ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

美鈴の思い出(2)

2020-05-11 08:57:21 | 私の動物記

私の動物記(5) 

このようにして5年も経つと、美鈴は悪い癖がついて、自分が晩飯を喰い終わると勝手に上がってくるようになった。食卓の私の横に居座って、前足で私の足を叩いて催促してすき焼の肉や刺身をせしめたりした。

1998年夏、15日間のカナディアンロッキーの旅から帰る。土産のビーフ・ジャーキー5ドル分を夜の間に美鈴が全部、平らげてしまい、水をがぶ飲みしてお漏らしする。2001年晩秋、体調が悪くなる。鼻を鳴らして血を出し、食欲もなく眠りもできない。3日間、点滴を受けた。

 2002年1月、美鈴がまた出血したので病院へ連れて行く。診察台の上で大暴れして医師も壁も血だらけ。口の中がザクロの様に裂けている。悪性の腫瘍らしい。 口内縫合手術をする。三日間預けて歯も2本抜いて歯茎を縫い、歯石も取ったそうだが元気。

4月になって組織検査の結果、口腔内線癌の診断だった。入院して放射線治療に耐えられる体力もなさそうだし、薬で悪化を抑えることになる。

5月まで出血の度に3度手術を受ける。血の混じった鼻水をぽたぽた落とす。秋になると、すぐ様子が見られるように下の部屋にシュラフを持ち込んで、美鈴の横で寝た。