ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

なごり雪の葛城山(2014.04.09)

2014-04-10 17:57:27 | 山日記

今年初めての葛城山である。朝の道は混んでいて309号線に入るまで少し時間がかかった。水分橋のトイレ付近は車が多かったが殆どが金剛山へ登る人らしく、浄水場へ登る道脇に一本だけ美しく咲き残る桜の樹の前には、まだ駐車スペースがあった。登り始めは右腰のあたりに鈍い違和感もあり、ゆっくりと歩いて林道に入る。三日前に季節外れの降雪があり、ネットで金剛山はかなりの積雪と知ったが、ここもいつもより地面が湿っている。流れを渡る手前から少し道が荒れていて、歩き難くなる。

鎖場まで少し長く感じたが、実際はいつもとあまり変わらない時間で通過。流れを渡り返して天狗谷の右岸を登る道にも大きな石が転がっていたりする。

水場は大きく崩れた岩石で埋まり、すっかり様子が変わっていた。ようやく汗ばんできたが、ウグイスの声を聴きながら休まずに中間ベンチまで歩く。いつの間にか腰の痛みは消えていた。

10分足らず休んで階段道を登る。快調にきつい登りを終えて、ショウジョウバカマを楽しみに水平道に入ったが、ようやく蕾をつけた一株を見ただけだった。再び谷沿いの登りになる古い堰堤のところからは残った雪が現れた。

ショウジョウバカマは殆どが葉だけで、陽当りのよいところで蕾がちらほら、ちょっと慌てん坊が数株だけ短い茎を精一杯伸ばして花を咲かせていた。

砂防堰堤の工事が終わって迂回はしなくて済むが、幅の広い土留を登るのに段差が高くて歩き辛い。ショウジョウバカマの群落は上部の方が見事になって、林道下の斜面を緑の葉がびっしり埋めている。花の時期が楽しみだ。

白樺食堂前から頂上に続くススキの原は綺麗に刈られてカタクリの小さな葉が顔を出していた。ちょうど登ってきた男性がカメラのシャッターを押してくれて降りて行ったあとは二人だけの頂上になったが、春霞かPM2.5か分からぬが辺りはぼんやり霞んでいる。辛うじて金剛山が見えるだけで河内平野も大和盆地も見えない。先程の男性の後を追うように早々に高原ロッジの方へ下る。

ここも綺麗に刈り取られていて、下の方はブルドーザーが入っているようだった。高原ロッジ横には「恋人の丘」によく見るベルが作られ、キーもいくつかぶら下がっている。横に「大美和の丘」で見たのと似た「奈良県景観資産」の標識が立っていた。ツツジ園は来月のシーズンに備えて、ベンチやテーブルの数が増やされている。いつもは敬遠する桟敷に座って金剛山を見ながら、コーヒーとパンで早目の昼食とした。

ショウジョウバカマの写真を撮りながら同じ道を下る。中間ベンチの手前で登ってくる中年のペアに出会う。今日、山で出会ったのは、この人たちも含めて僅か8人だった。

鎖場を過ぎるとヤマルリソウなどの花が現れ、朝は眠っていたミヤマカタバミが開いていた。静かな山を存分に楽しむことができて満足して駐車場所に帰った。