ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

京都大原・寂光院(2015.05.14)

2015-05-16 18:41:39 | 旅日記



天ヶ岳の帰り、寂光院の前に出たので何十年ぶりかで拝観しました。ご存じのように大原では三千院とともに有名な古寺です。



このお寺は天台宗の尼寺で、推古二年(594)、御父・用明天皇の菩提を弔うために聖徳太子によって創建、初代の玉照姫(太子の乳母)、大原女のモデルとなった二代目の阿波内侍、平家物語で知られる三代目の建礼門院・徳子以来、代々高貴な女性が寺を守ってきました。

15年前の2000年(平成12年)、心無い人の放火によって本堂が焼けました。伝聖徳太子作の本尊・六万体地蔵尊は損傷しましたが現在は宝物殿に保存されていて、本堂には新らしい地蔵尊が安置されています。太子が作られた当時の彩色を彷彿とされる極彩色の美しいご本尊に手を合わせ、上品な女性に説明をして頂きました。

本堂北側の四方正面の池
正面奥に三段の滝「玉だれの泉」がかかり、右端の塔の奥に宮内省管轄の建礼門院大原西陵が鎮まっています。

本堂前の雪見灯篭。豊臣秀吉の寄進したものです。

本堂西側の庭園は汀の池。平家物語の時代のままに残されています。



ただ、後白河法皇の「大原行幸」に出てくる樹齢千年の「姫小松」は火災の影響で枯死して、こんな姿に変わり果てました。

いったん西門からでて、建礼門院庵室址に行きました。

近くには「大原菊」と呼ばれる薄青色のミヤマヨメナが咲いていました。
諸行無常の鐘や宝物殿を拝観して、美しい古寺を後にしました。


天ヶ岳に登りました(2015.05.14)

2015-05-16 10:14:13 | 山日記

【天 ヶ 岳】京都市北部、大原の里十名山に数えられる山で、シャクナゲ尾根の名を持つ花の道もあるが、今回は鞍馬から山頂を経て大原の里に下る自然林のコースを歩いた。

【メンバー】丸屋博義、丸屋三輪子、芳村嘉一郎、芳村和子

【コースタイム】叡電鞍馬駅 08:30 … 薬王坂入口 08:35 … 静原分岐 09:00~09:05 … 戸谷峰(525.2m) 10:05~10:10 … 静原水谷分岐 10:25 … 三又峰(622m) 10:50~11:00 … 天ヶ岳 12:20~12:30 … 展望所(昼食)12:45~13:15 … シャクナゲ尾根分岐 13:45 …翠黛山・焼杉山分岐 14:20~14:25 … 寂光院 15:00



出町柳からのワンマンカーで終点の鞍馬駅に着く。鞍馬の火祭りで使われる松明(子供用)や天狗の面などが飾ってある無人の駅舎を出ると、大きな天狗の面に迎えられる。中年男性が独り、大鉢巻を締めて気合を入れていた。



写真を撮り歩き出すとすぐ鞍馬寺の山門を左に見て大きく右に曲がる。先ほどの鉢巻姿は颯爽と山門への石段を登っていった。町並みの中の電柱に、ちょっと分かり難い標識があり、民家の横で川を渡る。ここに東海自然歩道の大きな説明図があった。京都一周トレイルの一部でもあるらしい。

地蔵堂横から薄暗い林の中、まず石段の道、そして木の段の急坂を登る。

大きな落石の横を通り抜けて峠状のところに来る。

静原への分岐で「薬王坂」の説明板がある。一息入れて左の山道に入る。

少し行くと経塚があり、元禄年間の文字が見えた。
 自然林の中の道は傾斜を強めたり弱めたりしながら次第に高度を上げて行く。



ようやく地図上の525.2m三角点に着く。真新しい「戸谷峰」の標識がある。

しばらくは平坦な尾根道が続き、静原水谷への分岐で左に折れる。この辺り「山を美しく」「ゴミは持ち帰ろう」などと呼びかける静原小学校の生徒たちのポスターが随所にあり、地元の山を守ろうとする子供たちの心がうかがわれて微笑ましい。道は木の根道になり、勾配が強まると左手に鞍馬の尾根が木の間隠れにちらちら見える。622mのピークは暗い森の中で、道標に三又山の文字が見えた。

更に登ると目指す天ヶ峰が右手やや高くに見えるようになるが、かなり遠く思える。やや開けたところで写真を撮り、更に小さいピークを二つ超える。大きな尾をしたリスやびっしり木に付いたキノコを見たりするうち、思ったより早く天ヶ岳に着いた。

思ったより小広く気持ちのよい山頂だが、回りは樹木に囲まれ展望は全くない。

ヤマツツジの赤い色だけ緑の中で鮮やかだ。せっかくなので、しばらく休んだのち大原への標識に従って下る。小さいコル状のところを登り返すと、目の下に道標が見えたが鉄塔からの展望を楽しみに皆でそれぞれに道を探す。

左の踏み跡へ入った和と丸さんが「鉄塔が見える」と言う方へ行くと抜け出して、今日初めて広々とした展望場所に飛び出した。

東には竹生島の浮かぶ琵琶湖が霞み、その左には武奈ヶ岳がくっきりと望めた。反対側の貴船、鞍馬の山並みを見ながら腰を下ろして昼食を取るうちに、カンカン照りだった頭上に雲が拡がってくる。

元の分岐に戻る途中で踏み跡を下ると、百井峠への道に出た。先ほどの山頂からの尾根がすぐ頭上に見える。ここからヤマツツジが美しい緩やかな道を行くと、シャクナゲの木が現れ出したが、やはり花期には遅すぎて茶色に変わった花弁が残っているだけだった。シャクナゲ尾根の分岐まで時々、岩が露出してロープの張ってある処もある。

手の谷側に獣除けの網が張ってある処をしばらく通ると焼杉山と翠黛山の分岐にくる。ここから谷道になり、かなりの急坂をぐんぐん下る。清流が音を立て小さい滝がかかっている美しい谷を下り、林道にでた。先ほどから鳴き声の聞こえていたカジカの姿をみて川沿いに下ると、大原側の登山口に出た。

「大原の里十名山」標識は焼杉山、翠黛山の登山口であることも記されている。建礼門院侍女たちの墓所を過ぎると急に里の景色になり、寂光院の前に出た。大原バス停まであと800mだが、久しぶりに寂光院に参詣することにして今日の山行を終える。シャクナゲには出会えなかったが、不安だった足や腰も痛くならず、ツツジが彩りを添える新緑の中、山歩きの楽しさを満喫できた。