ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

「巳」の山の想い出 - 比良山系・蛇谷ヶ峰

2013-01-22 07:00:03 | 旅の想い出

【蛇谷ヶ峰】比良山系北部・滋賀県高島郡高島町と朽木村の境にあり、標高902m山頂東側から高島郡富坂に落ちる谷が蛇谷で、西の朽木側からは、足利時代に造園された周林(秀隣)院庭園の借景として小椋栖山と呼ばれた。
【登 山日】20015 月20
【コースタイム】入部谷越下駐車場所9:35…朽木スキー場入口9:45817m地点10:50…蛇谷ヶ峰(901.7m)11:00~11:20817m地点(昼食)11:25~12:05…スキー場リフト終点12:30…駐車場所13:00

「京は遠うても十八里」といわれた鯖街道、国道367号線を北へ走り、市場から右入部谷沿いに県道を登る。朽木スキー場からが山頂への最短コースで、かって比良の秘境といわれた山も便利になったものだ。スキー場への入口・入部谷越えの右手になだらかな斜面が拡がっている。売店や管理棟のあるところからリフトの右側を登っていく。ススキ、ヨモギ、ネコハギなどが繁る「さわらび草原」に「標高485m 蛇谷ヶ峰へ2.2㎞」の標識があり、遊歩道が雑木林の中に伸びている。

 道はジグザグの繰り返しで、次第に山道らしく急な登りになる。気温が高いが、木陰が続くのでありがたい。スキー場から1時間ほどで、左手に琵琶湖、リトル比良を見下ろす稜線に出る。ここからは傾斜の緩やかな道だが、木が疎らになり丈の低いクマザサの中を行く。まともに陽光を浴びるが、空気が乾燥しているのでそれほど暑さを感じない。地図の817m地点でスキー場へ下る別の道を分けて、500mも行くと「いきものふれあいの里」への分岐がある。クマザサに囲まれた小広場で、正面に山頂部が見える。

最後は急な200mの登り。案外簡単に登りついた頂上には、数人の人が休んでいた。真ん中に三角点のある広場で、やや霞んでいるものの素晴らしい展望だ。

北にマキノ方面、東に琵琶湖、リトル比良(↑)

南は釈迦ヶ岳、無線中継塔の立つカラ岳、コヤマノ岳、ひときわ高く武奈ヶ岳…。全く木陰がないので、記念写真だけ撮って昼食場所を下山途中に求める。

日陰を探しながらスキー場の分岐まで下り、登ってきた道と分かれて雑木林に入る。広い場所がないので、クヌギやブナの木が疎らに立つ斜面に散らばって弁当を拡げる。急坂の道は、登りに使った道と比べるとあまり歩かれていないようで、落ち葉が堆く積もっていた。木の高いところに布が結わえ付けてあるのでスキーの道らしい。ところどころイワカガミの群落があり、つややかな葉が名前通り鏡のように光っていた。何度もジグザグを繰り返して、スキー場の上部、朝とは別のリフト終点に飛び出す。リフト横のカンカン照りの斜面を、うんざりしながら歩く。所々に松の木があり、その下だけが涼しい陰を作っている。ここもベニウツギの花が鮮やかである。

変化に乏しい山と感じたのは、最短コースを選んだので行動時間も短く、簡単に登れてしまったからかも知れない。まだ午後も早いので、朽木の古刹・興聖寺を訪れ、本堂で釈迦如来を拝んだ後、旧秀隣院庭園を拝観する。12代足利将軍義春が三好長基反乱の京から難を避けたとき、管領・細川高国が将軍を慰めるための築庭といわれている。正面に蛇谷ヶ峰を仰ぎ、谷水を引いた池を持つ石庭は思ったより小規模だった。美しい緑の中を走り、坊村の近くで鯖寿司と浜焼きを買って帰った。



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