなせる気がしない、と思っていました。
でも今回Q&Aを読んでみると、漢字をより自由な感覚で眺めることができそうな気がしてきました。

勿論大修館書店さんの解説なので、多少の宣伝効果もあるのでしょうが(笑)、漢検トップ層では「大漢和辞典」をお持ちの方も多いようなので、いずれはしろねこも…という憧れが前々からあったのも事実。

しろねこは小さい頃から漢字に浸っていたわけではないので(←小さい頃はキノコ図鑑と海の生物図鑑に没頭)、どうしても今後長い時間を掛けて、漢字の知識・感覚を自分に浸透させることを考えねばならないのですが、今回Q&Aを拝読していてその気力が湧いてきました。

しろねこなりに、焦らず気取らず漢字に突入し続けたいと思います。

「支度」と「仕度」

2010-12-19 00:48:48 | 日記
先日、学校行事にまつわる文集を校正したものの直しをチェックしていたら、ある発見がありました。


ある生徒が書いた文中で、準備する意味の「したく」を、しろねこは「仕度」という表記で校正していたのですが、それが印刷会社の方の入力では「支度」となっていたのです。

身近な辞書では「支度」と「仕度」どちらの表記も可とあり、しろねこも深いこだわりがあって「仕度」にしたわけではないので、じゃあ別に「支度」でもいっか~、と一度は通過しようとしました。

でも、なんだかやっぱりすっきりしない。

そこで、さらに突っ込んでPC検索してみました。すると世の中にはやはり同じ疑問を抱いた方がおいでになるのですね。

その方の質問は、大修館書店HP別館の、「漢字文化資料館」にある、漢和辞典編集部に寄せられた漢字Q&Aコーナーのページにありました。Q0482です。
↓↓↓↓↓
http://www.taishukan.co.jp/kanji/qa10.html#Q0482

その説明によると、「支度」が元からある正式な語で、「仕度」が後からできた語らしいです。

ということは、しろねこの校正した「仕度」より、印刷会社の方が入力した「支度」のほうが、正統な語ということになります。印刷会社の方がそこまで考えてそうしたのかは分かりませんが、お陰で大変勉強になりました。

そして今回の疑問解決だけでなく、このQ&Aコーナーに辿り着いたこと自体、とても有難かったです。
寧ろこれまで辿り着かなかったのが不思議というか、不勉強でした(汗)。

たとえば以前から疑問に思っていた「衷」や「離」の画数についても載っていて、時には回答が漢検漢字辞典の見解と違うらしいのも興味深いです。

Q&Aは0500以上あるので、とても読みごたえがあります。現在読破中です。

22-2検定結果(失点分)の詳細

2010-12-09 22:15:20 | 日記
街はすっかりクリスマスの装いですが、なかなかその雰囲気に浸る余裕のないしろねこ。飾られたツリーを見かけるたび、「もししろねこが飾るとしたら…」と一瞬胸がときめくのですが、実際ツリーの飾りつけをゆっくりしたこと自体が、ここ数年皆無なのです。


しろねこの職場は3期制なので、今ごろ定期考査があります。

現代文文学史で、二葉亭四迷が翻訳した作家名を
「ツルゲーネフ」
と書く問題を出したのですが、以下のようなベスト珍解答がありました。


1 「ツルヘーゲル」
(同じ日に倫理の試験もあったのが影響してるんだろう…。)


2 「ツネルフスキー」
(本人は頑張ったんでしょうね。因みに実在する人物はいないようですが。)


3 生徒自身の名前
(カタカナの羅列がある筈の解答欄に、いきなり漢字が飛び込んできてビックリ。おまえはいつから歴史に名を残す文豪になったんじゃ!)


このようにふざけた人たちの相手を毎日しているのは、活気があって面白いんですけどね…(笑)


ところで、遅くなりましたが、先日結果が返ってきた検定の採点結果の詳細です。


■音読み4点分失点

2 窓櫺(そうれい)
8 粉齏(ふんせい)
12 棺椁(かんかく)
16 喟然(きぜん)
★16はいつも間違う問題。つい「喟」を「い」と読んでしまう。

■訓読み2点分失点

26 簟(たかむしろ)
27 誄(いのりごと)
★26は「むしろ」とだけ書いてしまった。27は漢字の意味は分かっているのに、普段解いている音読みしか浮かばなかった。

■書き取り失点なし

■国字失点なし

■語選択書き取り4点失点

1 だましいつわること(騙詐)
★馬を咄嗟ににんべんにしたらしい。こういうミスはほんとに無くしたい。

4 長い距離を飛びきること(翔破)
★「破」が分からず、「覇」と書いてしまった。

■四字熟語書き取り2点分失点

7 車載(斗量)
★数が大変多いこと。転じて、多数いるが、平凡で取り柄が無いこと。

■四字熟語意味選択2点分失点

3 隠れた人材を見つけ出して用いる(爬羅剔抉)
★はじめ合っていたのに、書き直して×になってしまった。勉強不足以外のなにものでもない。

■当て字・熟字訓2点分失点

4 山茶(つばき)
6 鳳尾松(そてつ)
★4は「山茶花(さざんか)」と間違った。6はいつも忘れる。

■二字熟語・一字訓読み2点分失点

5 愆戻(けんれい)
10 婀やか(あでやか)
★どちらもいつも間違う問題。定着不足。

■対義語・類義語4点分失点

4 練達(不堪)
10 鳥目(阿堵物)
★10はどちらもお金のこと。「鳥目」は江戸の穴が開いた銭に因んでいて、「阿堵物」は中国の晋時代・王衍の言葉に因んでいる。4は当たり前すぎて浮かばなかった。こういうのができないと未熟者だと思う。

■諺4点分失点

9 テイワの内、蛟竜を生ぜず。(鄭和)

10 民を貴いと為し、シャショク之に次ぐ。(社稷)
★「稷」ののぎへんを、咄嗟にしめすへんに。たまにやらかすんですが、穀物関連の字であることを勉強していながら…!

■文章題書き取り10点分失点

3 況んやフソウ第一の好風に遊びて… (扶桑)
★扶桑は、中国伝説で、東方の海上にある巨木、または島国。

4 「我」の全部既にボツリョウし去られ、… (没了)
★「了」を「掠」と書いてしまった。

5 模糊としてソウセキすべからざる者となるなり。(踪跡)
★22年度第1回検定「失踪宣言」に続いて、またもや「踪」でやられました。「捜」を書いてしまった。

9 固よりソウコの士、雲水の客が、… (操觚)
★「觚」を忘れて、単なる「瓜」と書いてしまった。

10 拙官等両議を提出し、閣議をリンセイす。(稟請)★稟請は、上役や上部機関に申し出て申請すること。

■文章題読み失点なし


ではまた。とても眠いです。

『つい他人に試したくなる読めそうで読めない漢字』①完全に見当がつかない誤り・度忘れミス ~学識編~

2010-12-06 00:00:20 | 日記
12月4日に引き続き、

『つい他人に試したくなる読めそうで読めない漢字』

を解いたしろねこの、

①完全に見当がつかない誤り・度忘れミス

今日は、学識編より。


嗄れ声
しゃがれごえ
(「しわがれ声」の転。つい改まり「しわがれ」と読んでしまう。古い漢検の問題にも出た。)

合本
がっぽん
(数冊の本をまとめて一冊にしたもの。久しぶりに見るとつい「ごう」と読んでしまう。)

出来
しゅったい
(物事が起こること。もと「しゅつらい」という。知らない言葉でした。)

角逐
かくちく
(力が互角の者が競い合うこと。「角」「逐」ともに争う意。「つのおい」とか読んでしまった。)

拘る
こだわる
(度忘れ。というより、「かかわる」では駄目なのか?因みに「拘泥する」という言葉には、高校時代から何故か魅力を感じます。)

若気る
にやける
(江戸時代、江戸っ子が作り出した言葉。こう書くとは知らなかった。)


さび
(一般的な「錆」しか頭に無かった。)


すすき
(この字を見ると、東洋占術のひとつ四柱推命学における用語「空芒(くうぼう)」しか思い浮かばない。)

酢橘
すだち
(いつも「かぼす」と間違えるんです…。「かぼす」=「臭橙」「香母酢」らしい。)

清汁
すましじる
(「うしおじる(汐汁・潮汁)」はすぐ覚えたんですけどね。)

金刀比羅
ことひら
(香川県琴平町にある金刀比羅宮は、「金毘羅さま」の通称で親しまれている。日本の地名・人名はほんとわからん。)

凍鶴
いてづる
(寒中、ずっと立ったまま動かない鶴のこと。知らない言葉でした。)

忍辱
にんにく
(侮辱・迫害に耐えて動揺しないこと、と解説にあるが、忍辱には更に「生忍(しょうにん)」と「法忍(ほうにん)」とがあり、上の説明は「生忍」のほうのことらしい。仏教用語。)

塔頭
たっちゅう
(度忘れ。大寺の境内にある小さな脇寺。)


かさ
(「眩暈(めまい)」と間違った。)

怨嗟
えんさ
(いつも「おんさ」と読んでしまう。)

塗師
ぬし
(漆を塗る職人。「ぬりし」の変化したもの。知らない言葉でした。)

鷲神社
おおとりじんじゃ
(東京は鷲の字を当て、大阪は大鳥と書く。どちらも日本武尊を祀る。)


むち
(なぜか度忘れして「こけ(苔)」などと読んでましたが、何を考えているんでしょうかね。そして「むち」より「しもと」の読みのほうが優先して浮かんでくるのは何故?)

海鰻
あなご
(度忘れ。)

口舌
くぜつ
(言い争い、口喧嘩。=「口説」)

梯形
ていけい
(台形。)

稚気
ちき
(子供っぽい気分。大人になりきれていない気持ち。)

諺言
げんげん
(ことわざ。「諺」の音読みは頭に入りにくい)。

諫言
かんげん
(度忘れ。「直諫」だと悩まず「かん」と読めるのに、「諫言」だとなぜか「しん」と読んでしまう癖がある。)

椀飯振舞
おうばんぶるまい
(漢字の読みについての知識本では必ずと言っていいほどよく目にする語なのに、なんで未だに「わんぱん」って読んでしまうんだろう。)

英虞湾
あごわん
(三重県志摩半島の南。真珠の養殖で有名。)

紅蓮
ぐれん
(度忘れ。真っ赤。盛んに燃え上がる炎の形容に使われる。)

所為
せい
(ため、ゆえ。「ていたらく(為体)」と混同。)

錚錚
そうそう
(多くの中で特に優れているさま。「錚錚たる」の形でお馴染み。)

破落戸
ごろつき
(度忘れ。)


けん
(女性の容貌が美しいさま。「妍を競う」などと使う。知っている字だが、あまり親しみが湧かない字。)

蹲る
うずくまる
(「つくばう・つくばい」とよく間違うが、送り仮名がア行じゃない時点で気付けよ、って感じですよね。)

漫ろ歩き
そぞろあるき
(よく「すずろ」と読んでしまうのですが、どっちかというと「すずろ」は古語なんですね。だから「すずろ」なら「すずろありき」となるわけね。)


おもり
(度忘れ。)

強肴
しいざかな
(注文した料理のほかに、更に一品客に勧める酒の肴。知らない言葉でした。)

浅葱
あさつき
(「色」がつかないと「あさぎ」って読んじゃ駄目なのか?)

牝牡
ひんぼ
(度忘れ。)


ひょう
(間違って「あられ(霰)」と読んだ。今回「霙」と「靄」も間違ったんだよね。あめかんむりの字を集中的に復習するべきなのか?)

熾す
おこす
(火の勢いよくすること。)

為体
ていたらく
(ようす、ありさま。何度も見ている割に頭に入りにくい語のひとつ。)

男滝
おだき
(二つ滝があるとき勢いの強い方。弱い方は「めだき」という。概念の存在は知っていたものの、具体的には知らない言葉でした。)

晩生
おくて
(反射的に「わせ」と読んでしまった。アホ…。)

響動めく
どよめく
(度忘れ。)

香華
こうげ
(度忘れ。仏前に供える線香と花。)


みぞれ
(「英」に目が行き、反射的に「はなぶさ」と読んでしまいました。)

寧ろ
むしろ
(これ間違うか?いくら送り仮名が「ろ」だからって「ねんごろ(懇ろ)」とか読むか?)


もや
(「かすみ(霞)」と間違った。霧よりは見通しがよい状態、だったのか。

『つい他人に試したくなる読めそうで読めない漢字』①完全に見当がつかない誤り・度忘れミス ~常識編~

2010-12-04 09:41:18 | 日記
昨日ご紹介した、

角川文庫『つい他人に試したくなる読めそうで読めない漢字』(現代言語セミナー編)

で解いた問題のうち、しろねこが

①完全に見当がつかない誤り・度忘れミス

をした単語を列挙します。

いかにしろねこが無教養かを暴露していますが。
みなさんどのくらい読めますか?

今日は「常識編」より。


偏重
へんちょう
(「ちょう」を「じゅう」と読んでしまう。)

間尺
ましゃく
(寸法・計算。)

近郷
きんごう
(「ごう」が読めない。)

衝立
ついたて
(思わず音読みで読んでしまう。)

白砂青松
はくしゃせいしょう
(「しゃ」が読めない。)

崇める
あがめる
(度忘れ。)

定宿
じょうやど
(=「常宿」いつも決まって泊まる宿。知らない言葉でした。)

消長
しょうちょう
(衰えたり盛んになったりすること。知らない言葉でした。)

幕間
まくあい
(芝居の休憩時間。解説によると最近の人は「まくま」と言うらしいですが、しろねこも例外ではなかった。)

極刑
きょっけい
(どうしても促音便化せずに「きょく」と読んでしまう。)

極右勢力
きょくうせいりょく
(どうしても「ごく」と読んでしまう。)

高座
こうざ
(寄席の舞台。)

艶やか
あでやか
(「つややか」では駄目なのか?)

猪首
いくび
(首が短いこと。知らない言葉でした。)

名刹
めいさつ
(由緒ある有名な寺。つい「さつ」を「せつ」と読んでしまう。)

新巻
あらまき
(=荒巻。北海道名産鮭の塩漬け。言われればなんだと思うのに、突然目にすると鮭と全く結び付かない。)

迎撃
げいげき
(何故か「げい」と読めなかった。普段「送迎バス」とかいうのに、なんで?)

揚力
ようりょく
(流れの方向に垂直に働き、上に押し上げる力。しろねこは高校時代物理を習ってないので職場の物理の先生に聞いたら、大学で習うらしい。)

御神楽
おかぐら
(神を祭るときに奏する舞楽のこと。「み」じゃないんですね。)

帯封
おびふう
(湯桶読みの熟語。)

小才
こさい
(少しばかりの才知。ちょっとした頭の働き。知らない言葉でした。)

桂馬
けいま
(将棋の駒のひとつ。しろねこは将棋ができません。だから前回の漢検では「碁笥(ごけ)」が分からなかったのです。)

弱音
よわね
(度忘れ。あまりに当たり前の字なせいか、単語だけ見ると読み方が浮かばない。「~を吐く」とかあればすぐ分かるのに。)

甲板
かんぱん
(度忘れ。「こうばん」と読んでしまった。)

大綱
たいこう
(根本的な事柄。一瞬相撲用語かと錯覚。)


「学識編」の誤りはまた後日。