“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

ころも(衣)の漢字②

2014-04-21 01:11:33 | 日記
こんばんは。

「ごけん」(日本語検定の会誌)春号が届き、数日後にピッタリな団子(にほごんの大好物)を見かけ、つい撮ってしまいました(^-^)


さて、衣の漢字で、目についた語の続きです。


『要覧』213頁「裃」~214頁「襷」

・「後裔(こうえい)」「苗裔(びょうえい)」「末裔(まつえい)」
→「裔」=子孫。

・「紅裙(こうくん)」…女性の着物。また、美女・芸者。
→「裙」=着物のすそ。

・「裴(ハイ)」=衣がひらひらする様子の意。
※要覧での訓は「たちもとお(る)」:あちこち歩き回る、彷徨する意。

・「前褌(まえみつ)」
→「褌」=相撲で、まわし。
※「みつ」という訓は、相撲好きでもないとなかなか浮かびません。

・「褊狭(へんきょう)」=偏狭
→「褊」=せまい、小さい。

・「襄陵(じょうりょう)」…水かさが増してあふれること。
→「襄」=あがる意。
※要覧の訓は、「のぼ(る)」。

・「褻(け)」…ふだん。
※要覧の訓は、「ふだん」は無いが、「ふだんぎ」がある。「はだぎ」も合わせて、着物のイメージをも持っておきたい。

・「褝衣(たんい)」=単衣。
→「褝」=ひとえ。

・「襭(ケツ)」=和服で、褄を帯に挟む意。また、その挟んだ中にものを入れる意。
※要覧の訓は、「つまばさ(む)」。
※音を「キツ」などとしそうだが、音は「ケツ」しかないため、注意が必要。

・「襯衣(音:しんい/熟字訓:シャツ)」はお馴染み
・「襯紙(しんし)」…陶器などの当て紙。
→「襯」=肌着、下着。
※「襯紙」は、国字の「しんし[竹冠+手偏+僉]」とセットで、同音同訓異字の問題ができる。

・「襴(ラン)」=上下の続いた、ひとえの着物の意。
※要覧の訓「ひとえ」の特色が更に詳しく分かっておもしろい。

・「高襷(たかだすき)」=たすきで、袖を高くからげること。
※『千と千尋の神隠し』の千尋がやってるあれですか。映画や時代劇などでよく見る仕草ですが、こういう言い方を知りませんでした。盲点を突かれた気分。


では、寝ます。
お休みなさい。

ち(血)・ぎょうがまえ(行)・ころも(衣)の漢字①

2014-04-13 16:50:44 | 日記
こんにちは。
新年度も無事スタートし、しろねこは中3の子たちの国語を教えながら、来る学校行事や生徒会に関わる数種の事柄について、同時平行で準備を進めています。
今年度は、保護者の方々が構成している会の事務局にも入ることになり、それが2種類あるのですが、今年度は両方の担当が回ってきたので(昨年度までは片方だけの担当だった)、土曜日も時々多めに時間をとられることになりそうです。

仕事は気がついた分だけ各方面増えるものですが、
質は落とさずに上手く整理していきたいところです。


さて、昨年9月下旬(→むしへん・とらがしらの漢字)以来、中断されていた類の記事です。

昨年2月上旬から三省堂ケータイ漢字辞典で引く1級配当漢字を含んだ語を、しろねこはA5版ノートにまとめ続けているのですが、
その中であまり漢検過去問では馴染みが無かったり、協会の要覧には無いものの他社の編集ならではの解釈をこちらに疎らに挙げていました。

心の中ではこの流れの記事の中断をずっと気にしていたのですが、
仕事のサイクルや私のケータイ内の他のデータの関係で、更新が暫くままなりませんでした。

また無理のない範囲内で、続きを挙げていきたいと思います。


『要覧』212頁「衄」~「袱」


・「衄(ジク)」=鼻血、敗れる の意。
※要覧には載ってないが、三省堂ケータイ漢字辞典では、「衂」が異体字として示されている。

・「[血+蔑(ベツ)]」=ケータイ辞典には説明無し。
要覧での訓は「はなぢ」「はずかし(める)」「けが(す)」で、何ともまがまがしい意味の字。
文字から臭いがしてきそうです。

・「衍義(えんぎ)」「敷衍(ふえん)」
→「衍」=ひろげる、しく。
・「衍字(えんじ)」「衍文(えんぶん)」
→「衍」=余分な。
※「衍」の訓は、要覧で7つも示されている。

・「衒学(げんがく)」「衒気(げんき)」
→「衒」=余分な。
・「女衒(ぜげん)」
→「衒」=売る。
※中島みゆきさんの「やまねこ」の歌詞に出てきます。

・「偏衫(へんさん)」…僧衣の一。
→「衫」…ひとえの着物。

・「槍衾(やりぶすま)」…大勢が並んで槍を構えること。
→「衾」=夜具。

・「衵(ジツ/なれぎぬ・ふだんぎ・あこめ)」=ふだんぎ、はだぎ の意。
※「はなぢ」もですが、「ふだんぎ」という訓を持つ漢字が存在するのが、現代語の常用漢字と引き比べると面白いです。それだけ晴れと褻の区別が、昔は明確だったのかなと思います。

・「衲衣(のうえ)」…僧衣、僧。
・「衲子(のうす)」
→「衲」=僧侶の衣、僧。

・「衲被(どうひ)」…つぎはぎの衣。転じて、他人の文章をつぎはぎにした文章。
→「衲」=繕う。

・「袙(ハ・バツ)」=はちまきの意。また、日本ではあこめの意。
※↑ということは、中国では「袙」ははちまきの意で使われているのですね。要覧での訓は「うちかけ・あこめ」の二つのみです。

・「広袤(こうぼう)」…面積。
→「袤」=南北の長さ。
※「広」=東西の長さ。

・「袱紗(ふくさ)」
→「袱」=ふろしき。


ころもへんの字は、次回に続きます。

25-3 結果補足 & ナツメ社の漢検参考書 & 近況

2014-04-02 16:50:06 | 日記
平成25年度が終わり、日本の消費税率が8%になりました。

大変に御無沙汰しております。皆様如何お過ごしでしょうか。
しろねこは明日から新年度出勤です。今日は家族と隣県まで出掛けた先から書いています。


先ずは、25-3結果の補足報告があるので、そちらから。
実は以前ご報告した25-3の詳細結果と、自宅に郵送された実際の採点結果を見比べてきたところ、
1か所書き取りで自己採点と食い違っている所がありました。
合計点は変わらないのですが、書き取りの或る2問の結果が、自己採点結果と協会の採点結果とでは逆になっているのです。

【自己採点による詳細結果】
■書き取り
6 ルイセツ(の辱め) … 縲絏・縲紲 ×
8 ショウキ(様) … 鍾馗 ○

【協会からの採点結果】
■書き取り
6 ○
8 ×

6番は、「絏」のほうを書いて右上に点を付けてしまったと記憶していたので、明らかに間違いかと思いきや○になっており、
8番は、何度も過去問で繰り返していて長期記憶として定着しているため間違いようもない、と思っていたにもかかわらず、×がついていたのです。
何故採点がこうなっているのかは分かりません。
記憶違いなのかなあ。正直疑問です。
このようにならぬよう、気を付けているつもりですが、なかなかスッキリと行きません。


次に、1級の問題集ではないのですが、ナツメ社という生活・パソコン関係の書籍を多く扱っている出版社さんから出されている、
『カバー率測定問題集○級漢検マスター』
(※○級=4級~準1級)
が、楽しく充実して勉強できそうな問題集だと思ったので、ご紹介しておきます。

先日職場の他教科の先輩から、漢検の参考書について相談を受けました。
その先生の学年で毎朝15分間ほど、漢字力と検定合格の両方を狙って使える問題集はないか、という内容でした。
初めその先生は、1冊に5級~準2級対象の問題が併存したものを考えていたようでしたが、検定の現実的な合格を目指すなら、1冊にひとつの級のものを選ぶべきだと伝えました。
目標を検定合格に合わせるなら、所謂国語科の副教材の漢字問題集では足りなくて、その級毎に各分野をいかに本番に近くシュミレーションできるかが充実した内容でなければなりません。

予算の関係で急ぐようだったので、漢検協会には書店で市販されていないよい問題集について、その先生と電話でカウンセリングしていただくようにお願いし、かたやしろねこは、居住区のでかい本屋さんで参考書をリサーチすることにしました(職場近辺には余り揃っていないため)。
そこで漢検協会の漢字学習ステップや、普段私が授業で参考にしている高橋書店さんの分野別問題集のほかに、いいなと思ったのが上述の『カバー率測定問題集○級漢検マスター』でした。
売り文句のカバー率とカバのイラストについては勿論、「研究してるなあ」「遊び心があるなあ」と思うのですが、加えて「カコカン」と称した巻末資料集が充実していて親切だな、と思いました。
因みに準1級の問題集の巻末音訓表は、空欄形式・赤の印字にしてあり、私のやりたいことの一部をそのままやっていました。親切だし、受検者はラクです。
あとは時間と好みと能力と発想の問題で、自分で作る時間があり、自分で作るほうが頭に入り信憑性もある、という人はそうすればよいでしょうし、
あくまでも基準は漢字検定協会の発行した音訓表・解答基準が全てなのですから、他社の問題集はどんなに優れたものでも二次的なものだと考えねばなりません。
しかし、勉強の仕方のヒントについては多く与えてくれる、よい参考書だと思います。購入するかは兎も角、一読してみる価値はあるのではないでしょうか。


近況ですが、先ず26-2は受検することができなくなりました。
職場の文化祭と重なり、特活主任を今年度も継続、文化系講座の顧問(当日は作品展示)も兼ねているため、欠席することは流石にできません。
非常に残念です。

この2月・3月は、思うように漢字のための時間を持てず、仕事並びに他方面のことに日々奔走しておりました。
毎日リピーターの方のブログ拝見と漢検モバイルでのトレーニングは続けていましたが、それ以外はすべて保留にならざるをえなかったので、そろそろ復帰して精神的に孤独の状態に戻そうと思います。
というのは集中力の持っていき方のことなのですが、これは私の場合非常にエネルギーを要します。しかし何かを成功させるためには、不可欠な状態でもあります。
見守ってくれている人や、協力しあえる存在がいても、それとは別に、自分の精神を「ひとり」の状態に持っていきます。
本来自分はお調子者で人付き合いも大好きなのと、趣味が多くて仕事も含め欲張ってしまいがちなので、日々漢検の勉強を継続するには、それらを節制するように心掛ける必要があるのです。
仕事でも付き合いなどで外面をよくせざるを得ないときは、あまりよい結果が出ていません。

今回、一番親しかった国語科の同僚が、寿退職で職場を去りました。
科でも送別会を開いた他、その同僚と私ともう一人の国語科の同僚と3人共通の高校の国語科の恩師をお呼びして、集まる機会もありました。
また職場の職員送別会の幹事の役目も、無事果たしました。
更に11年ぶりに映画館に足を運びました。「グランドシネマ 坂東玉三郎『日本橋』」を観るためでした。
泉鏡花の原作と異なるところもありましたが、感動して観ました。
人事も年度末に発表され、そのまま今の学年を持ち上がりで持てることになりました。中3は高校に繋がる大事な時期なので、これもご縁だと思って、確りサポートしていきたいです。


そういうわけで今回の記事は、対策の勉強のことは一切書けませんが、また書けるようにダッシュしていきたいと思います。
宜しくお願いいたします。