「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

William Hogarthのプリントが七里ガ浜に到着 【Tail Piece or The Bathos】

2012-04-30 00:00:10 | モノ・お金
ホガースの版画のプリントを購入したことは、以前このブログにも書いた。それが我が家に到着した。



ホガースの作品は、18世紀当時の英国文化や風俗を説明するための補助的素材として歴史書に登場する。だから我々現代人はホガースに触れる機会がわずかしかない。しかし小林章夫先生のこの本は、専らホガースについて語る本であり、ホガースの生涯の活動を知ることが出来る。



ホガースの時代に一流画家と呼ばれた人の多くは宗教や権力者や大自然に関する題材を神々しく描くことを選んだが、ホガースが題材としたのはほとんどが当時の市井の人々の生活である。



ホガースは油彩画を多く残した。下のYoutubeにあるBBCのプログラムでも、「放蕩息子一代記」(遺産を受け継いだバカ息子が落ちぶれるストーリーを連作した油彩画)なんて作品が紹介されている。



しかしその時代のことを今に伝えているという意味で、より強い印象を残すものは彼の版画作品に多い。下のBeer Steet(左)や Gin Lane(右)が好例だ。どこかで見たことのある人も多いだろう。


<Source: Wikipedia>

小林先生の本でも、ホガース最後の版画作品として「竜頭蛇尾」という作品が紹介されている。



そのプリントを私が今回買ったわけだ。



さっそく飾ってみる。



一般的に「Tail Piece or The Bathos」等と呼ばれている。上端真ん中に小さい字で書いてある「Tail Piece」とは最後に付け足したものの結果として冗長になった状態を指し、下の「Bathos」とはせっかく盛り上がりながらあっけなく熱も冷めた状態で物事が終了することを意味する。息も絶え絶えなのは、時間を司っている時の翁であり、そんな彼もやがて死ぬというなんとも皮肉な作品なのだ。



細部をよく見ると、これはなかなか面白い版画作品である。ホガースの俗っぽさに対し批判的であった当時の芸術界の中心的な人々に対する皮肉でもあるらしい。またこの作品を制作して半年ほどで死んだホガースの気持ちだとも。どこかはかない、彼の他の作品とは少々異なるテイストのある作品となっている。

このホガースのプリントを飾ったことで、こちら側の壁はもう一杯になってしまった。壁面の上の方はいくらでも空いているが、大型のポスター以外は無理な高さだ。この部屋の壁面は他も含め、もう空きスペースがない。



因みに真ん中あたりの下に飾ってあるのは、広重の作品を3枚の絵ハガキにしたもので、それを並べて額装した変わりダネ。いいでしょ?
江戸時代の七里ガ浜の風景で、向こうに小動(こゆるぎ)の岬と江ノ島が見える。



何せ絵ハガキ。安い。額の方がずっと高くついた。
コメント (1)
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