“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

むしへん、とらがしらの漢字

2013-09-24 01:28:19 | 日記
最近、「昆虫食」の提案の記事をよく目にします。
食糧難の時代を予測して、良質のたんぱく質摂取のために考えられているわけですが………そのうち普通の風景になるんでしょうか。

むしへんの漢字は、難読語か名詞の意味が多くて、動詞の字は検定でお馴染みのものが殆どでした。

※その前に配列してあるとらがしらの字は、1級配当漢字は3文字で「虔」「虧」はお馴染みのもの、「つのとら」と訓で読む字はケータイで出ず、ケータイ辞書にもありませんでした。


『要覧』209頁「蚓」~212頁「蠹」

・「蝌蚪(おたまじゃくし)」
→「蝌」=ひしゃくの形をした動物の意。
→「蝌」=しゃくしの形をした動物の意。

・「蚫(あわび)」:国字だが中国でも使う。

・「蛩語(きょうご)」…コオロギの声。
・「早蛩(そうきょう)」…初秋のコオロギ。

・「蛟竜(こうりょう)」
→「蛟」=みずち。ヘビに似た想像上の動物。

・「蝉蛻(せんぜい)」…セミやヘビのぬけがら。

・「蜃気楼(しんきろう)」…大ハマグリの吐く息によって、楼閣の幻が現れるとされた。*お馴染み。
→「」=想像上の動物。大ハマグリ。

・「蜑人(あまびと)」
→「蜑」=漁夫。海人。

・「蜴」=体色のかわる爬虫類の意。トカゲ。

・「蝙蝠(こうもり)」
→「蝙」=体が平たくて薄い動物。
→「蝠」=動物のこうもり。
・「蝴」=昆虫のチョウの意。

・「螯」=カニなどのはさみの意。

・「蟋」=コオロギの羽の音を表す。

・「蟀」=小さな声で鳴く虫の意。

・「蟄居(ちっきょ)」=家に閉じこもること。*お馴染み。
→「蟄」=冬、虫が地中にこもる。

・「蟠踞(ばんきょ)」
→「蟠」=とぐろを巻く。わだかまる。

・「蟶貝(まてがい)」=馬手貝。浅瀬にすむ二枚貝の一。

・「蠑」=殻で覆われた貝の意。

・「蠖屈」「蠕動」「蠢動」…*どれもお馴染み。

・「管蠡(かんれい)」…管とほら貝。管で天をのぞき、ほら貝で海を測る。
→「蠡」=虫、巻き貝。
・「蠡測(れいそく)」…ひさごで大海の水を測る。狭い見識で大事に向かうこと。→「蠡」=ひさご。

・「蠱惑」「蠹魚」…*どちらもお馴染み。


……国民的ヒットのドラマ「半沢直樹」が終りましたね。
社会人として、考えさせられる最後でした。
復讐の代償は小さくなかったようですが、半沢を手放しでヒーローにするのではなく、非常にリアルな最後だったように思います。
しろねこは今の職場に10年いますが、学校のため、生徒のため、保護者のため、………と自分の理想の正義を掲げてみても、それが必ずしも職場やスタッフの利害と一致するわけではない。自分たちで守る職場ではあるけれども、自分の所有物ではないので、たまに自分の信念を冷却させなければならないことが増えました。
悩みは尽きません。ある日、ある形で、答えは出るのだと思いますが。

「温州蜜柑」

2013-09-21 21:11:56 | 日記
今晩は。
直接1級に関係ありませんが、漢字のお話です。

この間、授業で扱っている例文に、人間の育成法の譬え話として「温州みかん」の話が出てきたのですが、
しろねこが教えている中2の人たちには「温州」を「うんしゅう」と読めない人が多かったようです。

しろねこ:「これを『おんしゅう』とか読む人はいませんよね。『うんしゅう』だよね」
生徒1:「…えっ?」
生徒2:「えっっ!?」
一同:ざわざわざわ……
しろねこ:「……え……??」

…そっか。みんな温州みかんって「うんしゅう」って意識して読んだことないんだね…。

…でも、しろねこは「うんしゅう」とは読めますが、「うんしゅう」ってどこ??と質問されたら「…えっ?」ってなります(汗)
そこで調べてみました。

「語源由来辞典」http://gogen-allguide.com/
というサイトでの説明が分かりやすいかと思います。
「温州」とは、中国浙江省にある蜜柑の名産地のようです。
「温州」という地名が蜜柑(当時は「橘」)とセットで使われたのは室町時代末期。
「温州蜜柑」という呼び名は江戸時代からなのだそうです。
親品種がクネンボで、温州みかんの原産は鹿児島県であり、実際の「温州」には同じ品種は存在しないため、
直接「温州」のみかんを指すというより、何らかの由来で「温州」の名称がついたようです。

そんな単純ではない「温州みかん」の事情ですが、
生徒が何の疑問もなく「温州」と読めていたら、しろねこがこのような関心を改めて持つこともなかったので、
やはり結果的に生徒から教えられることは大きいですね(笑)

毎年蜜柑が楽しみですが、天候が不安定で地域によって旱や降雨量がばらばらなので、
呑気に消費者側として楽しみにしてばかりはいられない気持ちです。

漸く過去問復習スタートです。断続的になること必至ですが、頑張ります。

「1ヶ月前」が迫ってます。

2013-09-19 22:23:49 | 日記
今日は十五夜ですね。
しろねこのところでは、きれいな月がよく見えています。
職場の理科の同僚は、レンズに収めていました。
月には兎、烏、蟾蜍(せんじょ=ヒキガエル)と、住んでいるとされる動物が複数いますが、昨日嫦娥(こうが)伝説について何となく調べていたら、
「顧菟(こと)」
という熟語に行き当たりました。月(に住むという何ものか)を表すらしく、屈原の『楚辞』「天問」の中の表現に因むようです。
久々に自分の記憶に無い難しい熟語を調べた感じです。そのくらい新しい勉強が止まっています。
最近は記事を全く更新できず、申し訳ない限りです。
秋の二大行事と、もう挙げればきりの無い仕事、仕事、仕事。
仕事に圧縮されないよう、仕事を制覇し、漢検ライフを存続します。
では、今夜はこの辺で。

くさかんむりの漢字②

2013-09-04 01:27:11 | 日記
今晩は。

仕事の帰り、大体21時~22時に立ち寄った喫茶店の机で、一行でも予定していたページに書き込めれば、その日は幸せです。

目の前にノートと筆記具があるのに、何か疲れ切って微動だにできない日があります。
眠るのでもなく、でも耳の後ろから首筋が未だ緊張していて、ぼんやりと息をしている……。

でも
たとえ「もう今日は残りたくない」と弱音を吐いても、「仕事なんてぶん投げていいんですよ」「帰ろう」と言ってくれる同僚たちがいて、何か手伝おうかと言葉を掛けてくれます。
或いは部署が違っても、久しぶりに機会があれば、短時間でも心はゆったりと互いの仕事の感触を語り合える先輩がいます。
これで明日、また真面目に頑張れる、と思います。


『要覧』207頁「蒡」~208頁「蘿」の注目した言葉。

・「萃蔡(すいさい)」…くさむら。また、衣服のすれる音。
→「蔡」=雑草。
・「蔡倫(さいりん)」…紙の発明者。
・「蔡侯紙(さいこうし)」…蔡倫の発明した紙。

・「蔘」=薬草のニンジンの意。

・「蔬菜(そさい)」
→「蔬」=野菜。

・「上蔟(じょうぞく)」…カイコをまぶしの上にのぼらせること。
→「蔟」=カイコが繭を作りやすくする装置。

・「蘿蔔(らふく)」…だいこん。
→「蔔」=だいこん。

・「蕀」=とげのある植物の意。

・「蕣英(しゅんえい)」…ムクゲの花。
→「蕣」=ムクゲ。*日本ではアサガオ。

・「蕘豎(じょうじゅ)」…柴刈りをする子供。
・「芻蕘(すうじょう)」…草刈りと木こり、庶民。
→「蕘」=燃料用の柴。

[「蕕薫(ゆうくん)」はお馴染みですが]
・「蕕」=カリガネソウ。多年草の一。*臭いが強い。

・「薈萃(わいすい)」…繁茂。
→「薈」=茂る。

・「[草冠+意]」=ハスの実の中身の意。

・「荊薇(ばら)」=薔薇。難読語。

・「薜蘿(へいら)」…カズラ。また、カズラで織った粗末な布。転じて、隠者の生活。
→「薜」=つる性の木。

・「慰藉料(いしゃりょう)」…慰謝料。
→「藉」=いたわる。
・「藉口(しゃこう)」…口実にすること。
→「藉」=かこつける。
・「狼藉(ろうぜき)」
→「藉」=ふみにじる。

・「藐然(ばくぜん)」…はるかに遠いようす。
→「藐」=はるか。
・「藐視(びょうし)」…軽視。
→「藐」=軽んじる。

・「藕糸(ぐうし)」…蓮根を折ったときに出る糸。
→「藕」=ハス。

・「蘊蓄(うんちく)」
→「蘊」=あつめる、たくわえる。
・「蘊奥(うんのう)」
→「蘊」=奥底。

・「蘋[草冠+繁](ひんぱん)」…浮き草と白ヨモギ。転じて、粗末な供え物。
→「蘋」=浮き草。

・「蒙蘢(もうろう)」…草木がはびこり茂るようす。
→「蘢」=野草の一。タデ。

・「蘚苔(せんたい)」
→「蘚」=葉・茎の区別のあるコケ。


次は、虫偏。