“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

部首で探す漢字の遊び

2012-04-26 22:39:12 | 日記
こんばんは。
皆様お変わりありませんか。

少し長めのご無沙汰をしてしまいました。
新年度のバタバタに取り紛れて、
模試の漢文の語句も拾えず、
漢検そのものの対策にも本腰を入れられず、
書ける題材ができなくて、
更新が大幅に遅れています。

ここ数日は、学校行事としての合宿があったのですが、
その最中の空き時間に、おもしろい光景に遭遇しました。
同じ学年の理科と数学の先生が、なにやら向かいあって、
計算用紙に漢字を列挙しているのです。


隣に座って覗いてみると、
ある部首の漢字を、お互いが思いつく限り出し合っているのです。
交互に、自分で確実に書ける漢字のみを出し合うというのがルールのようです。

そのときは魚偏でした。

はたで見ていると、あれもこれもまだまだ出てないのに…と思うのですが、
考えている当人たちはなかなか思いつかないもののようです。
例えば、鯛は出ているけれども、
鯉はまだ出ていなかったり。
2人とも寿司屋のネタをイメージして考えていたようです。

魚偏が尽きると、次は木偏にチャレンジしています。
しろねこは列挙された字を見て、
花が有名な木は、木の姿より花だけが頭に浮かぶなあ、
などと改めて思いました。

手を出さずに見ていると、
「何か(思い付く字が)多く出そうな部首出して」と言われたので、
咄嗟に、じゃあ草冠、と答えました。
でも、さんずいとか言偏のほうがよかったかも。

2人が遊び終わった後、
しろねことも遊んでほしいと言ってみたのですが、
彼らはこちらが1級受検者であることを知っているので、
「そんな子供が大人に立ち向かうようなことはしません」
と取り合ってくれません。

はたで見ていてうずうずしたまま、
不完全燃焼のしろねこ。

その日の夜、教頭先生(国語科)と教科の話をしているうちに、
ふと昼間の部首の遊びを思い出し、
思いたったが吉日、
早速申し込んでみたところ、
ご快諾いただきました。やった!!

そこで、
じゃあ私から出していいですか、と教頭先生の出した部首は何だったかというと、

「…れっか。」

え、れ、れっかですか…?
流石先生中国哲学が御専門、思いつく部首が一味違います。
沢山浮かぶのだろうか?とたじろぐしろねこに、

「…火偏もいいことにしましょう。」

というわけで、交互に、
烟、灯、焦、熱、燃、炎、焼、災、燠、煙、煤、烹、…
と出し合ってみると、やはり、
なんでこれ出てこないんだろう?!という常用漢字が、
そのときは出てこないものです。
灰、炭、灸、灼、炊、炒、炉、照、煩、…
1級漢字では、「炮烙」「炯炯」「炬燵」など、盲点が沢山ありました。
挙げるときりがありません。

昼間の2人は、先に思いつかなくなった方がジュースを奢るという結末のようでしたが、
まさか教頭先生とジュースを賭けるわけにもいかないので、
2人で字を絞り出せなくなった後は、
教頭先生の電子辞書でれっかと火偏の字を検索し、
思いつかなかった字や異体字を見ては、
こんな字もあるあんな字もあると30分ほど盛り上がっていました。

その後、生徒の入浴・食事の誘導をしながら、
学研「漢字源」でれっかの字を見ていたところ、
「熊」の項におもしろい意味が載っていました。

「熊は、火の精だと考えられていた。『熊熊(ユウユウ)』とは、火の盛んにもえるさま」
とあります。

そ~か~、そうなのか~と、ひとつ新発見。
火の精というと、
思わずメーテルリンクの『青い鳥』を想像してしまいますが、
熊というイメージは斬新に思えます。

教頭先生のお蔭で、しろねこ完全燃焼できました!!


…今年度しろねこは、いよいよ受験生担当です。
生徒ともども、学校にいる時間が猶更長くなっています。
授業も遅くまですることが多いです。
昨年の体調もあり、担任続投を一旦休止して、
副担任にしてもらったので、
生徒との関わりが減る点では残念な面もありますが、
教科指導に、より専念できることになりました。

泣いても笑っても、この学年の子たちとも、
あと1年のつきあい。
クオリティの高い仕事ができれば、と思っております!

…そしてそろそろ、漢検準備を本気でしなければなりません。
残りあと1か月になるのは、もうすぐです。

では、また。

今日はエイプリルフール

2012-04-01 23:01:57 | 日記
今晩は。

4月になり、新年度になりました。
今日はエイプリルフールですが、
冗談で済まされなかったことで毎年思い出すのは、
今日は香港の名俳優レスリー・チャンさんの命日だということです。
ほかにも魅力的な俳優さんは沢山いるものの、
彼のような人はもう二度と現れないように思います。

しろねこはといえば、
これも冗談ではないのですが、
赴任して1年目の職場のトップが提案したある仕事のことで、
先日待ったをかけたために、
えらく怒られるという目に遭いました。
しろねこからすると、
その仕事をしろねこの職場に導入するには現状に照らすと無理があるので、
慎重にしてほしいと願い出たつもりだったのですが、
「何もないところからどうなるか分からないものを善意で立ち上げる」彼のロマンのようなものを、
しろねこはぶち壊したようです。
黙って服従するのが勤め人という考えの人も多いですが、
どう考えても、しろねこの中では疑問の渦が消えなかったので、
発言して怒られたこと自体に
悔いはないんですけどね…(事前に上司何人かに相談してのことなので、無断で飛び越えてもいないし)。
しかし、今後職場はどうなるのやら。

さて、また模試や入試漢文からの抽出です。

■『国老談苑』
・「銓品」(せんぴん)=(人物を) 評価する。
・「器識」(きしき)=器量と見識。
・「諫官」(かんかん)=皇帝をいさめる官。
・「具奏」(ぐそう)=文書をつけて報告する。
・「散秩」(さんちつ)=名目だけの官位。

■『金楼子』
・「悒悒」(ゆうゆう) =心が痛む。
・「営営」(えいえい)=あくせくする。
・「翠紗」(すいさ)=緑色の薄絹。

■『寓圃雑記』
・「宰牲」(さいせい)=豚などの肉を調理すること。