ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

高円山に登る(11月11日)

2008-11-12 17:32:01 | 山日記
 先週、芳山に登るときに見て気になっていた、滝坂道に入ってすぐの手作りの道標から高円山に登る。


道標に導かれて疎らに木が立つ広場に入ると、落ち葉に覆われた道はすぐに判りにくくなる。
目印らしいテープと頭に赤いペンキを塗った石標がある方に向かうと、自然林の中に急に細くなった踏み跡が途切れがちに続いている。


ヤマナシの実がたくさん落ちているところで踏み跡は消えたので、かなり急斜面の広葉樹林帯を植生が疎らなのを幸い遮二無二登る。

30分ほどで山腹のはっきりした道に出会う。例の石標があるのでほっとして地図を見ていると、上から降りてきた人が「どこへ登るのですか」と声を掛けてきた。
高円へはこれでいいか訊ねると、他の道も含めて詳しく教えてくださった。
週に二、三回はここを登って整備されている池田さんで、滝坂からの道も道標もこの方たちの仲間で付けられたそうだ。別れ際に「いい山ですからまた登りに来てください」と言われた。
すぐ先で正しい分岐点に出た。どうも登山口を入ってすぐの林で右(東側)に寄りすぎたらしい。


山肌の紅葉が美しい春日山を見ながら登って行くと、右から白豪寺から登ってくる道が合わさった。
2002年6月に千日山歩渉会の仲間たちと登って来た見覚えのある道である。



短い急坂を登り切ると大文字の火床が連なる草原にでた。
高曇りながら、前回は見えなかった生駒山はおろか、遠く六甲、北摂の山まで見通せる。
金剛、葛城は雲の上に頭を出し、近くは若草山の下に南都の市街地が箱庭のように広がる胸のすくような大展望である。帰りにもう一度、ゆっくりすることにして先を急ぐ。


再び短い登りで灌木帯に入り、しばらく右の山腹を捲くように歩くと三角点への標識が右手の高みを示している。


林に囲まれて点名・白豪寺432mの二等三角点と何枚かの山名板があるが、展望は全くない。

山腹道に帰り東に向かうとススキに囲まれた広い草地を通る。間もなく正面に高円山ホテルの立つドライブウェイに飛び出す。
大伴家持の万葉碑と並んで、大きな展望台と戸を閉めた売店がある。
高円山最高点461mはホテル敷地内にあるようで立ち入る勇気はないので、もう一度景色を眺めて引き返した。
ススキの広場で弁当を食べて、大文字火床に下り、


もう一度ゆっくり景色を眺めながらコーヒータイムを楽しんだ。火床から見下ろす寺院や学校などの建物を「あれは何処、これは何」と当てっこして遊ぶ。和子は双眼鏡を持ってこなかったことを悔やんだ。

 名残り惜しい展望を後に元の道を分岐に下る。白豪寺への新しい道にも興味があったが、登りで失った道を確認しようと「奈良県」の石標が点々と続く支尾根に入る。
ところどころコシアブラ、ヨツデ、シナギリ、ソヨゴなど道標と同じ字で名前を記した札が下げた樹木に出会う。
道はやや不明瞭な個所もあるが特に難しいところもなく、林を抜けて登山口近くの広場に出た。


迷った地点で振り返ると、落葉のない季節なら何ということはないところだ。
今出てきた林の入口に目印があれば一層分りやすいだろう。
<左の木の間へ進むのが正しいルートです>

一か月足らずの間に三度目になる春日山周辺の低山巡りは、その間に紅葉も進み美しい眺めだった。終日、雲は高いもののほとんど青空が見えない天候ではあったが、いつも眺めているのと逆に、東の山から矢田丘陵を見るのも一興だった。

高畑丸山駐車場09:45…滝坂道登山口10:10…山腹道に出る10:45…大文字火床11:00~11:10…高円山三角点(二等、点名・白豪寺)11:25…高円ホテル11:40~11:45…昼食11:50~12:10…火床(コーヒータイム)12:25~12:40…分岐12:50…滝坂道登山口13:05