「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

玉村豊男の著書からパクって勝手に「アルジェリア式豚肉シチュー」@七里ガ浜自宅厨房

2010-10-04 13:30:38 | 食べ物・飲み物
アルジェリア式豚肉シチュー・・・何じゃ、そりゃ? イスラム教国の戒律の問題はないのか?



私は玉村豊男の書いたエッセイが大好きなのである。彼が書いたものの中で特に面白いのが、これだ。料理の四面体(中公文庫)。国境を越え、各地の料理の作り方や材料を細部にまで分解してその共通点を見つけ出し、例えば「フランスのこの料理と日本のこの料理は本質的に同じ!」などと結びつけてしまうものだ。言葉の遊びにも見えるが、非常にコスモポリタンな感じがして、シャレている。



裏には解説者のコメントがあるが、正にそのとおり。関心がある方は是非ご購入を。



その本の最初に「アルジェリア式羊肉シチュー」という話が出て来る。大昔のこと、若き玉村青年がアルジェリアを貧乏旅行していた時の話だ。空腹を我慢してとぼとぼとアルジェリアの田舎を歩いていた玉村青年に向かって、手招きする現地の男性集団がいた。彼らはこれから屋外で何やら料理をしようとするところで、惨めな姿で歩いている玉村青年にもその料理を振る舞おうとしていたのだった。

彼らが使う材料はオリーブ・オイル、羊肉、ジャガイモ、ニンニク、塩、唐辛子をすり潰した独特の香りがする香辛料。そばにある調理器具は鍋と包丁、七輪みたいな道具に炭。



まな板もテーブルもないので、材料を切るのは手のひらの上。調理箸もおたまもないので、混ぜるために出来ることは大きな鍋を手で持って揺するだけ。オリーブ・オイルでニンニクを熱して、切った羊肉を炒め、トマトを手で握りつぶして入れ、最後に切ったジャガイモ、さらに調味料を入れ、鍋に蓋をして待つ。それだけだ。

読んでいて食べたいと思った。そこで似たようなものを勝手に作ることにした。揃えた食材は下の画像のとおり。見ればわかると思う。肉は羊肉がないので、適当に代わりの豚肉で。肩ロースブロック400gである。アルジェリア式(?)豚肉シチューである・・・と言うより無国籍風煮込みか。



食材価格など意識していない、そこのあなた! 今トマトが1個いくらか知ってますか? でたらめな値段してまっせ。とてもじゃないが、普通のトマトをたくさん買えない。手で握りつぶすのをやってみたかったが。やはりホールトマト缶を使おう。因みにジャガイモは八ヶ岳西麓原村産の男爵。

材料はご覧のように下ごしらえ。大量にニンニクをみじん切り。



ボクちゃん登場。何か、くれませんか?・・・あげません。



ニンジンを切るが、皮はそのままで結構。栄養価も高い部分だ。魯山人先生もそう言ってた。本当である。ただし、大根を例にとっての話だったが。本質的にはニンジンも同じことだ。ニンジンを調理する際は常に皮を剥かねばならない、なんてことはない。



オリーブ・オイルで熱してニンニクの香りをつけ、豚肉を表面が少し焦げるまで炒め、そこにニンジンを入れてさらに炒める。



ホールトマト缶2個をぶちまける。するとこうなる。そこへ酒をドボドボ入れる。それを煮込み始める。



クツクツ煮る。そこにブイヨン・キューブ2個を入れる。バターも。そして塩を少々。パプリカ・パウダーとコリアンダー・パウダーを入れる。



さらにハリサ(アリッサとも)を加えて辛くする。独特な燻した香りの魅力もあり異国情緒満点。



煮込み鍋の隣で、ジャガイモをオリーブ・オイルで揚げるように焼こう。



あーーー、ボクは何ももらえない。



最後に用意したジャガイモを投入して、弱火で5~10分煮込み、コショウを加えて出来上がりだ。



どうです? おいしそうでしょ。



質素な食事。パンと豚肉のシチューと水。



ハリサの燻した香りと辛さが鮮烈で、他のスパイスも加わりエキゾチックな香りがする楽しいシチューですぞ。パンではなく、クスクスをつけるともっと合うと思われる。自宅にクスクスがあったのに、そこまで頭が回らなかった。残念。羊肉があると、肉のクセが強いのでさらに雰囲気が出るだろう。



調理過程で、かなりのオリーブ・オイルとバターが紛れ込んでいる。実はかなりこってりとした料理で、パワーがつく感じ。適当な試作品だが、非常に美味しかった。
コメント (6)
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